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344合格発表
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行きは、あれだけ魔獣に襲われたというのに、帰りは殆ど魔獣に遭遇することなく戻って来れた。
無事に警護も終わり、パウロさんからは特別報酬が支払われた。
その後、別室でパウロさんがギルドマスターのバクルさんに今回の護衛任務の報告を行っている間、俺達はギルド会館の会議室で試験の結果報告待っている。
大したミスも無く、問題無く魔獣討伐も行い、パウロさんの機嫌も良かったので、緊張はしているが気持ちに余裕が有る。
「もしかして、俺達街道沿いの魔獣を全て倒してしまったんじゃないか。」
「積み荷に魔獣を引き寄せる何かが有ったのも知れないわ。」
「大変だったけど誰も怪我をしなかったし、僕は探索の訓練になって結果良かったかな。」
ハック、リタ、アニスは各々に今回の魔獣遭遇に対し感想を言い合っていた。
結局、あれだけ魔獣に遭遇した原因は分からないままだ。
1時間ほどして、パウロさんとバクルさん、そして事務の女性と一緒に戻ってきた。
「先ずは、Cランク冒険者の試験結果からだ。」
皆、身を固くしてバルクさんを見つめる。一瞬、間が有り
「ハック、リタ、アニス、浩司、拓。全員合格だ。
受付でDランクのギルドカードを返却し、新しいカードを受け取るように。」
ハック、リタ、アニスは喜び、俺は、あの不味い食事から解放されると思うとホッとして溜息を吐いていた。
「やったな、拓ちゃん。俺達、無事にCランクに合格したぞ。」
浩司も嬉しかった様で、安心した俺に声を掛けて喜んでいた。
後は、ガラの結果だけだ。
「静かにしろ。」
バルクさんの一言で、会議室が静かになった。
バルクさんがガラの方を向くと、ガラが緊張するのが分かった。
「おめでとう。Bランク冒険者に合格だ。」
女性の方がバルクさんにギルドカードを渡し、バルクさんからガラの前に差し出される。
しかしガラは、そのカードを見ているだけで動こうとしない。
「どうした、お前の新しいカードだ。早く受け取れ。」
古いCランクのギルドカードを返し、新しいBランクのギルドカードを受け取ったガラ。
黙ってしばらく見ていると、急に
「おっしゃ~、やったぞBランクだ。」
とガッツポーズをすると、俺と浩司の前に立ち、
「2人に会えなければ、絶対になれなかったと思う。本当にありがとう。」
そう言って頭を下げると、俺と浩司に抱きついて喜んでいた。
ガラがこんなに喜ぶなんて、Bランクに上るというのは本当に凄い事なんだ。
俺まで本当に嬉しくなってしまう。しかし
「ガラ、少し力を弱めて。ちょっと痛い。」
「悪い。」
ガラは俺達を離すと、また自分のギルドカードを見ていた。
そんなガラに、その場に居た皆が拍手をしていた。
無事に警護も終わり、パウロさんからは特別報酬が支払われた。
その後、別室でパウロさんがギルドマスターのバクルさんに今回の護衛任務の報告を行っている間、俺達はギルド会館の会議室で試験の結果報告待っている。
大したミスも無く、問題無く魔獣討伐も行い、パウロさんの機嫌も良かったので、緊張はしているが気持ちに余裕が有る。
「もしかして、俺達街道沿いの魔獣を全て倒してしまったんじゃないか。」
「積み荷に魔獣を引き寄せる何かが有ったのも知れないわ。」
「大変だったけど誰も怪我をしなかったし、僕は探索の訓練になって結果良かったかな。」
ハック、リタ、アニスは各々に今回の魔獣遭遇に対し感想を言い合っていた。
結局、あれだけ魔獣に遭遇した原因は分からないままだ。
1時間ほどして、パウロさんとバクルさん、そして事務の女性と一緒に戻ってきた。
「先ずは、Cランク冒険者の試験結果からだ。」
皆、身を固くしてバルクさんを見つめる。一瞬、間が有り
「ハック、リタ、アニス、浩司、拓。全員合格だ。
受付でDランクのギルドカードを返却し、新しいカードを受け取るように。」
ハック、リタ、アニスは喜び、俺は、あの不味い食事から解放されると思うとホッとして溜息を吐いていた。
「やったな、拓ちゃん。俺達、無事にCランクに合格したぞ。」
浩司も嬉しかった様で、安心した俺に声を掛けて喜んでいた。
後は、ガラの結果だけだ。
「静かにしろ。」
バルクさんの一言で、会議室が静かになった。
バルクさんがガラの方を向くと、ガラが緊張するのが分かった。
「おめでとう。Bランク冒険者に合格だ。」
女性の方がバルクさんにギルドカードを渡し、バルクさんからガラの前に差し出される。
しかしガラは、そのカードを見ているだけで動こうとしない。
「どうした、お前の新しいカードだ。早く受け取れ。」
古いCランクのギルドカードを返し、新しいBランクのギルドカードを受け取ったガラ。
黙ってしばらく見ていると、急に
「おっしゃ~、やったぞBランクだ。」
とガッツポーズをすると、俺と浩司の前に立ち、
「2人に会えなければ、絶対になれなかったと思う。本当にありがとう。」
そう言って頭を下げると、俺と浩司に抱きついて喜んでいた。
ガラがこんなに喜ぶなんて、Bランクに上るというのは本当に凄い事なんだ。
俺まで本当に嬉しくなってしまう。しかし
「ガラ、少し力を弱めて。ちょっと痛い。」
「悪い。」
ガラは俺達を離すと、また自分のギルドカードを見ていた。
そんなガラに、その場に居た皆が拍手をしていた。
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