異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
359 / 761

35914番目の遺跡

しおりを挟む
肝心の遺跡だが、特に新しい発見は無い。
念のため、遺跡周辺の地下も調べているが、今のところ無駄に終わっている。
他にも、古代の街道が通っていた場所も調べているが、今では木に塞がれ、特別な抜け道も存在していない。
この辺にはリッチも来た事がなく、詳しい事は知らなかった。

「この遺跡にも何も無かったか。遺跡は後2つか。何か見つからないかな。」
「拓さん、次が最後では?大森林の周辺には13の遺跡しかないはずだけど。」

ポトリ教授はそう言うと、地図を取り出して広げて見せてくれる。
そこには確かに13ヵ所しか存在していない。

《しくじった。古代地図の個数をそのまま言ってしまった。》

俺達の地図とは異なり、ポトリ教授の地図は詳細に描かれている。
この世界、ここまで精密な地図は国家機密になるのではないだろうか。

《どうする。勘違いにして誤魔化してしまうか。しかし、地図に載っていない14番目の遺跡には興味がある。》

『ここまで来たのなら、2人に古代の地図を見せてはどうじゃ。』

皆が俺を見て頷いている。
この2人なら大丈夫だろう。
俺はアイテムボックスから古代の地図を取り出して、ポトリ教授の地図の横に並べた。

「拓殿、一体この地図は何ですか。このマークは・・・」

ポトリ教授は黙り込んで、俺の出した地図を見続けていた。

「これは、もしかして古代の地図。凄い、大森林も無ければ、海岸の形も全く違う。
 もしかして、これがガイアの門が開く前の世界だというの。」

その言葉に、ヨギ魔道師も地図を見入っていた。
「ここは山脈の遺跡ね。」「これが孤島の遺跡。」「この大森林の中に有る遺跡の名前ってガイ・ア。」
「ガイアってはまさか、あのガイアなのか。」
地図をみて2人は固まってしまった。
さすがポトリ教授だ。古代の文字が読めるのか。
しかし、このまま自分の世界から帰って来ないみたいだったので

「ポトリ教授、話をさせてもらっても良いですか。」

無理に、こちらの世界に戻ってきてもらう。

「想像の通り、2000年前の地図です。
 現在、勇者の遺跡と呼ばれている場所は、その時代に有った特別な施設の後では無いかと思います。
 そして、大森林周辺に14番目の遺跡がここに有ると考えられます。」

現在の地図と比べると、ほぼ海岸の側の印を指す。

「最後に、この場所に行ってみたいと思っていますが、どうでしょう。」

ポトリ教授の反応がない。すると急に古代の地図と現在の地図の比較を始めた。
「川の位置がここ、これが孤島の遺跡だとすると…」
ブツブツと独り言を言いながら14番目の遺跡の位置を地図記入した。

「拓さん、ありがとうございます。こんな素晴らしい事は有りません。
 また、新しい遺跡に足を踏み入れる事が出来るとは考えても居ませんでした。
 是非とも行きましょう。
 しかし、この地図はいったいどうやって手に入れたのですか。」

「すみません。それについては話す事は出来ません。
 申し訳ありませんが、他にも約束が有り地図はしまわせてください。
 その前に、ガイアの位置を記載しておいては如何ですか。」

ガイアの位置を記載したのを確認し、古代の地図はアイテムボックスに収納した。
この地図には、リッチが居るモハメの神殿の位置まで記載されている。
モハメの神殿の事は他に教えないというリッチとの約束も有り完全に公開する訳にはいかなかった。

それでもポトリ教授の興奮は収まらず、その日は夜遅くまでポトリ教授の講義が続いた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

処理中です...