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257家賃

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それにしても、楽しんでいるクリームのメンバーのテンションが落ちてきている様に感じる。
調子に乗って喋りすぎたか。
ジークさんが泉から上がり、残念そうな表情で話し始めた。

「部屋や設置された魔道具、そして地下の庭園。本当に凄いと思う。
 魔道結晶を使ってこんな凄い仕掛けをするなんて初めて見た。
 ただ、俺達クリームはここで世話になる事は出来ない。」

何が駄目だっだのだろう。

「本当に、ここに泊まれたら良いと思っている。
 だが、前も言った様に残り金も少なくてな、ここに泊まるだけの金を払えない。」

宿泊費が足らないって、ガラはいくら取ろうとしているんだ。
この家の持ち主はガラなので、そこら辺は丸投げをしていて分からない。
俺と浩司がガラの方を見ると

「そうか、宿泊費か。まだ考えてなかったな。
 拓が改造してくれなければ、ただの倉庫だったんで深く考えて無かったんだ。
 家事を手伝ってもらうという事で、1ヶ月で1人銀貨5枚・・・拓はどう思う。」

冒険者用の汚い宿の相部屋が素泊まりで銅貨1枚、個室なら銅貨4、5枚。この部屋で共同生活なら問題ないか

「良いと思うよ。まぁ、酒、食事は自腹だね。
 居る時は一緒にしても、長期間帰って来ない時も有るからその方が良いかな。」

「本当にそんなに安くて良いのか。こんな凄い部屋に庭園なら金貨でも安いぞ。」

「そうかも知れないが、拓の趣味満載の庭園なんて気軽に人を入れられないだろ。
 別に宿として営業している訳じゃ無いから十分だ。」

ガラが提示した宿泊費でクリームのメンバーが泊まる事に決まったが、浩司が今の話を聞いていて

「なぁ、拓ちゃん。今更だけど俺達って家賃を幾ら払っているんだ。」

自分達の家賃が気になったみたいだ。

「俺の収入は用意してくれた貯金箱に入れてたけど、俺って拓ちゃんに養ってもらっている状態だったりするのか。」

「・・・払って無い。」

「えっ。」

「俺達、家賃を払って無い。ガラ、俺達、今まで家賃を払って無い。」

浩司に言われて、今更だが自分達が家賃を払っていない居候だと言う事に気がついた。
そんな俺を見て、ガラが笑い始めた。

「こんな家を作ってくれたのに家賃なんて取れる訳無いだろ。
 逆に、俺達の方が金を払わなければいけない立場だよ。」

殆ど、自分の趣味に走って作ったのに良いのだろうか。
俺達がガラとレオに礼を言うと、何故かクリームのメンバーまで笑い始めた。
先ほどまでの暗い雰囲気が無くなった所で、通路に有った階段を上って行く。
そこは、地下1Fの大部屋を区切ったテラス席で、1階の居間とも階段で繋がっている。
滝を見下ろせる側にテーブル、区切った壁側中央に、キッチン設備を備えたバーカウンターが設置されている。
洞窟とは違い、バーの雰囲気を壊さない程度に、明るくしてある。
棚にはガラが集めた酒が綺麗に並べてある。
言うまでも無くバーカウンターはガラからの要望だった。
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