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187正念場
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魔獣の攻撃による土煙が消えた後には、俺を囲む結界『夜桜』。
自分の周囲に張った結界を解くと
「俺は大丈夫。全員攻撃に集中しろ。」
そして再び、魔獣との攻防が始まった。
『どうやって時間を稼ぐかと思えばこんな事を考えておったのか。
この結界を2重に張るとは・・・こんな事は長く続ける事はできんぞ。』
「全員で戦うなんて想定外だったんだよ。
本当はもっと小さい結界を張るつもりだったんだ。」
泣き言を言っても始まらない。
グリムに言われるまでも無く、俺の体が悲鳴を上げ始めている。
2重に結界を張るのがここまで負担になるとは思わなかった。
しかし、島から退却するだけの時間は稼げただろう。
後は、このメンバーをどう逃がすかだ。
「拓ちゃん、もう少し頑張ってくれよ。」
そう言うと、浩司が俺の前に立ち魔力を集中させていく。
Aランクの魔獣相手に戦力を削いでいくより、一気に叩く事にしたらしい。
ガリウム鉱石の腕輪に溜めた魔力も一気に放出させるつもりだ。
「ここが正念場だ。浩司殿と拓殿へ攻撃をさせるな。」
「「「おう」」」
浩司の魔力が膨れ上がるのを感じ、バラン将軍の掛け声に全員が応じる。
魔獣への攻撃が激しくなる中、浩司の周りに巨大な炎が発生した。。
「皆どけ。行くぞ。朱雀。」
炎が巨大な鳥の姿となり、魔獣へ放たれた。
魔獣が風の塊を放つが風を裂き、朱雀が魔獣を襲う。
その余波が熱風となり俺達を襲う。
新たな結界を張る余裕も無く、思わず短剣から手を離し顔を覆ったため大地と魔力の繋がりが途切れ結界が壊れていく。
炎が治まった先には小さくなった魔獣がいた。
浩司の攻撃が効いたみたいだが、倒す事は出来なかった。
他のメンバーを見ても、もう限界だ。
俺の体も、強力な結界を張り続けボロボロだ。
よろめいた所に、魔獣から雷が放たれた。
《魔力を込める時間が足らない。避けられない。》
諦めかけた時、オリバー隊長が俺の前に立ち塞がり、雷を受け後方に飛ばされた。
オリバー隊長が気になるが戦いは終わっていない。
「浩司、もう1発撃てるか。」
「なんとかな。」
横で、浩司の魔力が高まっていくのが分かる。
「最後の攻撃だ。玄武。」
魔獣の周りに岩の壁でドームを形成するが、俺達の方の一画だけ覆われていない。
「行くぞ。朱雀。」
浩司の頭上に鳥の形をした炎の塊が現れた時
『何故だ、何故この様な目に合わなければならない。
私の存在が悪いとでも言うのか。
私が人間に何をした。
何故、長きに渡り閉じ込められ、何故、殺されなければならない。』
頭の中に魔獣の叫びが響き、映像が浮かぶ。
自分の周囲に張った結界を解くと
「俺は大丈夫。全員攻撃に集中しろ。」
そして再び、魔獣との攻防が始まった。
『どうやって時間を稼ぐかと思えばこんな事を考えておったのか。
この結界を2重に張るとは・・・こんな事は長く続ける事はできんぞ。』
「全員で戦うなんて想定外だったんだよ。
本当はもっと小さい結界を張るつもりだったんだ。」
泣き言を言っても始まらない。
グリムに言われるまでも無く、俺の体が悲鳴を上げ始めている。
2重に結界を張るのがここまで負担になるとは思わなかった。
しかし、島から退却するだけの時間は稼げただろう。
後は、このメンバーをどう逃がすかだ。
「拓ちゃん、もう少し頑張ってくれよ。」
そう言うと、浩司が俺の前に立ち魔力を集中させていく。
Aランクの魔獣相手に戦力を削いでいくより、一気に叩く事にしたらしい。
ガリウム鉱石の腕輪に溜めた魔力も一気に放出させるつもりだ。
「ここが正念場だ。浩司殿と拓殿へ攻撃をさせるな。」
「「「おう」」」
浩司の魔力が膨れ上がるのを感じ、バラン将軍の掛け声に全員が応じる。
魔獣への攻撃が激しくなる中、浩司の周りに巨大な炎が発生した。。
「皆どけ。行くぞ。朱雀。」
炎が巨大な鳥の姿となり、魔獣へ放たれた。
魔獣が風の塊を放つが風を裂き、朱雀が魔獣を襲う。
その余波が熱風となり俺達を襲う。
新たな結界を張る余裕も無く、思わず短剣から手を離し顔を覆ったため大地と魔力の繋がりが途切れ結界が壊れていく。
炎が治まった先には小さくなった魔獣がいた。
浩司の攻撃が効いたみたいだが、倒す事は出来なかった。
他のメンバーを見ても、もう限界だ。
俺の体も、強力な結界を張り続けボロボロだ。
よろめいた所に、魔獣から雷が放たれた。
《魔力を込める時間が足らない。避けられない。》
諦めかけた時、オリバー隊長が俺の前に立ち塞がり、雷を受け後方に飛ばされた。
オリバー隊長が気になるが戦いは終わっていない。
「浩司、もう1発撃てるか。」
「なんとかな。」
横で、浩司の魔力が高まっていくのが分かる。
「最後の攻撃だ。玄武。」
魔獣の周りに岩の壁でドームを形成するが、俺達の方の一画だけ覆われていない。
「行くぞ。朱雀。」
浩司の頭上に鳥の形をした炎の塊が現れた時
『何故だ、何故この様な目に合わなければならない。
私の存在が悪いとでも言うのか。
私が人間に何をした。
何故、長きに渡り閉じ込められ、何故、殺されなければならない。』
頭の中に魔獣の叫びが響き、映像が浮かぶ。
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