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227ナターシャ

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その後は旅人も増え、攻撃も無く無事にブルネリ公爵領に着く事が出来た。
ブルネリ公爵に襲撃の話をすると直ぐにバラン将軍へ使いを出し、話は揃ってからとなり、ブルネリ公爵の屋敷に留まる事になった。

2日後、オリバー隊長、クリーム、アークのメンバーがブルネリ公爵の屋敷に集まった。
バラン将軍は姫の護衛で身動きが取れないらしい。
そして、俺達が襲われた時の状況を細かく説明した。
浩司とレオが書き留めてくれた、襲ってきた女の似顔絵を見せるとオリバー隊長、アークのメンバーが呟いた。

「「「ナターシャ」」」

以前、アークを裏切ったレンドから聞きだしたナターシャの絵に似ていた。
そうか、見た事があると思っていたが、ナターシャの似顔絵だったのか。

「言霊という呪いは知らないが、2人に何かさせるつもりだったのかも知れない。
 この町における医療と練成術のトップだからな。」

ブルネリ公爵の言う通りだ。2人の技術は利用価値がある。

「しかし、変身魔法は使っている可能性はないのか。
 裏切り者のレンドはナターシャから変身魔法を教わったんだろ。」

浩司の言う通り、ナターシャの厄介な点は変身魔法なんだが

「初めから言霊という闇魔法を使っていた。魔法を2重に使う事は出来ない。
 魔道具を使われていたら、どうしようも無いけどね。
 ただ、俺達を見下していたので偽る必要を感じて無かったのかも知れない。」

「ナターシャの素顔は、これ以上調べようがないか。
 それにしても、拓ちゃんに探知されずに逃げるって凄いよな。」

「浩司は何を感心しているんだよ。
 大体、俺は気配を消す方の努力しているけど、それに比べて探索魔法は訓練していない。」

俺が一番力を入れて行っている訓練は気配消し。OZ相手に一泡吹かす為に頑張っている。
それに比べ、探索魔法は俺の魔力量が多いので何とかなっている力技に近い。
探索魔法は実際には魔法では無く周囲に魔力を巡らせ反応を感じる技術なので、危険察知位は常時行っている。
その分、感覚は鋭くなっているが、改めて訓練をしている訳ではない。
ただ、訓練してもナターシャを見つけられる気がしない。

ナターシャの場合、俺が行っている気配消しとは異なる技術の様な気がする。
ピース医師とトリス錬成術師には警護を付ける様、ブルネリ公爵が手配しナターシャについては、貴族を襲った犯罪者として公開手配を行う事になった。
変身魔法を使われては見つけるのは難しいが、変身魔法を使っていれば他の魔法、言霊等が使えなくなり、顔を見たOZが口封じに襲われ無い様にとの考慮しての対応だ。
俺も自分に出来る対策を行う為、死者の洞窟に旅立つのを3週間程遅らせてもらった。

3週間後、俺が準備したのは拡張バッグ2つと呪詛返しの腕輪を2つ。呪詛返しの腕輪はその名の通り、呪いから身を守る魔道具だ。
それらをピース医師とトリス錬成術師に対し所有者の縛りを行う。
最後に、トリス錬成術師が準備したという事にして、クリームにミスリルの防具を用意した。
事前に、クリームのメンバーの体格は測ってもらい、今の防具と同じ様な形にしてある。
ミスリルの防具は物理、魔法に対する防御力が非常に高い。
そして、毒や呪いに対しても強い抵抗力を発揮する。
ナターシャの攻撃を受けた時、エチゴさんとアルがミスリルの装備を身に着けていれば呪いの影響を防げたはずだ。
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