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******(レオ)
「本格的に凝るのはその後だ。」という拓ちゃんの言葉に驚いた。
完成したと思っていたが、ベースが出来ただけで本番はこれからなのか。
新しく出来たカレーライスを皆が食べ終わり、浩司と拓ちゃんが具の種類や味、考えているカレーライス以外のバリエーション等を色々と話してくれた。
それをノートに記録し、今まで作ってきた試作品の結果を見ていると味のイメージが広がっていく。
考え付くレシピのアイディアを忘れない様に全て書き込んでおく。
「もう遅いぞ。そろそろ寝たらどうだ。」
ガラに声を掛けられるまで気が付かなかったが、もう深夜になっていた。
「もう、こんな時間か。試してみたいアイディアを忘れない内にもう少し書き留めておくよ。」
「そう言えば、食事の後に拓と浩司がカレーについて熱弁してたよな。」
「本当に、あの2人は凄いよ。
言われた事と、今までやって来た事を見直すと、新しい味のヒントが色んな所に隠れている。」
「今回はレオがカレーを完成させたんだろ。」
「浩司と拓ちゃんの求めている味がイメージ出来たからな。
このノートを見ろよ。カレーのレシピを考えるのに、ここまで細かく研究しているんだ。
これが有ったから、俺でも完成させることが出来たんだよ。」
ガラは渡したノートを見ると、研究資料とも言えそうな記述に感心している。
細かいコメントまで書いて有り、分かりやすい。
「拓が新しい料理を作る時は、必ずレオを呼んでいるよな。
驚かせる事が好きなのに、料理だけはレオに隠した事が無い。
浩司もデザートの作り方だけでなく、デコレーションの仕方を惜しげも無く説明するし。
自分経ちの知っているレシピを全て教えようとしているな。」
「俺もそう思う。本当に何でだろうな。」
「気になるなら、本人達に聞いてみたらどうだ。」
俺の何を気に入ってくれているのだろうか。
出会ってから、数え切れないほどのレシピを教えてもらった。
情けない話、何度も聞いてみたいと思いつつ、怖くて聞けなかった。
もし、俺が獣人ということで情けで教えてくれていると言われたらどうしたらいいか。
あの2人なら、そんな事は無いと思うが口に出せない。
「今日、カレーが出来上がった時、世界一の料理人って言われていただろ。
拓の奴、それ本気で思っているぞ。」
「本当にそうなのか。俺の料理は教えてもらった事ばかりだ。
それなのに、世界一なんてあり得るのか。」
そう言った俺に、ガラは
「拓が認めたんだから自信を持てよ」
と笑っていた。こいつは、昔からそうだ。前向きで俺の不安を笑い飛ばす。
「なぁ、レオが料理人を目指すように、俺はAランクの冒険者を目指そうと思う。
俺達がOZとして活動を続けて行くには、その位目指した方が良いだろ。
俺がそれだけの実力を付けられるのかは分からないけどな。
じゃあ、先に寝るな。」
ガラは、それだけを言って自分の部屋へ戻って行った。
「本格的に凝るのはその後だ。」という拓ちゃんの言葉に驚いた。
完成したと思っていたが、ベースが出来ただけで本番はこれからなのか。
新しく出来たカレーライスを皆が食べ終わり、浩司と拓ちゃんが具の種類や味、考えているカレーライス以外のバリエーション等を色々と話してくれた。
それをノートに記録し、今まで作ってきた試作品の結果を見ていると味のイメージが広がっていく。
考え付くレシピのアイディアを忘れない様に全て書き込んでおく。
「もう遅いぞ。そろそろ寝たらどうだ。」
ガラに声を掛けられるまで気が付かなかったが、もう深夜になっていた。
「もう、こんな時間か。試してみたいアイディアを忘れない内にもう少し書き留めておくよ。」
「そう言えば、食事の後に拓と浩司がカレーについて熱弁してたよな。」
「本当に、あの2人は凄いよ。
言われた事と、今までやって来た事を見直すと、新しい味のヒントが色んな所に隠れている。」
「今回はレオがカレーを完成させたんだろ。」
「浩司と拓ちゃんの求めている味がイメージ出来たからな。
このノートを見ろよ。カレーのレシピを考えるのに、ここまで細かく研究しているんだ。
これが有ったから、俺でも完成させることが出来たんだよ。」
ガラは渡したノートを見ると、研究資料とも言えそうな記述に感心している。
細かいコメントまで書いて有り、分かりやすい。
「拓が新しい料理を作る時は、必ずレオを呼んでいるよな。
驚かせる事が好きなのに、料理だけはレオに隠した事が無い。
浩司もデザートの作り方だけでなく、デコレーションの仕方を惜しげも無く説明するし。
自分経ちの知っているレシピを全て教えようとしているな。」
「俺もそう思う。本当に何でだろうな。」
「気になるなら、本人達に聞いてみたらどうだ。」
俺の何を気に入ってくれているのだろうか。
出会ってから、数え切れないほどのレシピを教えてもらった。
情けない話、何度も聞いてみたいと思いつつ、怖くて聞けなかった。
もし、俺が獣人ということで情けで教えてくれていると言われたらどうしたらいいか。
あの2人なら、そんな事は無いと思うが口に出せない。
「今日、カレーが出来上がった時、世界一の料理人って言われていただろ。
拓の奴、それ本気で思っているぞ。」
「本当にそうなのか。俺の料理は教えてもらった事ばかりだ。
それなのに、世界一なんてあり得るのか。」
そう言った俺に、ガラは
「拓が認めたんだから自信を持てよ」
と笑っていた。こいつは、昔からそうだ。前向きで俺の不安を笑い飛ばす。
「なぁ、レオが料理人を目指すように、俺はAランクの冒険者を目指そうと思う。
俺達がOZとして活動を続けて行くには、その位目指した方が良いだろ。
俺がそれだけの実力を付けられるのかは分からないけどな。
じゃあ、先に寝るな。」
ガラは、それだけを言って自分の部屋へ戻って行った。
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