異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
209 / 761

209昇格祝い

しおりを挟む
その日の夜は、ニックさんやアークのメンバーが俺と浩司の昇格祝いを開いてくれてたのだが、酒がすすむにつれ、

「それにしても、拓と浩司は未だDランクなんだよな。」
「これだけ実力が有るDランクね。」
「いつまでも下に居られると、俺達が不安になってくるよな。」
「大体、OZのメンバーが俺達より全員ランクが低いことがおかしいだろ。
 いや、エチゴさんは俺達と同じBランクなんでしたっけ。」
「実力は俺達より上、貴族や将軍とまで繋がりがあるしな。」
「ブルネリ公爵、バラン将軍だぞ。さらにサリナ姫とまで。」
「・・・」

「「「お前達は、何をやっているんだ。」」」

アークが奇麗にハモった。
祝いの場が突っ込みの場へと変わってきている。
俺としては、3年でDランクなら十分だと思っている。
生活にお金が殆どかかっていないのに、お金は持っている。
俺にとって、冒険者のランクを上げる価値は正直無い。

「拓はAランクの冒険者を目指す夢とか無いのか。」

「そんな面倒な夢を持つはず無いじゃないですか。
 大体、Bランクでこれだけ注目されて大変そうだと思っているのに。
 それに、高ランクの依頼は危険な事が多いので、そういう事は避けて安全に生活を送りたいですから。」

「「「・・・お前が言うな。」」」

何でハモるんだ。

『そうじゃな。この中で一番無茶をするのは拓じゃからな。』

『そう言えば、Aランクの魔物だった吾輩に1人で挑もうとしたのも拓だったにゃ。』

グリムとヤマトは、たまたまの事を持ち出さないで欲しい。
そうなったのは、俺が巻き込まれただけなんだよ。

「それを言うなら、レオやアルはCランクにならないの。今は魔法を使えるから簡単になれるよね。」

アークのメンバーには良く手合わせをしてもらい、レオとアルが魔法を使える事を知っている。

「そうなんだが。そうなると腕輪の事で問題が起きるだろ。
 それに、浩司や拓ちゃんと行動してると、どうでも良い気がしてな。」
「レオの気持ち分かるぞ。浩司と拓と一緒に居るとランクに拘っている方がバカバカしく感じるよな。」

レオとアルの気持ちが理解できない。浩司も理解出来なかったのだろう。

「何で俺達の影響でそんな事を思うんだ。」
「拓なら分かるが、浩司も無自覚か。2人ともズレ過ぎだろ。まぁ、2人はその方が良いかもしれねぇな。」

アルが呆れながらも笑っている。
それにしても拓ならって何だ…とても失礼な気がする。

「アークはどうするんだ。Aランクの冒険者を目指すのか。」

ガラが、アークに聞いてみるとロウガさんが

「そうだな。成りたいと思ってる。ランクを上げれば、俺達でも少しは壁になれるからな。」
「壁って何の?」

気になって尋ねるが

「いや、こっちの話しだ。」

とロウガさんに流されてしまった。

「しかし、実力を付けるのもそうだが、もう1ランク上の装備を用意したい。夢はミスリル製だな。」

ロウガさんの言葉にアーク全員が頷いていた。
前にアンデットを倒した時のミスリルの装備が大量にアイテムボックスに転がってるな。
まだ、200着近く残っている。あげるのは問題になりそうだし

「ミスリルの防具については伝手がありますよ。」

「良いのか。是非お願いしたい。全員分の購入は無理だが部分的でも強化したい。」
その後、昇格祝いは異常に盛り上がり、俺、カイとレム以外は全員飲み潰れて幕を閉じた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!! 僕は異世界転生してしまう 大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった 仕事とゲームで過労になってしまったようだ とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた 転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった 住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる ◇ HOTランキング一位獲得! 皆さま本当にありがとうございます! 無事に書籍化となり絶賛発売中です よかったら手に取っていただけると嬉しいです これからも日々勉強していきたいと思います ◇ 僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました 毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

処理中です...