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302バラキエ侯爵
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俺達がブルネリ公爵邸に着くとブルネリ公爵、サリナ姫、バラン将軍達だけでなく、
クロイツ伯爵に奥さんのロゼ夫人、息子のトーマス
ロダン侯爵に息子のルーカスさん、私兵のモーゼスさん、ジークフリートさんも迎えてくれた。
その中に初めて見る貴族の男が1人。
皆さんに挨拶を行い、最後にブルネリ公爵よりその男に紹介された。
「バラキエ侯爵、こちらは冒険者チームOZ。
イルミネーションの設置で協力をしてもらい、毎年招待しています。」
「君等がOZか。確か獣人が入ったパーティと聞いていたがどうした。」
どうやら、俺達の事も調査済みの様だ。
対外的に目立っていないと思っていたが、チェック対象になっていたのか。
「初めまして、バラキエ侯爵。実はこちらの領地で店を開いているので、今回はそちらの方の手伝いに行っています。」
「そうだな、獣人の使い方としては丁度良いかも知れないな。
私も、こちらの屋敷に暫く泊らせて貰う事になった。出来れば獣人は近づけないでもらおう。」
そう言って、1人屋敷の中に戻って行った。
OZだけでなく、ここに居る人全員がバラキエ侯爵の言葉に苛立っている。
しかし、彼のオーラは嫌がっているというか嫌悪感を抱いている様に感じるが何かが引っかかる。
「何でバラキエ侯爵が来たのかしら。せっかくのイルミネーションなのに、本当に御免なさい。」
サリナ姫が俺達に謝ってくる。
ピース医師とトリス練成術師は、それぞれの病院と工房で仕事を行っているそうだ。
こちらから接触しなければ問題ないらしいので明日の内輪のイルミネーション点灯式にはレオやアル達を呼んでも大丈夫みたいだ。
クロイツ伯爵、ロダン侯爵の時も、館に来られた時だけ顔を出したが、それ以外は話しかけてくる事も無いそうだ。
食事も自室で食べていて、俺達の前に顔を出す事は無かった。
ルドルフ料理長の夕食の〆は、クロイツ伯爵が用意したチョコレートだった。
腹一杯に食べた後は、ロダン侯爵領で造った光の魔道具を組み込んだ木工細工を見せてくれた。
今回の祭りの間に売り出す商品だ。
ブローチから置物の奇麗な工芸品で見ていて楽しくなる。
今回出す店の場所を伺うと、館の直ぐ側にあった。
俺達にプレゼントをしてくれると言ってくれるが、一番客を狙っているので断らせて頂いた。
「それは良いわね、なら私もお店で購入させて頂くわ。」
とサリナ姫が言うが、直ぐにバラン将軍に止められていた。
サリナ姫が出てきてしまっては、護衛を考えると周辺の店の邪魔になってしまう。
「エチゴ屋にも行かせてもらえないのよ。お忍びなら」
「駄目です。これだけの人混みの中では危険過ぎます。それに今回はバラキエ侯爵も居られますので。」
バラン将軍に完全に否定されていた。本当に残念そうなので、エチゴさんが
「夜で良ければ特別に店を開ける様に手配しますが。
未だ、夜はイルミネーションの人混みは有りませんので如何ですか。」
と提案すると、バラン将軍も
「確かに、夜ならアークやクリーム、OZが居れば問題ないか。」
と了解してくれた。
「では、今夜はどうですか。ロダン侯爵もクロイツ伯爵も見に行かれますよね。
せっかくだから、ピース医師とトリス練成術師にも声を掛けましょう。
カイやレムも店に居るんでしょ。せっかくだから早く会いたいし。」
サリナ姫が喜ぶが、流石に今夜は無いだろう。
しかしエチゴさんは店の方に聞いてみると言うので、俺と浩司が店の方へ確認しに行くと気持ちよく引き受けてくれた。
