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189問い掛け
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『何故、お前は私を助けた。』
魔獣が俺に問いかけてきた。
『あそこで君を討伐するのは間違っていると思っただけだよ。』
『私がこの後、人間を襲ったらどうする。』
『仲間が襲われるなら戦う。』
『しかし、今お前達は力を使い果たし無力だ。特に、2人は体を動かす事も出来ないぞ。』
『まぁ、その通りなんだけど。出来れば攻撃するなら今度にして欲しいかな。』
『お前は、バカなのか。』
『この状態だと否定もできないか。
でも、あの時、助けるのが最善だと思った。今でも、そう思っている。』
『全く、この2人が言っていた通りの答えだな。
私を閉じ込めた人間はもう居ない。お前達を襲うのは、ただの八つ当たりでしかないのか。』
『それは考え方次第だと思う。貴方が人間に復讐したいと考えるのは自然だ。
人間に、それを否定する権利は無いよ。』
俺の答えに魔物の目が細まると、突然、笑い始めた。
『人間からそんな答えが聞けるとは。考え方次第か。お人好しだな。
どちらにしろ、私は先ほどの戦いで殆どの力を失っている。』
とりあえず、俺達を襲うのは考え直してくれたみたいだ。
元々、そんな考えなら、俺達と会話をする気も無かっただろう。全く、どっちがお人好しなんだか。
魔獣が捕まった当時の話をしてくれた。
魔獣が生まれたの時には大陸の南は大森林に埋もれ、既にここは島だった。
人間と接点を持つ事も無く自由気ままに過ごしていた。
有る日、嵐で倒れた巨木が海に漂っているのを見つけ乗って休んでいた所、潮に流され、この島に辿り着いた。
しかし、この島に着いたとき突然魔力が失われ、人間に捕まった。
その後は暗い部屋の中で力を奪われ、意識を失った。
ガイアの門が開いた後も、人はここで生活を続けていたのだろう。
確かに、ここでなら魔獣も魔法を使えず、身を守る事は出来る。
何かが有って、この島を離れた。食料の問題、病気、最悪の事として原因で全滅したのかもしれない。
装置と魔獣を置き去りにして・・・
話しをしていると突然、浩司の体が消えた。
『大丈夫じゃ、浩司は表の世界で目を覚ましておる。言ったじゃろ、ここは夢の中の様なものじゃと。』
『では、私も戻るとしよう。』
そう言って魔獣も消えた。
その後、グリムに無茶をし過ぎると叱られ続け目を覚ました。
「お帰り拓ちゃん。」
隣から浩司が声を掛けて来た。
シーツの上に俺と浩司が並べられて横になっていた。
『無事に目が覚めた様だにゃ。』
そして、浩司のお腹の上には小さくなった魔獣が乗っていた。
魔獣が俺に問いかけてきた。
『あそこで君を討伐するのは間違っていると思っただけだよ。』
『私がこの後、人間を襲ったらどうする。』
『仲間が襲われるなら戦う。』
『しかし、今お前達は力を使い果たし無力だ。特に、2人は体を動かす事も出来ないぞ。』
『まぁ、その通りなんだけど。出来れば攻撃するなら今度にして欲しいかな。』
『お前は、バカなのか。』
『この状態だと否定もできないか。
でも、あの時、助けるのが最善だと思った。今でも、そう思っている。』
『全く、この2人が言っていた通りの答えだな。
私を閉じ込めた人間はもう居ない。お前達を襲うのは、ただの八つ当たりでしかないのか。』
『それは考え方次第だと思う。貴方が人間に復讐したいと考えるのは自然だ。
人間に、それを否定する権利は無いよ。』
俺の答えに魔物の目が細まると、突然、笑い始めた。
『人間からそんな答えが聞けるとは。考え方次第か。お人好しだな。
どちらにしろ、私は先ほどの戦いで殆どの力を失っている。』
とりあえず、俺達を襲うのは考え直してくれたみたいだ。
元々、そんな考えなら、俺達と会話をする気も無かっただろう。全く、どっちがお人好しなんだか。
魔獣が捕まった当時の話をしてくれた。
魔獣が生まれたの時には大陸の南は大森林に埋もれ、既にここは島だった。
人間と接点を持つ事も無く自由気ままに過ごしていた。
有る日、嵐で倒れた巨木が海に漂っているのを見つけ乗って休んでいた所、潮に流され、この島に辿り着いた。
しかし、この島に着いたとき突然魔力が失われ、人間に捕まった。
その後は暗い部屋の中で力を奪われ、意識を失った。
ガイアの門が開いた後も、人はここで生活を続けていたのだろう。
確かに、ここでなら魔獣も魔法を使えず、身を守る事は出来る。
何かが有って、この島を離れた。食料の問題、病気、最悪の事として原因で全滅したのかもしれない。
装置と魔獣を置き去りにして・・・
話しをしていると突然、浩司の体が消えた。
『大丈夫じゃ、浩司は表の世界で目を覚ましておる。言ったじゃろ、ここは夢の中の様なものじゃと。』
『では、私も戻るとしよう。』
そう言って魔獣も消えた。
その後、グリムに無茶をし過ぎると叱られ続け目を覚ました。
「お帰り拓ちゃん。」
隣から浩司が声を掛けて来た。
シーツの上に俺と浩司が並べられて横になっていた。
『無事に目が覚めた様だにゃ。』
そして、浩司のお腹の上には小さくなった魔獣が乗っていた。
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