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402世間とのズレ
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一体、この人達は何を考えているんだろう。
年末が近付くにつれて、練習が激しくなり怪我人が続出している。
俺はピース医師を手伝って治療を行っている。
「怪我人が、去年より多くなっていませんか。」
「確かに、武術大会に向けて張り切っているみたいですね。皆さん、拓殿が用意した魔道具を欲しがっているみたいですよ。」
治癒の魔道具を手に入れる為に、怪我をするなんて間違っているだろう。
また次の怪我人がやって来た。
ブルネリ公爵とバラン将軍に一言いって貰ったが、全く効果が無い様だ。
「ピース医師と拓殿が居ると、あいつ等も安心して無理が出来ると考えているみたいでな。
申し訳無いが、大会まで我慢してくれないだろうか。」
やはり、バラン将軍の部下といった所だろうか。
ブルネリ公爵からの依頼として治療を行っているので給料は出るし、治療と称して鍛えられた体の触り放題なので文句は無い。
ただ不思議なのは、怪我をしてやって来た兵士達の全員が裸になろうとする。
男性兵士だけでなく、女性兵士も脱いだ方が良いかと聞いて来る。
俺をからかったり、まして誘惑しようとしている訳でもない。
正直、嬉しいが理由が分からない。
ピース医師が聞いてくれた所、ガゼルスさんの話が伝わり俺に全身の精密検査をしてもらいたくて裸になろうとしていたらしい。
これにはブルネリ公爵もバラン将軍も呆れていたが、打ち所が悪く昨日まで元気だった人が急に亡くなったり、後遺症を患う事もある。
そう考えると、兵士達の気持も分かる。
「しかし、ポーションを適当に飲んでいれば良いだけでは。」
「効果のあるポーションは高いからな。残念だが、気楽に飲めるほど兵士の給料は高く無い。
拓殿が全身の詳細検査が出来ると聞いて、期待をしてしまったんだろう。流石に、ピース医師にそこまでして頂けないからな。
兵士達には俺から言い聞かせておく。迷惑をかけてすまなかった。」
家には、俺やアルの作ったポーションが大量に有るので高価という認識が薄い。
それに、OZ、アーク、クリームに対しては俺が定期的に全身を調べて治療を施している。
あんな不味い物を、わざわざ飲む必要はない。
こういう所も、世間とずれているのだろう。
それに、忙しくしいピース医師にそこまでして頂く訳にはいかないか。
「一応、治療のついでにざっくりと診てはいますが、精密検査もしておいた方が良いですよね。
今は兵士の治療の他にも、色々とやっているので無理ですが、大会の後なら良いですよ。」
俺としては逞しい体を弄るチャンスなので、仕方が無いという感じを出しつつ対応する事にした。
お触り天国をきっかけを作ってくれたガゼルスさんはブルネリ公爵邸の訓練場を借りてハンさんを鍛えている。
「拓殿には感謝ですな。体調が凄く良い。」
と元気に答えるガゼルスさんの横には、ハンさんが疲れて座り込んでいた。
残念ながらハンさんが怪我をする事が有っても、ガゼルスさんが怪我をする事は無い。
ハンさんの治療のついでに、ガゼルスさんに治癒魔法を使ったマッサージを行っている。
俺にとっては、ついでがハンさんの治療なのだが・・・
怪我人が出なかったのは、年末恒例となった餅つき大会の日だけだった。
その代わり、胃薬を欲しがる人が多かったが・・・
慌ただしい年末を過ごして、新年を迎えた。
年末が近付くにつれて、練習が激しくなり怪我人が続出している。
俺はピース医師を手伝って治療を行っている。
「怪我人が、去年より多くなっていませんか。」
「確かに、武術大会に向けて張り切っているみたいですね。皆さん、拓殿が用意した魔道具を欲しがっているみたいですよ。」
治癒の魔道具を手に入れる為に、怪我をするなんて間違っているだろう。
また次の怪我人がやって来た。
ブルネリ公爵とバラン将軍に一言いって貰ったが、全く効果が無い様だ。
「ピース医師と拓殿が居ると、あいつ等も安心して無理が出来ると考えているみたいでな。
申し訳無いが、大会まで我慢してくれないだろうか。」
やはり、バラン将軍の部下といった所だろうか。
ブルネリ公爵からの依頼として治療を行っているので給料は出るし、治療と称して鍛えられた体の触り放題なので文句は無い。
ただ不思議なのは、怪我をしてやって来た兵士達の全員が裸になろうとする。
男性兵士だけでなく、女性兵士も脱いだ方が良いかと聞いて来る。
俺をからかったり、まして誘惑しようとしている訳でもない。
正直、嬉しいが理由が分からない。
ピース医師が聞いてくれた所、ガゼルスさんの話が伝わり俺に全身の精密検査をしてもらいたくて裸になろうとしていたらしい。
これにはブルネリ公爵もバラン将軍も呆れていたが、打ち所が悪く昨日まで元気だった人が急に亡くなったり、後遺症を患う事もある。
そう考えると、兵士達の気持も分かる。
「しかし、ポーションを適当に飲んでいれば良いだけでは。」
「効果のあるポーションは高いからな。残念だが、気楽に飲めるほど兵士の給料は高く無い。
拓殿が全身の詳細検査が出来ると聞いて、期待をしてしまったんだろう。流石に、ピース医師にそこまでして頂けないからな。
兵士達には俺から言い聞かせておく。迷惑をかけてすまなかった。」
家には、俺やアルの作ったポーションが大量に有るので高価という認識が薄い。
それに、OZ、アーク、クリームに対しては俺が定期的に全身を調べて治療を施している。
あんな不味い物を、わざわざ飲む必要はない。
こういう所も、世間とずれているのだろう。
それに、忙しくしいピース医師にそこまでして頂く訳にはいかないか。
「一応、治療のついでにざっくりと診てはいますが、精密検査もしておいた方が良いですよね。
今は兵士の治療の他にも、色々とやっているので無理ですが、大会の後なら良いですよ。」
俺としては逞しい体を弄るチャンスなので、仕方が無いという感じを出しつつ対応する事にした。
お触り天国をきっかけを作ってくれたガゼルスさんはブルネリ公爵邸の訓練場を借りてハンさんを鍛えている。
「拓殿には感謝ですな。体調が凄く良い。」
と元気に答えるガゼルスさんの横には、ハンさんが疲れて座り込んでいた。
残念ながらハンさんが怪我をする事が有っても、ガゼルスさんが怪我をする事は無い。
ハンさんの治療のついでに、ガゼルスさんに治癒魔法を使ったマッサージを行っている。
俺にとっては、ついでがハンさんの治療なのだが・・・
怪我人が出なかったのは、年末恒例となった餅つき大会の日だけだった。
その代わり、胃薬を欲しがる人が多かったが・・・
慌ただしい年末を過ごして、新年を迎えた。
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