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347ハイキング

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森の中を進み、無事に目的地に到着した。

「どうかな。近くまで来た時は、ここで食事をしているんだ。
 レオさんの料理を食べるなら、風景も大切だからね。」

「トムってさ、食べるだけで無く、雰囲気まで拘るんだよな。
 でも、ここでレオの食事を食べるのは俺も大賛成だ。」

トムさんと、ニコラスさんが嬉しそうに話しながらテーブルのセッティングをしていく。
クリームに案内してもらった場所は、森の外れの小高い丘の上だった。
遠くにラグテルの町が見下ろせ、気持ちの良い風が吹いている。
大木の下での食事会。
テーブルに並べられた弁当箱の蓋を開けると、こないだとは違う料理が盛られていた。
皆、溜息と共に箱の中を眺める。

「「「いただきます」」」

皆で、レオの料理に舌鼓を打つ。
見た目が美しく、味も絶品だ。ヤマトも器用に奇麗に食べている。
ニックさん、サリーさん、カイにレムも誘ったが、孤児院での勉強会が有るので残念ながら不参加。
彼等には同じ料理を用意してあるので、夜にでも食べてもらうつもりだ。

「そう言えば、クリーム、アークのケルベロスの調査はどうなったんですか。」

俺達が冒険者試験の時、森でケルベロスに襲われたことでギルドから調査依頼を受けていた。
俺達が突然気配を感じた所を調べた所、捕まえていた跡が有ったらしい。

「それは、俺達を狙ってケルベロスを用意していたってい事ですか。」

浩司が気にするのも仕方が無い。

「いや、そうとは言い切れない。浩司達が居た所とは距離が有ったからな。
 浩司達を狙うなら、もっと川の側に用意しているはずだ。
 もしかすると、もう1つの試験を受けていたチームに居たピエールを狙ったのかも知れない。
 ピエールの実家のロドリゲス商会は、かなり手広い仕事をしている。
 商人としては真っ当だが、恨みを買う事も有るだろう。」

ジークさんの言う通り、あの森に居たのは俺達だけでは無い。
後で知った事だが、ピエール達の方がケルベロスの側に居た。
他の人を狙って用意し、俺達を攻撃したのは予定外の事と考えられるのか。
しかし、ピエールが護衛を行ったヨーゼフさんの隊は魔獣に襲われる事も無くマクニス王国から戻ってきた。

「OZはパウロさんに誘われて、ヨーゼフさんと今夜食事をするんだろ。
 マクニス王国間との移動で何か無かったか、それとなく聞いてみたらどうだ。」

パウロさんは、暫くラグテルの町に滞在していて、ヨーゼフさんと食事をするのでOZも一緒にどうかと誘ってもらった。
ヨーゼフさんの事はエチゴさんも信用できる商人と言い、俺が見た時も奇麗なオーラを纏っていたのでOZの皆でお邪魔する事にしていた。
ヨーゼフさんは食料を扱う商人らしいので、レオと知り合いたいのだろうか。
レオの料理本も3冊目となり、意外と売れている様だからな。

「何だ、拓ちゃん。俺の顔に何か付いているか。」

つい、レオの顔を眺めていた。
浩司が変な事を考えていたと思われなかっただろうか。浩司の方を見ると

「やっぱり、ヨーゼフさんはレオと知り合いたいのかな。」

と言ってくる。何で、浩司は俺の考えている事が分かるのだろうか。
悪い気がしないので、別に良いか。
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