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35914番目の遺跡

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肝心の遺跡だが、特に新しい発見は無い。
念のため、遺跡周辺の地下も調べているが、今のところ無駄に終わっている。
他にも、古代の街道が通っていた場所も調べているが、今では木に塞がれ、特別な抜け道も存在していない。
この辺にはリッチも来た事がなく、詳しい事は知らなかった。

「この遺跡にも何も無かったか。遺跡は後2つか。何か見つからないかな。」
「拓さん、次が最後では?大森林の周辺には13の遺跡しかないはずだけど。」

ポトリ教授はそう言うと、地図を取り出して広げて見せてくれる。
そこには確かに13ヵ所しか存在していない。

《しくじった。古代地図の個数をそのまま言ってしまった。》

俺達の地図とは異なり、ポトリ教授の地図は詳細に描かれている。
この世界、ここまで精密な地図は国家機密になるのではないだろうか。

《どうする。勘違いにして誤魔化してしまうか。しかし、地図に載っていない14番目の遺跡には興味がある。》

『ここまで来たのなら、2人に古代の地図を見せてはどうじゃ。』

皆が俺を見て頷いている。
この2人なら大丈夫だろう。
俺はアイテムボックスから古代の地図を取り出して、ポトリ教授の地図の横に並べた。

「拓殿、一体この地図は何ですか。このマークは・・・」

ポトリ教授は黙り込んで、俺の出した地図を見続けていた。

「これは、もしかして古代の地図。凄い、大森林も無ければ、海岸の形も全く違う。
 もしかして、これがガイアの門が開く前の世界だというの。」

その言葉に、ヨギ魔道師も地図を見入っていた。
「ここは山脈の遺跡ね。」「これが孤島の遺跡。」「この大森林の中に有る遺跡の名前ってガイ・ア。」
「ガイアってはまさか、あのガイアなのか。」
地図をみて2人は固まってしまった。
さすがポトリ教授だ。古代の文字が読めるのか。
しかし、このまま自分の世界から帰って来ないみたいだったので

「ポトリ教授、話をさせてもらっても良いですか。」

無理に、こちらの世界に戻ってきてもらう。

「想像の通り、2000年前の地図です。
 現在、勇者の遺跡と呼ばれている場所は、その時代に有った特別な施設の後では無いかと思います。
 そして、大森林周辺に14番目の遺跡がここに有ると考えられます。」

現在の地図と比べると、ほぼ海岸の側の印を指す。

「最後に、この場所に行ってみたいと思っていますが、どうでしょう。」

ポトリ教授の反応がない。すると急に古代の地図と現在の地図の比較を始めた。
「川の位置がここ、これが孤島の遺跡だとすると…」
ブツブツと独り言を言いながら14番目の遺跡の位置を地図記入した。

「拓さん、ありがとうございます。こんな素晴らしい事は有りません。
 また、新しい遺跡に足を踏み入れる事が出来るとは考えても居ませんでした。
 是非とも行きましょう。
 しかし、この地図はいったいどうやって手に入れたのですか。」

「すみません。それについては話す事は出来ません。
 申し訳ありませんが、他にも約束が有り地図はしまわせてください。
 その前に、ガイアの位置を記載しておいては如何ですか。」

ガイアの位置を記載したのを確認し、古代の地図はアイテムボックスに収納した。
この地図には、リッチが居るモハメの神殿の位置まで記載されている。
モハメの神殿の事は他に教えないというリッチとの約束も有り完全に公開する訳にはいかなかった。

それでもポトリ教授の興奮は収まらず、その日は夜遅くまでポトリ教授の講義が続いた。
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