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125遺跡

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悪天候が続きそうなので、徹底的に魔力操作の訓練を行う事にした。
1時間魔力操作を行い、1時間休むの繰り返し。俺と浩司は皆のサポートをしている。

『そろそろ、魔力の操作方法が分かってきた様じゃな。浩司と拓の修業を兼ねて外で行うぞ。』

「えっ、この悪天候の中で魔法の訓練を行うのか?」

『2人には訓練する場所を交互に維持してもらう。
 浩司は、風魔法でこの暴風を抑え込み、拓はシールドで覆う。
 どうじゃ、訓練場所も確保でき、お主らの訓練にもなる。』

ある程度の広さにシールド張ると、強度のムラが有れば指摘され集中力の限界までしごかれる。
さすがはグリムと言うか、俺と浩司を完全に把握している。
厳しい練習で全員死んだ様な状態にも関わらずレオとアルは嬉しそうだ。


1週間して天候が回復し尾根の反対側の探索を行うと、岩の間から人工的な建物の一角が出ているのを発見した。
探索魔法で調べてみると、大きな建物が埋もれているのが分かる。

「本当に在ったんだ。凄い、本当に遺跡を見つけたんだ。」

しばらく皆で喜びあった後、土魔法で一番近い入口(窓)まで土を退かしていくと溶岩がゴロゴロしている。
建物が崩れないか不安なので、先ずは一番軽い俺が入ると、中は8畳位の部屋だった。
炭と化した家具類を見ると個人部屋の様だ。

やはり、火山の噴火でもしたんだろう。建物は耐えられたけど、中の備品は全て熱でやられてしまったか。

床を調べ強度に問題無いことを確認し皆に入ってきてもらった。

「生物の気配は無いから、ここを拠点にして内部を調べようか。
 とりあえず、この埃と炭をどうにかした方が良いいな。」

浄化の魔法の応用で部屋を奇麗にした。

「便利な掃除魔法だよな。1家に拓ちゃん1人だな。」
「バカなことを言ってないで、天井にランタンを吊り下げてくれる。
 浩司だって風と水魔法の繊細な制御が出来れば埃ぐらいどうにでもなるよ。」

浩司に強い光を放つ魔道具のランタンを渡すと、天井の出っ張りに引っかけてくれた。
建物の中へと続く入口には扉もなく、覗くと右も左も真っ暗な廊下が続いている。
皆にヘッドライトのついたヘルメットとペンライトを渡して全員一緒に行動する事にする。
廊下の両サイドに同じサイズの部屋があり、円を描いていたみたいだ。
部屋によっては、壁や床、天井が崩れていて新しい発見は無い。
円の内側の部屋にも窓が付いているので、建屋自体はリング状で内側は中庭になっていたのではないだろうか。
山側の方半分は土砂で潰され、先には進めない。
等間隔に下へ降りる階段が有ったが、今日の所はこの階を調べるだけにする。

「この階は居住区だったみたいだね。今日は休んで、下の階の探索は明日にしようか。」

横にはなったが、明日の探索を考えると興奮して寝付けそうにない。
話はしないがゴソゴソと動いている音を聞くと、皆そうなのだろう。
ただ、ガラとアルからはイビキが聞こえてくる。
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