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126実験設備
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下の階は、大きな部屋で占められていた。上の階が個人のフロアだとすると、この階は共同フロアって所だろうか。
やはり、ほとんどの物が炭と化し何も見つけることは出来なかった。
そして更に下の階に降りる階段は1つしか無く、降りた所には倒れた厚い扉が有った。
この階は上の階とは違い、建屋はリング状ではなく中もつながっているみたいだ。
扉の中は高さが4m位ある広い空間に元の状態が分からない物が転がっていた。。
「ここは、ある程度は熱から守られたみたいだけど、練成術での修復は無理だな。」
光の玉を浮かべ、周りを照らしてみる。
「拓ちゃん、奥の方は何かの実験設備みたいだぞ。行ってみようぜ。」
浩司に手を引かれ奥に進むと、一段下がった所に見たことの無い設備が有った。
足元には割れたガラスが飛び散っているが、金属の装置の上にガラスケースが付いていたみたいだ。
それが、200台近く並んでいる。
全てが錆びつき、簡単に崩れてしまいそうだ。
2人組で部屋を散策する事にし、俺は浩司と、この初めて見る設備を眺めていた。
「なぁ、拓ちゃん、これは魔法と言うより科学だな。一体、何だろうな。」
「実験設備というより、ここまで並んでいると工場といった感じだね。」
『儂はこんな設備を見るのは初めてじゃが、お主達の世界では有ったのか。』
「いや、ここまで凄いのは知らないけど、想像していた未来に出てきそうな感じかな。」
『突き詰めると、魔道も科学も同じ様な感じになるのかも知れんな。』
新しい発見がないかと周りを見ていると、後ろでガッシャンと大きな音が…
何かと思い、音の方へ駆け寄ると、床が抜けて大きな穴にアルがはまっている。
「痛て~、いきなり床が抜けやがった。」
そうか、ケーブルを考えたら2重床が当たり前か。
「アル、大丈夫か。」
「大丈夫だ、ちょっと切っただけだ。唾を付けときゃ治る。」
破傷風になる可能性もあるので治癒魔法をかけておく。
アルにどいてもらって床下をみるとボロボロだがケーブルがあったのが分かる。
ケーブルは何処から来ているんだ・・・
探索魔法で調べた所この扉の先なんだけど、鍵がかかってるのか。
扉の向こうを探索しようとしたが、魔法が通らない。錬成術も使えない。
扉だけでなく、遺跡の壁全体が魔力を通さなかった。
「グリム、遺跡は魔力を通さない物なのか。」
『遺跡については儂も詳しくないが、通さない材質も有ると聞いている。
残念じゃが、この素材については儂にも分からん。』
こうなると、俺って無力な子供でしかないな。他の出入り口は無さそうだし・・・
「なんだ、扉の向こうを見たいのか。上の窓から覗いたらどうだ。」
そんな俺を見ていたアルが上の方を指さしていた。
気付かなかったが、3mくらいの高さの所に窓があった。
正確には窓だった物だろう。既に壊れ枠の部分しか無い。
アルが俺を軽々と持ち上げて窓から覗けるようにしてくれた。
部屋の中に明かりを灯すと、中央に見たことの無い設備が現れた。
直径3mの金属の円の台に魔法陣が描かれ中央に窪みがり、縁には等間隔に8隅に玉がはめ込まれている。
「アル、もう少し持ち上げてくれる。ちょっと中に入るから。」
「拓ちゃん、大丈夫なのか?」
浩司が心配そうに声をかけてくる、
「大丈夫だよ。浩司も少し待っててね。」
やはり、ほとんどの物が炭と化し何も見つけることは出来なかった。
そして更に下の階に降りる階段は1つしか無く、降りた所には倒れた厚い扉が有った。
この階は上の階とは違い、建屋はリング状ではなく中もつながっているみたいだ。
扉の中は高さが4m位ある広い空間に元の状態が分からない物が転がっていた。。
「ここは、ある程度は熱から守られたみたいだけど、練成術での修復は無理だな。」
光の玉を浮かべ、周りを照らしてみる。
「拓ちゃん、奥の方は何かの実験設備みたいだぞ。行ってみようぜ。」
浩司に手を引かれ奥に進むと、一段下がった所に見たことの無い設備が有った。
足元には割れたガラスが飛び散っているが、金属の装置の上にガラスケースが付いていたみたいだ。
それが、200台近く並んでいる。
全てが錆びつき、簡単に崩れてしまいそうだ。
2人組で部屋を散策する事にし、俺は浩司と、この初めて見る設備を眺めていた。
「なぁ、拓ちゃん、これは魔法と言うより科学だな。一体、何だろうな。」
「実験設備というより、ここまで並んでいると工場といった感じだね。」
『儂はこんな設備を見るのは初めてじゃが、お主達の世界では有ったのか。』
「いや、ここまで凄いのは知らないけど、想像していた未来に出てきそうな感じかな。」
『突き詰めると、魔道も科学も同じ様な感じになるのかも知れんな。』
新しい発見がないかと周りを見ていると、後ろでガッシャンと大きな音が…
何かと思い、音の方へ駆け寄ると、床が抜けて大きな穴にアルがはまっている。
「痛て~、いきなり床が抜けやがった。」
そうか、ケーブルを考えたら2重床が当たり前か。
「アル、大丈夫か。」
「大丈夫だ、ちょっと切っただけだ。唾を付けときゃ治る。」
破傷風になる可能性もあるので治癒魔法をかけておく。
アルにどいてもらって床下をみるとボロボロだがケーブルがあったのが分かる。
ケーブルは何処から来ているんだ・・・
探索魔法で調べた所この扉の先なんだけど、鍵がかかってるのか。
扉の向こうを探索しようとしたが、魔法が通らない。錬成術も使えない。
扉だけでなく、遺跡の壁全体が魔力を通さなかった。
「グリム、遺跡は魔力を通さない物なのか。」
『遺跡については儂も詳しくないが、通さない材質も有ると聞いている。
残念じゃが、この素材については儂にも分からん。』
こうなると、俺って無力な子供でしかないな。他の出入り口は無さそうだし・・・
「なんだ、扉の向こうを見たいのか。上の窓から覗いたらどうだ。」
そんな俺を見ていたアルが上の方を指さしていた。
気付かなかったが、3mくらいの高さの所に窓があった。
正確には窓だった物だろう。既に壊れ枠の部分しか無い。
アルが俺を軽々と持ち上げて窓から覗けるようにしてくれた。
部屋の中に明かりを灯すと、中央に見たことの無い設備が現れた。
直径3mの金属の円の台に魔法陣が描かれ中央に窪みがり、縁には等間隔に8隅に玉がはめ込まれている。
「アル、もう少し持ち上げてくれる。ちょっと中に入るから。」
「拓ちゃん、大丈夫なのか?」
浩司が心配そうに声をかけてくる、
「大丈夫だよ。浩司も少し待っててね。」
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