異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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207お披露目会2

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「では、地下道を通って母屋まで戻ります。こちらの扉からどうぞ。」

扉の向こうは、同じように大理石の床と壁が続いている。
母屋から歩いてきた道の下を通してあり、天井はガラスのブロックから外の光が入ってくる。
ただの通路だと寂しいと思い、両サイドには飾り棚を設けて俺のガラス細工を置いて有り、それぞれ上から灯りが当たるようにしてある。
一応、女の子様として花のモチーフをメインにしてみた。
アークのメンバーには大好評の様だが、ニックさんが難しそうな顔をしている。
何か問題点でも有っただろうか?

そして、夜
サリーの家、2回目のお披露目。俺が一番見せたい時間帯だ。
今回は、母屋から地下道を通る事にする。
入口にある魔力供給部に魔力を通すと地下道に灯りが灯る。

間接照明で足元が照らされ、ガラス細工は下からライトアップ、壁や天井に埋め込んだ小さい魔道具が青白く光る。

「「「お~~」」」

ニックさんや、アークの皆さんから思わず声が上がる。

「これは凄い。昼間とは全く違う趣があるな。」
「ガラス細工も下から灯りを当てると、違った美しさがある。」

小さい魔石を使った光の魔道具なので魔力を供給しても30分位しか持たないが、短い通路なので問題無いだろう。
通路を十分堪能してもらい、地下室に入ってもらう。
魔力供給部に魔力を流すと、部屋の壁や天井だけでなく床からも小さい青白い光が輝く。

「「「・・・・・・」」」

しばらく無言の状態が続き、そして皆が笑い始めた。

「凄い、凄すぎるぞ。まるで夜空に浮かんでいるみたいじゃないか。」
「きっと、こんな凄い部屋は貴族だって持って無いぞ。」

大絶賛だ。ちまちまと光の魔道具を埋め込んだ甲斐が有ったな。
ヤマトも気に入ったのか部屋の中を自由に走り回っている。
30分もすると灯りが暗くなって来たので、普通の明るい光の方を付けさせてもらった。

「一応、こんな感じです。
 初めの明りは30分位しか持ちませんが、普通の明りなら2時間位は持ちます。
 上の部屋は普通に明るい光か灯るだけで小細工はしていません。
 これで、サリーの家のお披露目会を終了させて頂きます。」

OZ全員で揃ってお辞儀をしてお披露目会を終了となった。

******(ニック)

頭が痛い。オリバー殿にあれだけ忠告を受けていたのに、完全に私の失態だ。
何を考えれば、一般市民の家が、あの様になってしまうのだ。
OZの家を知っているので、それなりのレベルになるとは思っていたが・・・
初めの通路に置かれた置物。
私ですら、素晴らしいガラス細工だと分かる出来栄えだ。
どれだけの価値が有るか分かっているのだろうか。
ブローチの一件が有ったから地下に飾ったのだろうが、ここは一般人の家だぞ。
それに、あの様な大理石で出来た地下室なんて、どこの貴族だと言うのだ。
それだけで対応を持て余していたというのに、あの灯りは有り得ないだろう。
貴族どころか王族であろうと、あの様な部屋は持っていない。
セットされている魔道具も、貴族の屋敷にでも有るような高性能ではないか。

全て好意でやってくれているのは分かる。分かってはいるのだが・・・
あの家をどう説明すれば良いのだろうか。
その前に、サリー先生を、あの家に住まわせても良いのだろうか。
さすがに、これは私の手に余る。
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