異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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OZは先にラグテルの町に帰り、次の旅の準備を行っていた。
勿論、アンデット対策だ。
外でキャンプをするときは魔獣が近付いてくると警告する結界を張っているが、今回は洞窟で周囲はアンデットだらけだ。
何か考えておいた方が良いだろう。
それと、レオとアルには、OZの欠点を埋める為の魔道具を用意することにした。
俺が、魔道具の作成をしている間、ガラとエチゴさんは浄化魔法の特訓を行い、レオとアルと浩司は、大量の食事を作っている。
大量のデザートも作っているみたいで、何度も生クリームを大量に作らされた。

雪が解けた頃、アークのメンバーがラグテルの町に戻って来たが
何故か、クリームのメンバーとブルネリ公爵、ピース医師、トリス練成術師が一緒だった。

「何故、ブルネリさん達が一緒なんです。」
「OZが建てた家を是非とも見たくてな。」

ブルネリ公爵はそう言うが、俺達が建てたのはサリーの家しか無い。
わざわざ個人の家を見に来るほど暇ではないだろうから、俺達に言えない目的が有るのだろう。
とりあえず今日、明日は、ブルネリ公爵とクリームのメンバーは貴族の家に泊り、その後は、ニックさんの所に滞在するらしい。

先に、クロイツ伯爵の話をするために俺達の所に寄ってくれたみたいだ。
クロイツ伯爵からの報告では、以前、屋敷で働いていたメイドが亡くなっている事が判明した。
死因は他殺。物取りにやられた事になっている。
彼女は没落した貴族の娘で、ロゼ夫人の体調が悪化した頃、結婚すると言ってメイドを止めていた。
しかし、実家に確認した所、その様な話は無い。
その後、彼女の背後に誰か居なかったか調査を続けたが何も発見できなかった。
他の召使の裏を取り終え、問題ない事を確認しロゼ夫人が回復したと事を公開するのに2ヶ月かかった。
その頃には、クロイツ伯爵に支えられながらも自分の足で歩けるまでに体力は回復し車椅子無しで帰られたそうだ。

それにしても、今回も、アークの時も、何時も黒幕には逃げられてしまう。
話を伺い、貴族の所へ移動するブルネリ公爵を見送りに馬車の所に向かうと、
待機していたジークさんがガラの所に来て

「居間の隅で良いから、明日から俺達を泊めてもらえないか。
 もちろん、宿泊費は出す。どうだろう。」

とお願いをしてきた。俺達も異存はないがクリームは男女混合パーティだ。
ガラもそれは気になった様で

「泊めるのは良いが、さすがに同じパーティとはいえ女性との雑魚寝は止めた方が良いだろう。」
「それは問題ない。あいつ等は宿に個室を用意する。泊めてもらうのは男だけだ。
 やはりリーダとして、これから受ける依頼について細かく話を詰めたいからな」

何だか、取って付けた言い訳に聞える。

「ちょっと、何を勝手なことを言っているのよ。
 どうせ、あんた達はレオさんの食事目当てなんでしょ。」
「ブルネリ公爵の所を出てから何を企んでいるのかと思ったら、やり方がセコイわ。
 OZの皆さんの所なら私達は構わないから、貴方達が宿に泊っては如何かしら。」

ジェニファーさんとロビンさんが怒ってしまったか。
レオの食事が美味しいとはいえ、それ目的と言うのも何だかな。
最終的にどうするかは戻って来てから考える事になった。

「そういえば、ラグテルの町の領主ってどういう人なの。」

今更だが、俺は自分の町の領主を知らず、ガラに聞くと

「この町は、マクニス王国の直轄地だから領主は居ない。
 その代わり、マクニス王国から役人が派遣されている。
 役人と言っても、貴族だけどな。」

そうなると、ブルネリ公爵はその貴族の屋敷に行ったのか。
自分の領地が有るというのに、直轄地の問題まで関与しなければならないとは大変だな。


ブルネリ公爵が戻ってくると、早速サリーの家の見学を行う事に。
先ずは、昼間の状態から見て頂き、最後に夜のライトアップを見終わった時には
トリス練成術師は興奮し色々と質問を投げかけ、ブルネリ公爵は笑っていた。
何か笑いのツボでも有ったのだろうか。
その後、色々と話しが盛り上がり遅くなったが、クリームを家に案内する。
新しくした大理石のエントランスを見て

「何時から貴族になったんだ。こんなの、本当に一般人の家なのか。」

と言うジークさんを初め、全員が立ち止まり周囲を見ていた。そしてエントランスから地下へと続く階段を降りて行くと、

「全く、お前達は一体何を考えているんだよ。サリーの家の地下室より更に広い地下室が有るなんて思わなかったぞ。」

と笑い始めてしまった。
気に入ったみたいで、是非、泊めて欲しいと言われてしまった。
簡単な仕切りで個室を作ろうとすると、せっかく星空の中にいる感覚が勿体ないと、部屋の真ん中に仕切りの壁を作り男女左右に分かれてベットを配置して寝る事になった。
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