異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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251ブルネリ公爵の楽しみ

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ブルネリ公爵に、今回の死者の洞窟について報告を行った。
ただし、ムハンマの神殿の事は隠しおく。

そしてブルネリ公爵に味のお土産として鰻重を御馳走する為に、レオがルドルフ料理長の所で調理を始めた。
許可をもらい、俺も2人の料理を見学させてもらう。

ルドルフ料理長はヌルの料理を聞いて感心しつつも、色々とアイディアを出してくれる。
そして、素材の裁き方などのポイントを教えながら調理を進めて行く。
レオは技術を少しでも真似ようと手先に神経を集中させる。
この現場の張り詰めた空気の感覚は好きだ。

鰻重用に作った重箱を渡すと、ルドフル料理長は感心してくれた。
さっそく、ブルネリ公爵と食事をすると

「本当に、これがヌルの料理なのか。あの脂っこい魚がこんなに美味くなるのか。
 この世界は私の知らない事ばかりなのだな。
 最近は、驚いてばかりで自分の今までの生き方に疑問をもってしまう。」

そう言いながら嬉しそうに、お代わりまでしていた。
セバスチャンが驚いているので、こんなブルネリ公爵は珍しいのだろう。

最後にデザートとして牛乳寒が出て来たので、寒天商品の販売状態を尋ねてみる。

「拓殿、寒天も順調に広まっている。年末の決算は期待してもらって良いぞ。
 寒天作りをしてくれている子供達の生活も安定している。」

良かった。
子供達が生活していた様な場所が少しでも無くなれば良いと思う。

「そうだ、エチゴ殿。我が領地の店が用意できたとの報告が有った。
 明日にでも案内を付けるので見て来ると良い。」

「予定では年末と伺っていたのに、もうですか。
 この度はご助力を頂きまして、本当にありがとうございます。」

驚くエチゴさんを見た時のブルネリ公爵の嬉しそうな顔。何となく言った様な感じだが、絶対に言うタイミングを考えていたよな。

「どうした拓殿。私の顔に何か付いているか。」

「最近、サリナお姉さんやバラン将軍に影響を受け過ぎていませんか。」

「それは違うな。サリナ様、バラン将軍、そして私もOZから影響を受けている。
 驚かされてばかりだからな。少しはやり返したくなるだろう。」

それはOZと言うより、グリムの知識だな。

『拓。彼の言う影響が儂の知識の所為だと思ておるなら勘違いじゃぞ。
 影響を与えている元は、拓と浩司に決まっておるじゃろうが。』

何で、グリムは俺の考えている事が解るんだ。それより、俺と浩司が何をやらかした?
浩司を見ても、グリムの言っている事に首を傾げていた。
明日、エチゴさんの新しい店を見に行く事が決まり、用意して頂いた部屋へとセバスチャンに案内してもらうと、他の人は1人部屋なのに、俺と浩司だけが相部屋になっている。
それも、部屋で寝る場所はキングサイズのベットが1つ。

「俺達、ブルネリ公爵邸で公認カップルになっているみたいだぞ。困るな。」

浩司が嬉しそうに話してくる。その顔で何を困っているんだ。
「ごゆっくりどうぞ」と言って、セバスチャンがニッコリと微笑みながら扉を閉めた。
廊下からガラが大笑いをしている声が聞こえる。

「絶対に、ブルネリさんに悪影響を与えているのはサリナお姉さんだよな。
 セバスチャンまで影響を受けてるよ。今頃、絶対に笑ってる。」

「きっと笑っているだろうな。まぁ、これはこれで、良いじゃないか。」

浩司はそう言って、俺の事を抱きしめてくる。
まぁ、こんな時間が持てるのなら良いか。
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