異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
277 / 759

277偵察

しおりを挟む
セバスチャンとブルネリ公爵との交渉は上手く行った様で売り場のスペースが確保できた。
どの様な交渉を行ったのかは教えてもらえなかったが、セバスチャンの顔を見ると納得のいく結果だったのだろう。
木工細工も職人がアイディアを凝らした面白い物が出来上がっている。
窯に設置した魔道具も問題無く動作している。

1ヶ月が過ぎ、明後日に帰る事になり俺と浩司で考えていた今後の行動について話した。

「俺と浩司なんだけど、帰りは別行動を取らせてもらいたい。
 良い機会なので、マクニス王国に有るギリス教の本拠地を見てきたいと思う。」

マクニス王国でのギリス教の中心となる町は、ここから馬車で20日程の場所に在る。
聖地と呼ばれる場所は4大王国の1つジレット王国にあるが、他の王国には拠点となる町が存在する。
ブルネリ公爵が調べた所、奴等の動きが活発化している。
今までは、水晶の玉を使った治療で信者を集めていたが、ブルネリ公爵が広めてくれたお蔭で影響は抑えられている。
ただ、残念ながら獣人差別を助長する事に成功している町も有った。
何が出来るかは分からないが、自分達の生活を邪魔する存在を確認しておきたかった。
いざとなれば、エアウォークで逃げ出せる俺と浩司の2人で動くのがベストだろう。

レオとアルが何か言いたそうだったが、同意してくれた。

「無茶だけはするなよ。俺達はラグテルの町で待っている。」

ガラがそう言うと、これから行く町についての資料を渡してくれた。
こういう時の為に、色々と調べてくれている。

『拓、吾輩の事を忘れてはいけないにゃ。2人が心配にゃので、吾輩も付いて行くにゃ。』

『そうじゃな。2人の暴走を止めるのに、儂以外にも居た方が良いじゃろう。』

この1人と1匹の方が暴走するが、仕方がないか。
2日後、町の人達全員ではないかという人に見送られて、ロダン侯爵領を後にした。
モーゼスさん、ジークフリートさんも、やっと臭いが取れ普通の姿で見送ってくれていた。


ロダン侯爵領から離れた所に来た所で

「それじゃ、少し偵察に行ってくるね。」

皆に挨拶をして、俺と浩司、グリム、ヤマトでギリス教の中心となる町、クルアに向けてエアウォークで走り始めた。

『快適にゃ。走ると言うより、空を飛んでいる感じにゃ。』

エアウォークは足に付けた魔道具を使い闇の魔力で飛ぶように走る事が出来る。
闇の魔力を持っていない浩司では俺より魔力を多く消費する為、ヤマトは俺が持っている。
ヤマトはこのスピード感が気に入ったみたいで、初めは抱いていたが、今では頭の上に乗って楽しんでいた。

浩司が頑張ってくれ、後1日も歩けばクルアの町に着く所までやってくることが出来た。

「浩司お疲れ様、テントを設置するから休んでて。」

野営場として設けられている広場に、結構な人が集まっていたので、俺達は外れの方にテントを張る事にした。

「獣人が1人も居ないな。」

野営をしている人達を見て、浩司がつぶやく。

「まぁ、ギリス教の本拠地に向かう街道だからね。何で排他的な神様なんて信じるのかな。」

「拓ちゃんって、元から神を信じていないだろ。」

「信じてないね。それなら高次元生物や宇宙人の方が現実的だよ。
 宗教は人をまとめる為に作り出した道具だと思っているから。」

「神より科学を信じるってタイプか。」

「どちらかと言うと、そうかな。浩司は信じているの?」

「俺も信じていないな。ただ、ラグビーの試合前なんかは、皆で神社に参拝に行ったりしてたけどな。」

「それって、困った時の神頼み。」

「いや、結局は自分達の力が頼りだからな。ただのゲン担ぎだ。」

そんなものだよな。
この人達は、何でこの神を信じているんだ。信仰心が理解できない俺には一生分からないかも知れない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

追放先に悪役令嬢が。不法占拠を見逃す代わりに偽装結婚することにした。

椎名 富比路
ファンタジー
 王国の四男坊ディートヘルム・ボニファティウス王子は、 「冒険者志望なら結婚したくないです」  と、婚約者の王女殿下から婚約破棄されてしまった。 (実際は、家族ともども自由を尊重される)    親族の顔を立てるため、一応「追放」という名目で、追い出してもらう。  僻地の開拓を命じられた体で、冒険者ディータとしての道を進む。  王族はディータに危害は加えないが、資金援助もしない。できない。  わずかな金と武具を持って、たったひとりでの開拓が始まると思っていた。  だが、そこには悪役令嬢が先客として、冒険をしていた。  リユという令嬢は、デカい魔剣を片手に並み居る魔物たちをバッタバッタとやっつけている。 「一人でさみしい」  そんな彼女の独り言を聞いてしまったディータは、命を助けてもらう代わりにリユに食事を振る舞う。  すぐに意気投合した二人は、交際しつつも冒険する。  思っていたより広大な土地を開拓しつつ、二人の領地拡大冒険が始まった。  作物の育たない近隣の土地を活性化し、隣接する王都の騎士団を立て直す。  魔物の攻撃を受け続ける中、ディータはリユがドラゴン族の末裔だと知った。  しかし、彼は恐れることなく、ただのリユとして接する。  お互いの人柄に惚れて、二人は本当の夫婦になっていく。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた
ファンタジー
日本のとある高校生たちが異世界に召喚されました。 高1で15歳の主人公は弱キャラだったものの、ある存在と融合して力を得ます。 様々なスキルや魔法を用いて、人族や魔族を時に服従させ時に殲滅していく、といったストーリーです。 なかには一筋縄ではいかない強敵たちもいて・・・・?

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

処理中です...