異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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イルミネーション開催3日前。内輪だけの点灯式に警備以外の人が全員庭に集合した。
今回からは、点灯挨拶をブルネリ公爵が行う。

「皆のおかげで、またイルミネーションが出来ること嬉しく思う。
 今回はOZやアークが新しいイルミネーションを追加してくれているので楽しんで欲しい。
 皆、待ちきれない様だな、さっそくカウントダウンを行うぞ
 10、9、8・・・3、2、1、点灯」

一斉に輝くイルミネーションに歓声が上がり割れんばかりの拍手
初めて見た、エチゴさん、アル、カイ、レムは、言葉も無く呆然としている。
サリナ姫はあっけに取られる姿を見て満足したみたいで

「カイ、レム、行くわよ。私が案内してあげるわ。」

2人を先導してイルミネーションの探索に向かって行った。
始めてみた時、自分もあっけに取られていた事は言わない方が身の為だろう。
俺達もエチゴさんとアルを誘ってイルミネーションの中を散策する。
カメラで皆や風景を撮っていく。
出来上がりは後で見てのお楽しみだ。
今回、新しく設置した場所へ向かうと
ドタバタと駆け寄ってくる足音が2つ。何だかデジャブ

「ちょっと拓ちゃん、これは何なのよ。なんで、こんなに色々な色が有るのよ。」
「このコアを全て拓殿が作ったんですか。こんなに色を作り出せるなんて素晴らしい。」

やはり、サリナ姫とトリス錬成術師だった。
今回は赤や青、緑や黄色と色々な明かりをつくってみた。
シックな単色も好きだけど、カラフルなのも良いな。

1時間ほどすると、音楽が聞こえてくる。
音楽が鳴ったら戻ってくるようにサリナ姫に言われていたっけ。
綺麗に装飾された屋台の前で、メイド服を着たサリナ姫や兵士の方々が屋台で皆に紅茶を配っていた。

「どうです、皆さん。私達の会心の作品よ。」

両手を腰に当て、ドヤ顔のサリナ姫。美人なだけに痛々しさが倍増している。
本当にこの人、姫としてやっていけているのだろうか。

「拓ちゃん、また変な事を考えていたでしょ。」

またって何。俺って、そんなに顔に出てるかな。

「まぁ、良いわ。それよりも、皆さんには少し特別な飲み物を用意させて頂きました。」

OZ、アークのメンバーに配られたのは良い香りのする暖かい茶色い飲み物

「ホットチョコレートです。どうぞ」

この世界にもチョコレートって有ったんだ。
良い香りがする。飲んでみると少しビターな味だった。

「凄く美味しい。浩司、チョコレートだよチョコレート。どうするよ。」
「どうするって、買うしかないだろ。やっぱりチョコレートケーキだな。」
「チョコレートケーキか。悪くないけど、意外性をついてチョコフォンデュなんてどうだ。」
「いやいや、それを初めに持ってくるのは邪道だろ。」
「果物が美味しいから良いかと思ったけど。なら、生チョコでどうだ。」
「生チョコか。それは捨てがたい。
 俺は作り方が分からないんだよな。拓ちゃんは作れるのか。」
「何を愚問を。その程度の物を作れないでどうする。修業が足りんぞ。」
「おぉ、さすが拓ちゃんだな。」

『は~、お主等、いい加減にした方が良いぞ。周りを見ろ。』

俺達、完全に浮いていました。皆の生暖かい視線が・・・
以前も同じ様な事をしてしまった様な記憶が有るような。
案の定、OZのメンバーは飽きれ顔、バラン将軍は笑っている。
カイとレムに完全に引かれているのが、正直、一番精神的にこたえた。

「よっ、喜んでくれて良かったわ。」

その言葉が限界だったのか、サリナ姫が噴き出して笑い始めた。

「あ、あの拓ちゃんが、お、お腹が、お腹が痛いわ。
 何が『修行が足りんぞ』よ。修行っていったい何なのよ。もうやだ。」

あのサリナ姫にこんな風に笑われるなんて屈辱だ。嫌なら涙まで流して笑うな。
俺の見た目は子供なんだから、普通に考えて笑われるのは浩司の方だろう。
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