異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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213パーティ料理

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「拓さん、初めてのパーティは如何ですか。」

「想像以上に、きらびやかですね。特に女性の服装が豪華。
 それに、料理が美味しそう。見て下さい。キラキラしてる。」

テーブルの上には綺麗に盛られた食事の山
さすが、ルドルフ料理長。どれも美味しそうだ。

「拓さんらしい。では、テーブルの方へ移動しましょうか。」

色々と観察していると、他の人達から離れて少しやつれた感じの貴族が立っているのが気になった。
多分、親子なんだろう。男と一緒に男の子が一緒にいて、色々と話しかけている。
微笑んで子供の言葉を聞いているみたいだが、何か他に気になる事が有るのか時々 月を眺めて何か考え込んでいた。

まぁ、俺が気にしても仕方が無いので、当初の目的である食事を頂く事にする。
どの料理も1手間加えてあり、味付けが素晴らしい。
寒天を使った煮凝りまで作り上げていた。
浩司は手当たり次第に食べまくっているが、浩司の様に大量に食べれない俺は少しづつ選んで食べる。
顔見知りのメイドさんが、飲み物や料理をよそってくれたりと気を使って頂き、とてもありがたい。

知り合いが居るわけでもなく、ブルネリ公爵やサリナ姫達との関係を貴族に勘ぐられるのも面倒なので挨拶はしない事にしている。
たまに俺達の方を見てくるサリナ姫は微笑んでいるが、あえて美味しそうに食べる所を見せつけると一瞬笑顔が引きつっていた。

『拓、いい加減にしておかないと、後で頭を叩かれるぞ。』

グリムに言われるまでもなく、俺も頭を叩かれるのは御免だ。
十分に料理を堪能した後は、貴族がどんな話をするのかを聞いていたのだが、
他の貴族の噂話、政治的な話と情報交換の場となっているみたいだ。
正直、聞いていても面白くない。
暗くなり全員がイルミネーションへと移動を始めた所で、俺達3人のパーティへの参加はここで終りにした。

「それにしても、何で貴族って、こんなに美味しい食事を食べないのかな。」

「貴族としては、大量に食べる姿を人前でさらす訳にはいかないんじゃないか。」

「おかげで、美味しい物を一杯食べれて良かったけどね。
 余った分は、お土産で持たせて貰えないかな。アイテムボックスも有るしお願いしてみようか。」

「拓さん、残念ながら余った分は使用人や兵士の方々が食べると思いますよ。」

「兵士も食べるのか。大食いだから、お土産は無理か。」

後2日、食べまくろうと誓いながら部屋の方へ歩いていると、ピース医師が貴族が泊っている部屋の方へ行こうとしていた。

「ピースさん、今晩は。貴族の方が体調でも崩されたんですか。」

「今晩は拓さん。せっかく来ているのに時間が取れずに申し訳ありません。
 体調の悪い方が居ますので、治療に来たんです。」

「それはお疲れ様です。疲れているみたいですが大丈夫ですか。
 後で部屋に寄って下さい。少しは疲れを取れると思いますので。」

ピース医師は少し考えた後

「もし良ければ、拓殿も一緒に患者を見て頂けないでしょうか。」

俺は医者では無いが、ピース医師の真剣な目に頷いてしまった。
俺はピース医師の手伝いと言う事で荷物を持って部屋に入る。
浩司とエチゴさんは部屋の外で待っていてくれるそうだ。
部屋の中には女性がベットに横になっていて、メイドが彼女の側に着いていた。
そして、その女性を見ると、腕や顔中に紫色の膿がある。
体全体に広がっているみたいだ。

『紫疸病じゃ。』
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