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164寒天?

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売り物が無くなり2人が荷物を片づけ始めた時に、目に入ったプルブルした塊

「ちょっと待って、それは何?」

「これですか、海藻から作るんですが水分を固めることが出来るんです。
 食べるものが少ない時、これでお腹を充たしているんです。」

男の子が恥ずかしそうに言いながら見せてくれた。
これって、もしかして・・・

「これ、君達が作っているの?」
「はい。」
「これも売ってくれる。」
「こんなのを売るなんて。」
「売ること自体は問題ないみたいだね。じゃあ、この塊を幾らで売ってくれる。」
「これを鉄貨1枚でどうでしょうか。」

大体、4リットル位か

「鉄貨1枚なのか。」
「えっと、2つで鉄貨1枚で良いです。」

言い方が悪かったかな。高いと言っている様に思われたか。

「それで良いなら、2つで鉄貨4枚にしよう。」
「あの、増えていますが。」
「分かってるよ。じゃあ、決まりで良いね。明日、タコと一緒に持ってきてくれない。
 いや、今持っているのを先に売ってもらえるかな。」

クリームやOZのメンバーが不思議そうに固まりを見ていた。
浩司も何だか分かっていない

「多分、これ寒天みたいな物だと思う。」
「えっ、寒天って粉か繊維状じゃないのか。それに変な臭いがするな。」
「確かに酷い臭いだけど、寒天と同じ作り方で改善できるかもしれない。
 上手くいったら、牛乳寒天を作ろうか。俺、大好きなんだよね。それに料理にも使いたいな。」

元の世界なら、ここまで酷い臭いはしていないだろう。このままだと料理に使えない。
その後、宿に戻って気が付いたが、3食付の宿だった。
美味しそうな魚を大量に購入したが、しばらくアイテムボックスの中で保存となってしまった。

部屋はOZだけの6人部屋を用意してくれていた。
夕飯まで1時間程あるので、部屋で寒天の処理を行う事にする。
寒天を糸状に細くし浩司に凍結と解凍を繰り返してもらうと、思った通り白い繊維状の塊になった。

「凄いな、普通に糸寒天になったな。臭いも無くなっている。」

浩司が俺の作業を感心していた。他のメンバーも興味深げに眺めている。

「こんなに短時間での凍結、解凍の繰り返しでも何とかなるものだね。
 正直、完全に臭いが落ちるとは思わなかった。結果オーライかな。」

未だ時間が有るので、ついでに牛乳寒天を作るか。
寒天を水にふやかし、浩司の火魔法で加熱して溶かした所に砂糖を入れて、最後に牛乳を入れる。
フルーツを敷き詰めたパットに流し込めば冷えて固まるのを待つだけだ。
丁度、終わった所で夕食の時間になった。
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