異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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313サリナ姫復活

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サリナ姫、ブルネリ公爵が領民の前に出るのは終わり、一息つけるだろう。
それにしても、サリナ姫の様子が少しおかしい。話が終わるまで、黙ったままだった。。

「サリナお姉さん、どうしたんです。」

「えっ、何でも無いわ。今日は、本当にありがとうございました。
 皆さんのお陰で、無事にパレードを行う事が出来ました。
 私達が表に出るのは終わりましたが、引き続き警備の方を宜しくお願いします。」

それだけ言って、部屋から出て行ったので、気になり追いかける事にした。

「サリナお姉さん。少し付き合ってよ。」

ルドルフ料理長に断り、調理場でホットチョコレートを作らせてもらう。
サリナ姫を見ると、そのまま調理場を離れて2人にしてくれた。

「はい、どうぞ。寒い日には、これが美味しいですよね。後、おまけです。」

俺がマシュマロを浮かべると、サリナ姫は溶けるのを見ていた。

「初めて見るお菓子ね。こんな風に溶けるなんて面白いわ。」

「マシュマロって言うんです。これも寒天で作ったんですよ。」

この世界の寒天は、元の世界で言う所のゼラチンに近い。

「こんなのも作れるんだ。拓ちゃんは凄いよね。力も知識も有って。それに比べて、私は…。」

そう言って、自分のマグカップを暫く見ていた。

「今回、呪いを受けていたとはいえ、遊びって言われたじゃない。
 王女という立ち場だけで何の力も無いのに、口だけで遊んでいるだけなのかなって。
 このイルミネーションだって、パレードだって拓ちゃんが考えて作り上げたものだし
 王女としてパレードに出た所で、いざという時に何もできずに守られていただけ。
 私って何でこんなに力も無く弱いのかと思って。」

思った以上に考え過ぎているみたいだ。

「サリナお姉さんは弱くないですよ。
 危険なのに王女だからとパレードに参加するなんて強い人でなければ出来ません。
 それに、イルミネーションは、俺達が皆を驚かせる為だけに作った遊びです。
 それを、皆の娯楽として広めたのはブルネリさんやサリナお姉さん達です。
 皆が喜んだり、笑ったり、驚いたり、楽しめる場にしたのは俺では無いです。
 だから、もっと自信を持ったらどうですか。」

下を向いていたサリナ姫が顔を上げた。

「サリナお姉さんの求める力って何です。
 武力、知識。でも1人で出来る事なんて知れたものですよ。
 さっき、俺の事を凄いって言いましたが、防御力ばかりで剣術の才能は無い。
 未だに、倒した魔獣の処理も出来ずに、皆にやってもらってますしね。
 それぞれの人にとっての力を身につければ良いと思っています。
 OZやアーク、クリームの人達って優しいだけでなく、厳しい所があります。
 パレードの護衛を受けたのだって、王女や貴族だからでは無く、サリナお姉さんやブルネリさんだからです。
 そういう人が周りに居るのもサリナお姉さんの力だと思います。
 それなのに、そんな風に落ち込んでいたら力を貸してくれた皆に失礼ですよ。」

「そうよね。ありがとう拓ちゃん。
 大体、落ち込む暇が有るなら頑張れば良いのよ。」

冷めてしまった、ホットチョコレートを飲むと食堂から出て行った。
姫として生きるって大変だろうが、自分で乗り越えなければ先に進めない。
ホットチョコレートを温め直しているとバラン将軍がやって来た。

「色々と気を使ってもらったみたいだな。サリナ様が元気になられて良かった。」

バラン将軍のホットチョコレートを用意しマシュマロを食べながら話していると、サリナ姫が戻って来て勉強のお供にと大量のマシュマロを奪って行った。
思わず2人で笑ってしまったが、別の意味で姫としてやっていけてるのか心配になってしまう。
元気な方が良いが、元気過ぎるのも問題だ。

手持ちも少なくなったな。
ルドルフ料理長が戻って来た所で、バラン将軍にメレンゲ作りを頑張って貰いマシュマロ作りを行った。
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