浩司がブルネリ公爵に了解の話をしに戻り、30分位して馬車が到着した
開いた扉から1番初めにバラキエ侯爵が降りてきた。
「皆が外出すると言うので、私も同行させてもらった。」
出迎えに待っていた、カイやレム、ガラやレオを見下し、何も言わずに他の人達が降りるのを待っていた。
「カイ、レム、久しぶり。急に御免なさい。噂の売り場が見れる事になって直ぐに来ちゃった。」
バラキエ侯爵が咳をする。
サリナ姫の態度や言葉遣いや獣人に話しかけるのが気に入らないのか不機嫌そうにしている。
対応に困っているカイとレムにサリナ姫が促して2階へ上がった。
サリナ姫だけでなく、他の皆も売り場を見て驚いてくれた。バラキエ侯爵も例外では無かった。
「奇麗、こんな素敵な売り場は初めてみたわ。」
サリナ姫はレムに案内してもらい、商品を手にとって眺めている。
他の皆もガラスの食器を気に入ってくれたみたいだ。
クロイツ伯爵は家族で使う分を一式購入してくれた。
ピース医師とトリス練成術師も自分達の病院や工房で働いている人達にグラスを購入してくれていた。
ロダン侯爵も購入したそうだったが控えていた。領地の財政状態を考えているのだろうか。
「ロダン侯爵。来年の春からは、ここで陶器を売りに出させて頂こうと考えています。
部屋をもう少し明るくし、陶器をライトアップして展示させて頂きます。」
エチゴさんが、この後の売り場の説明を始めた。
それを聞いたロダン侯爵は喜び、エチゴさんに礼を言っていた。
アル達にブルネリ公爵邸に来るかと聞いてみたが、暫くは店を手伝うそうだ。
想像以上に忙しく、補充要員が来るまで手伝って欲しいと懇願されていた。
ただ、明日の内輪のイルミネーションの点灯式には仕事を早めに切り上げて参加出来るそうだ。
サリナ姫は飾りに置いておいたガラスの果物の置物が気に入ったみたいだが、商品で無いと聞いて残念がっていた。
クロイツ伯爵に奥さんのロゼ夫人、息子のトーマス
ロダン侯爵に息子のルーカスさん、私兵のモーゼスさん、ジークフリートさんも迎えてくれた。
その中に初めて見る貴族の男が1人。
皆さんに挨拶を行い、最後にブルネリ公爵よりその男に紹介された。
「バラキエ侯爵、こちらは冒険者チームOZ。
イルミネーションの設置で協力をしてもらい、毎年招待しています。」
「君等がOZか。確か獣人が入ったパーティと聞いていたがどうした。」
どうやら、俺達の事も調査済みの様だ。
対外的に目立っていないと思っていたが、チェック対象になっていたのか。
「初めまして、バラキエ侯爵。実はこちらの領地で店を開いているので、今回はそちらの方の手伝いに行っています。」
「そうだな、獣人の使い方としては丁度良いかも知れないな。
私も、こちらの屋敷に暫く泊らせて貰う事になった。出来れば獣人は近づけないでもらおう。」
そう言って、1人屋敷の中に戻って行った。
OZだけでなく、ここに居る人全員がバラキエ侯爵の言葉に苛立っている。
しかし、彼のオーラは嫌がっているというか嫌悪感を抱いている様に感じるが何かが引っかかる。
「何でバラキエ侯爵が来たのかしら。せっかくのイルミネーションなのに、本当に御免なさい。」
サリナ姫が俺達に謝ってくる。
ピース医師とトリス練成術師は、それぞれの病院と工房で仕事を行っているそうだ。
こちらから接触しなければ問題ないらしいので明日の内輪のイルミネーション点灯式にはレオやアル達を呼んでも大丈夫みたいだ。
クロイツ伯爵、ロダン侯爵の時も、館に来られた時だけ顔を出したが、それ以外は話しかけてくる事も無いそうだ。
食事も自室で食べていて、俺達の前に顔を出す事は無かった。
