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328試験管

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Cランクの試験は順調に終わり、次はBランクの試験、ガラの番だ。
俺と浩司は、訓練場に残り、ガラの試験を見る事にした。
冒険者には前衛、後衛等、色々な立ち位置があるので試験内容も戦闘能力、サポート能力等と色々とある。
今回ガラは戦闘能力を調べる為、試験官と1対1で試合を行う。
装備は、全てギルド側で用意する。
試験は本人の実力を計るもので、装備による違いを無くすためだ。
訓練場にガラと対戦する試験官が入って来たが

「ジークさんとトムさんが何故。もしかして対戦相手は、あの2人なの。」

「言えなくてゴメンね。
 Aランクの冒険者が対応するのが通常で、今回はジークが行う事になったのよ。
 トムはサポート役。ジークに強化魔法を掛けるのと、怪我をした時の治療ね。」

申し訳なさそうに、ロビンさんが教えてくれた。
ジークさんはトムさんに強化魔法を掛けてもらい、ガラは自分で強化魔法を掛けて試合が始まった。


******(ガラ)

試験官がジークとは。

「これも守秘義務でな悪く思うなよ。
 さて、合わなかった間でどれだけ腕を上げたのか見せてもらうぜ。」

剣を構えると、ジークが話掛けてくる。

「良い成績を出さないと仲間に顔向け出来なくなるんでね。
 色々指導をしてもらって悪いが、勝たせてもらう。」

「良い面構えだ。俺も本気で行かせてもらうぞ。」

ジークがいきなり突っ込んできたのを払い除け、攻撃を仕掛けるが簡単に防がれる。
そして、ジークから剣による連続攻撃
拓や浩司の訓練より遅いが、1撃、1撃が重い。

「どうした。避けるだけでは俺に勝てないぞ。」

言われなくても分かっているさ。
俺はジークに光魔法で目潰しを行い、一気に攻撃を仕掛けた。

「甘い。目潰し程度で隙を作れると思うな。」

返り討ちに合う所だった。目潰し程度で隙を見せる様な相手では無いか。
距離を取ると雷撃が襲ってくる。
俺に距離を取っての攻撃手段が無い以上、接近戦で戦い続けるしかない。
小手先の技は無しだ。
俺の全力で、攻撃を仕掛けてやる。
一撃、一撃にスピードと力を乗せてジークに叩き込む。

「まだ、まだ、まだだ」

手数を増やせ、ジークを押しまくれ。


******(ジーク)

これが、本当にBランク冒険者の試験なのかよ。
ガラの実力は知っているつもりだったが、未だこんな底力が有ったのか。
俺の本気の攻撃を完全に防いだ上に、この反撃は厳しいな。
攻撃に移るタイミングが得られない。


******(ガラ)

もう一息、もう一息で攻撃が通りそうだ。
このまま一気に畳みかけてやる。


しかし、そんな事は出来なかった。
俺の剣は折れ、喉元にジークの剣が付きつけられた。
ジークに1撃も与える事も出来ずに、俺は負けた。
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