異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
157 / 759

157お祝い1

しおりを挟む
今日の料理のメインは散らし寿司。やはりお祝い事にはこれが一番だ。
アークのハンスさんとダニエルさんも料理作りを手伝ってくれ、考えつくものを色々と用意してみた。
それとは別に浩司とガラが何かこっそり作り上げていたみたいだが、秘密だそうだ。
エチゴさんとアルも色々と料理を持ってきてくれ、他の人達も大量にお酒を持ってきてくれている。
しかし、お互いに話を通してなく、30人も居ないパーティなのに50人分はあろうかという大量の食事とお酒がテーブルに乗っている。

皆にお祝いを言われて、嬉しそうなレオ。
落ち着いた所で、改めてレオにお祝いの言葉を伝えたかったのだが…
ガラとアルが張り付いて飲みまくり近寄りがたい雰囲気になっていた。
ガラは長年連れ添った相棒として、アルは同じ獣人として本当に嬉しいみたいだ。
レオも2人の気持ちが分かってか、なすがままになっている。
他の人達も、3人での語らいを邪魔しない様に気を使っているみたいだ。

アークとクリームのメンバーはブルネリ公爵領で仲良くなったみたいで、話が盛り上がっていた。
クリームの女性陣、ロビンさんとジェニファーさんはエチゴさんやオリバーさんと楽しそうに話している。
この2人ってバラン将軍の時といい、もしかして中年オヤジ好き?
確かに2人はタイプは違うが、落ち着いていて、大人の貫禄と色気が有ると思うがどうなのだろう。
エチゴさんとオリバーさんは楽しそうに話してはいるが、娘を相手にしているようにしか感じられない。

少し落ち着いた所で、浩司がガラに声を掛けてコソコソと居間を出て行った。
2人が居間の入口の前に来た所で、指示されたように部屋の明かりを闇で覆い、少しづつ暗くしていく。
部屋の中が静かになった所で、俺が特別司会者

「皆さん、今回の出版のお祝いに、ガラと浩司が特別に準備したモノが有ります。
 レオは前に出て来てもらえる。」

レオに、挨拶をした場所に立ってもらうと

「では、どうぞ。」

入口が開けて、入ってきた2人に光が当たる様に調整する。
1辺が1mは有る箱をワゴンに乗せて運んでいる。デザートだとは思うけど何を作ったんだ。
レオを前まで運び、2人で箱の蓋をとる。

「「「お~~」」」

現れたのは色々な果物が乗った巨大なケーキだった。
中央には「レオ、料理本の出版オメデトウ!」との大きな文字。
浩司が俺に向かってウィンクをして親指を立ててきた。
レオが礼を言うと、照れ隠しかガラが赤い顔でレオの肩をバシバシと叩いている。
そんな中、クリームのメンバーが固まっていた。

「浩司さん、ガラさん、それって生クリームのケーキなの。」

ジェニファーさんが、おそるおそる聞いている。

「そうだ。後で皆に分けるんで楽しみにしててくれ。」

ガラの言葉を聞いてクリームのメンバーから歓声が。

「お前ら、ここはレオの祝いの場だぞ。落ち着け。」

リーダのジークさんが静かにさせたものの、言葉が嬉しそうな顔と合っていない。
他のメンバーは、この家でショートケーキを食べているので大きさに驚くだけだが、この人達って生クリームのケーキを腹一杯食べたくて、クリームというパーティー名にしたんだっけ。

「生クリームのケーキが食べれるなんて本当に運が良いわ。人生2度目の体験よ。」

「本当にそうね。こんなに美味しい食事だけでも凄いのに、生クリームのケーキが付くなんて夢のようよ。」

「夢なら覚めないで欲しいわ。」

声は小さくなったが、ロビンさんとジェニファーさんの盛り上がりは治まらない。
クリームの男性陣は無言だが、ケーキから目が離せないでいた。
ジークさんなんて傷のある厳つい顔で睨むように見ている姿は、視線の先がケーキとは思えない。
他にも、オリバーさんも目が離せないみたいだ。
そいえば、オリバーさんはバラン将軍の部下で国に属しているのに、何故ブルネリ公爵の使いをしているのだろう?
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)

田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ? コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。 (あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw) 台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。 読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。 (カクヨムにも投稿しております)

処理中です...