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221ブルネリ公爵の頭痛

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******(ブルネリ公爵)

OZ、クリームのメンバーが帰った後直ぐに、ニック、ピース医師、トリス錬成術師と家の対応について話をする事にした。

「全く、本当に何を考えたら個人の家があの様になるんだ。
 ニックに言われ、実際に身に来て見に来て良かった。
 トリス練成術師の意見を伺っても良いかな。」

「そうですね。
 地上の部屋自体は斬新で、一般的な家より数段使い勝手が良いかと思います。
 台所が独立してなく、部屋と一体化しているなんて初めて見ましたが、料理の好きな拓殿らしい。
 使用されている魔道具は貴族が使っている物より性能が高いかも知れません。
 あの冷凍庫と冷蔵庫が一体になった箱は凄く合理的です。
 さすが料理を作られる拓殿です。一般家庭に丁度良い大きさでしょう。
 魔石を見せてもらいましたが、美しい魔法陣です。
 私では、あれ程の魔法陣を描くのにどれだけ時間がかかるか。
 地下室については、素晴らしいの1言に付きます。
 大理石の広間なら持っている貴族の方も居ますが、あの材質も加工技術も数段上です。
 あそこまで細かい所まで気を使った作り込みはなかなか出来ないでしょう。
 それに、あのガラスの天井、鉄とミスリルの合金による組み合わせも素晴らしい。
 そして、明りを付けた部屋に入った時の驚きは有りませんでした。
 まるで星空の中に立っている様な不思議な感覚。
 部屋の全面に光の魔道具を埋め込むなんてどれだけ緻密な作業が必要になるか。
 そして、通路に飾ってあるガラス細工。そして明りの使い方。
 芸術に疎い私ですら目を奪われてしまいました。
 ここまでくると、あの家全てが芸術品と言えるでしょう。」

トリス練成術師の興奮は収まりそうにないな。
彼に芸術品と言わせる程の家を、個人宅として与えてしまうか…
本当に愉快だ。OZの行動は、何時も私の想像の斜め上を行く。
次に彼等が何をやらかすのか楽しみで仕方が無い。

しかし、これは目立ち過ぎるだろう。
OZの好意を無下にしない為には、どうすれば良いか。
楽しいのだが、現実の対応を考えると頭が痛い。


******(ナターシャ)

「クロイツ伯爵夫人に掛けた紫檀病と呪いは失敗に終わりました。」

「そうか、ブルネリ公爵には、なかなかの技術者と医師だ。」

「医師はピース、練成術師はトリス。この国においてトップの実力を持っています。
 クロイツ伯爵夫人は、この2人に治療を受けて完治しています。
 それに、水晶の玉を広めるのに中心になって行動していたのも、この2人です。」

「ピース医師にトリス練成術師か。良い手駒を持っているな。」

「始末しますか。」

「いや待て、これだけの事を出来る人物を始末してしまうには勿体ない。」

「しかし、何故、病気を夫人だけに使ったのですか。主要な人間に一斉に感染させれば良かったのでは。」

「そう言うな。呪いを不特定多数に使うなんて、この私でも無理だよ。
 それに彼等の周辺は警備が厳重で、家族を狙うしかなかったからな。
 後始末の方は問題無いか。」

「女は用が済み次第消しました。私に繋がる痕跡は残しておりません。」

男に化けた私の言葉に操られ、夫人に毒と呪い付きの食べ物を渡すなんて。
自分がやった事を知った時の顔は傑作だったわ。
何の価値も無い命を、我が主の役に立たせて上げたと言うのに。
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