ルドルフ料理長の夕食の〆は、クロイツ伯爵が用意したチョコレートだった。
腹一杯に食べた後は、ロダン侯爵領で造った光の魔道具を組み込んだ木工細工を見せてくれた。
今回の祭りの間に売り出す商品だ。
ブローチから置物の奇麗な工芸品で見ていて楽しくなる。
今回出す店の場所を伺うと、館の直ぐ側にあった。
俺達にプレゼントをしてくれると言ってくれるが、一番客を狙っているので断らせて頂いた。
「それは良いわね、なら私もお店で購入させて頂くわ。」
とサリナ姫が言うが、直ぐにバラン将軍に止められていた。
サリナ姫が出てきてしまっては、護衛を考えると周辺の店の邪魔になってしまう。
「エチゴ屋にも行かせてもらえないのよ。お忍びなら」
「駄目です。これだけの人混みの中では危険過ぎます。それに今回はバラキエ侯爵も居られますので。」
バラン将軍に完全に否定されていた。本当に残念そうなので、エチゴさんが
「夜で良ければ特別に店を開ける様に手配しますが。
未だ、夜はイルミネーションの人混みは有りませんので如何ですか。」
と提案すると、バラン将軍も
「確かに、夜ならアークやクリーム、OZが居れば問題ないか。」
と了解してくれた。
「では、今夜はどうですか。ロダン侯爵もクロイツ伯爵も見に行かれますよね。
せっかくだから、ピース医師とトリス練成術師にも声を掛けましょう。
カイやレムも店に居るんでしょ。せっかくだから早く会いたいし。」
サリナ姫が喜ぶが、流石に今夜は無いだろう。
しかしエチゴさんは店の方に聞いてみると言うので、俺と浩司が店の方へ確認しに行くと気持ちよく引き受けてくれた。
浩司がブルネリ公爵に了解の話をしに戻り、30分位して馬車が到着した
開いた扉から1番初めにバラキエ侯爵が降りてきた。
「皆が外出すると言うので、私も同行させてもらった。」
出迎えに待っていた、カイやレム、ガラやレオを見下し、何も言わずに他の人達が降りるのを待っていた。
「カイ、レム、久しぶり。急に御免なさい。噂の売り場が見れる事になって直ぐに来ちゃった。」
バラキエ侯爵が咳をする。
サリナ姫の態度や言葉遣いや獣人に話しかけるのが気に入らないのか不機嫌そうにしている。
対応に困っているカイとレムにサリナ姫が促して2階へ上がった。
サリナ姫だけでなく、他の皆も売り場を見て驚いてくれた。バラキエ侯爵も例外では無かった。
「奇麗、こんな素敵な売り場は初めてみたわ。」
サリナ姫はレムに案内してもらい、商品を手にとって眺めている。
他の皆もガラスの食器を気に入ってくれたみたいだ。
クロイツ伯爵は家族で使う分を一式購入してくれた。
ピース医師とトリス練成術師も自分達の病院や工房で働いている人達にグラスを購入してくれていた。
ロダン侯爵も購入したそうだったが控えていた。領地の財政状態を考えているのだろうか。
「ロダン侯爵。来年の春からは、ここで陶器を売りに出させて頂こうと考えています。
部屋をもう少し明るくし、陶器をライトアップして展示させて頂きます。」
エチゴさんが、この後の売り場の説明を始めた。
それを聞いたロダン侯爵は喜び、エチゴさんに礼を言っていた。
アル達にブルネリ公爵邸に来るかと聞いてみたが、暫くは店を手伝うそうだ。
想像以上に忙しく、補充要員が来るまで手伝って欲しいと懇願されていた。
ただ、明日の内輪のイルミネーションの点灯式には仕事を早めに切り上げて参加出来るそうだ。
サリナ姫は飾りに置いておいたガラスの果物の置物が気に入ったみたいだが、商品で無いと聞いて残念がっていた。
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