異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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132旅の打ち上げ

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ティムさんがお金を用意する為、店に戻っていくと

「この度は、旅に誘って頂き、ありがとうございました。」

エチゴさんが礼を述べ、懐から布に包まれた物を取り出した。

「今回、旅の用意して頂いたお礼です。どうか、受け取ってください。」

白磁鉱石、アイテムボックスの材料だった。断ろうとすると

「拓さん、受け取ってくれませんか。」

そう言って頭を下げる。
戸惑う俺に、浩司が背中を叩く。

「有りがたく頂きます。
 エチゴさんとアルが一緒で素晴らしい旅ができました。
 こちらこそ本当にありがとうございました。」

俺が受け取ると、OZのメンバー全員で頭を下げていた。
ティムさんが戻りお金を受け取ると

「いつも伯父と食事をしている店を予約してあります。
 今回の旅の話をしながらゆっくり楽しんで下さい。
 もうじき、ダリウスも戻ってくるので後から参加させて頂きます。」

店に行くと、ニックさんやアークのメンバー、カイにレムも居た。
ティムさんが声をかけてくれていたらしい。
しばらくするとティムさんとダリウスさんも来て大騒ぎだ。
この3ヶ月でカイは筋肉が付いたが、体は少し引き締まっただろうか。
何を食べているのか、どんな運動をしているのか聞いていると

「拓ちゃんが同じ生活をしても、カイみたいにはなれないと思うぞ。」

酔っぱらった浩司が文字通り絡み付いて俺のことをヒザの上に乗せると、アルまでが俺の頭を優しく叩いてくる。

「拓だって、成長期に入れば、かってに伸びる。」

アルの無責任発言。
自然に身長が伸びるくらいなら、誰も苦労はしない。
前の世界では毎日牛乳を飲んだりして頑張ったが、結局身長は160cm止まりだ。

「拓さんは、身長なんか無くても素敵です。」

レムはホローしてくれたんだよね、それなのに心が痛い。

店を出た後は、ニックさんの所で2次会。
深夜になっても宴会は続き、付き合いきれないので避難させてもらった。

朝、目が覚めるといつもとは違うぬいぐるみの様な感触。
張りのある良い弾力だな。しばらく寝ぼけて触っていると

「拓さん、ちょっとくすぐったいです。」

その言葉で目を開けると、俺は褌1枚しかつけていないカイに抱きついていた。
昨夜は、カイの部屋で寝かせてもらったんだった。
さわってみると、本当に良い体になっているよな。大人に熟しきる前の体か・・・と言うか
俺、変な事をやってないよな。いや、カイが受け入れてくれたならそれでも良いのか。

『バカな事を考えていないか。お主は何もしておらんぞ。ただ抱きついて寝ていただけじゃ。』

グリムの言葉にホッとしながら、カイに謝ると

「寝ぼけて抱きついてきた時は、変な気分でしたよ」

そんな無防備な姿で笑っていると、襲って大人の世界を教えちゃうぞ。
写真だけでも残したかったが、我慢して居間に行くと皆は爆睡状態。
あまりにも酒臭いので、カイとレムを誘って俺達の家で朝食をとる事にした。
味のお土産、蕎麦粉を使ったガレット。
2人とも喜んで食べてくれるのは良いが、カイは食べ過ぎじゃないか。

その後、エチゴさんは店の相談役の立場に収まり、運営はティムさんが行っている。
エチゴさんもティムさんの仕事には満足しているらしい。
基本的にフリーになったので、アルと一緒に正式にOZとしてパーティ登録をする事になった。
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