異世界遺跡巡り ～ロマンを求めて異世界冒険～

225言霊１

ラグテルの町を出て、行程の半分位移動。
今回の広場には俺達の他に１組だけ野宿をする人が居たので、邪魔にならないように少し離れた所にテントを張った。
夜遅く、俺達のテントに黒髪の女性が訪ねてきた。

「夜遅く申し訳ありません。医療の心得が有る人は居ないでしょうか。
　私の仲間が体調を崩してしまい、見て頂きたいのですが。」

変なオーラでは無いが、この女性は嫌な感じがする。それに何処かで会った気が・・・
直ぐにエチゴさんが前に出ると

「そんな悪質な魔法を使うとは、貴方は何者ですか。」

そう言いながら槍で女を払おうとしたが、女は後ろに跳びのいた。

『儂も知らない呪いの魔法じゃな。気を付けるんじゃ。』

魔法がばれたと言うのに、女は嬉しそうな顔をしている。

「言霊が分かるなんて見くびっていたわ。
　大した事のないパーティと思ったら、それなりの冒険者も居たのね。
　じゃぁ、力づくで行かせてもらおうかしら。」

一瞬、女の姿が消えたかと思うと、急にエチゴさんの前に現れ攻撃を仕掛けるが槍で防ぐ。
闇魔法の使い手か。女が距離をとった所にアルが待ち構えていたが、攻撃が当たらない。

ガラとレオ、浩司はピース医師とトリス練成術師を守っている。
この３人が守っているなら、俺は攻撃に回らせてもらう。
女がアルと距離を取ろうとした所で、後ろから横っ腹を蹴り飛ばす。

「もしかして気配を消せるのは自分だけだとでも思った。」
「生意気な子供にはお仕置きが必要みたいね。」

本当に気持ち悪い。何だ、この不快感は。
ダークバインドで女を捕まえようとしたが逃げられる。素早い。
女は直ぐに漆黒の槍を繰り出してくる。
避けたと思ったら、槍の影に槍を隠して攻撃。
『避けろ。』グリムが気付かなければ大怪我をしていた。
直ぐに、俺からも漆黒の槍を攻撃を行う。
その隙をついて、エチゴさんとアルが同時に攻撃を仕掛けて行くが避けられる。

「想定外だったわ。それにしても、女性に対して男が３人掛りなんてどうなのかしら。」

余裕の表情をしている女に対しエチゴさんとアルの表情が優れず、動きが遅くなってきている。

『どうやら、女は話しながら呪いの魔法を発動させている様じゃな。敵ながら素晴らしい技術じゃ。』

話しながらも呪いの魔法は発動できるのか。
エチゴさんとアルは徐々に影響を受けているみたいだ。

『呪いの魔法は繊細じゃ。強力な闇の魔力で効果を打ち消す事も出来る。
　お主の闇の魔力を当てて、阻止するんじゃ。』

つまり、呪いは闇の魔力でジャミング出来ると言う事か。