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117競争
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俺と浩司は無事にEランクの冒険者に昇格する事ができた。
これでOZとしてギルドでDランクの依頼を受ける事が出来る。
何か有って他の町で依頼を受けることになっても少しはマシな稼ぎをえる事ができる。
出発の日、皆に見送られてラグテルの町を出発した。
ホロも無い乗合馬車に俺達6名の他に、冒険者が3名
業者さんか良いと言うので、俺は運転席の横に座らせてもらった。
思っていたよりスピードが出ていて気持ち良い。
業者さんは定期的に馬に回復魔法をかけて、一定の速度を維持している。
大きな町の間を移動する初めの間は馬車があるが、そこから先は歩く事になる。
しかし、俺達はしばらく街道を歩いた後、森の中を抜け川縁まで出てきた。
「立派な大河だね。水の流れも穏やかだし人も居ない、これなら行けるかな。」
俺はアイテムボックスから2人乗りカヌーを3艘取り出した。
この先一帯は沼地が多く、そこを避けるため街道は大きく迂回している。
そこで、一気に船で川を進んではどうかという浩司の提案だ。
残念ながら船の交通網は無かったため、魔獣の骨を素材にカヌーを作っておいた。
魔獣の骨を使った素材は軽くプラスチックの様な感じになる
これは色々と実験を行った成功例だ。
「乗り込む前に、これも渡しておきますね。人前では使わない様に注意してください。」
取り出したのはカメラ。ガラとレオ、エチゴさんとアルさんに1台づつ。
本当は1人1台にしたかったが、そこまで作り上げる事が出来なかった。
カメラの説明を聞いてエチゴさんとアルさんが断ろうとしたが、他のメンバーのはしゃいで使っている姿をみて受け取った。
カメラに慣れてもらったらカヌーをバックに全員で記念写真。
「じゃぁ、そろそろ出発しようか。」
俺と浩司、ガラとレオ、エチゴさんとアルさんの組み合わせでカヌーに乗る。
水面を進む感じが気持ち良い。
しばらく漕いで慣れてくると、
「浩司、拓、競争しないか。エチゴさん達もどうです。」
「乗った。拓ちゃん、良いよな。」
「良いですね。勝負となれば負けませんよ。アル、勝ちますよ。」
「もちろんです。熊族の力を見せてやりますよ。」
「レオ、俺達が優勝するぞ。」
「仕方ないな。熊族の力は凄いが、トラ族も負けてないぞ。」
浩司はともかくエチゴさんまで乗ってきた。
レオも苦笑いをしつつもオールを持つ手に力を込めてるよな・・・
「競争は良いけど、俺は強化魔法を使ってもいいよね。」
「確かに拓が魔法無しじゃ無理が有るな。
じゃあゴールは、あそこに見える大きな木の所まで、いくぞ・・・よーい、ドン。」
ガラめ、俺を舐めるなよ。
「トップを取るぞ。浩司、タイミングを合わせろ。1,2,1,2・・・」
一気にトップになったが、他の2組みとも真似をしてタイミングを合わせて漕ぎ始めた。
このままでは、抜かれてしまう。
やはり、獣人の力は凄い。魔法が無ければ1段上だ。
こうなったら、俺も魔力全開でいってやる。
『拓の魔力全開は卑怯じゃぞ。今の力が丁度良い。』
グリムめ、このままだと負ける。
「ペースアップだ。1.2.1.2」
ラストスパートは接戦だったが、
「「優勝だ!」」
何故、全員が同じ言葉を叫んでいる。
「どう見ても俺と浩司のチームが優勝でしょう。」
「拓こそ、何を言ってるんだ、どう考えても俺とレオが優勝だ。」
「いやいや、皆さんには悪いですが、私とアルが優勝でしたよ。」
「「・・・」」
皆で大笑いだ。
これでOZとしてギルドでDランクの依頼を受ける事が出来る。
何か有って他の町で依頼を受けることになっても少しはマシな稼ぎをえる事ができる。
出発の日、皆に見送られてラグテルの町を出発した。
ホロも無い乗合馬車に俺達6名の他に、冒険者が3名
業者さんか良いと言うので、俺は運転席の横に座らせてもらった。
思っていたよりスピードが出ていて気持ち良い。
業者さんは定期的に馬に回復魔法をかけて、一定の速度を維持している。
大きな町の間を移動する初めの間は馬車があるが、そこから先は歩く事になる。
しかし、俺達はしばらく街道を歩いた後、森の中を抜け川縁まで出てきた。
「立派な大河だね。水の流れも穏やかだし人も居ない、これなら行けるかな。」
俺はアイテムボックスから2人乗りカヌーを3艘取り出した。
この先一帯は沼地が多く、そこを避けるため街道は大きく迂回している。
そこで、一気に船で川を進んではどうかという浩司の提案だ。
残念ながら船の交通網は無かったため、魔獣の骨を素材にカヌーを作っておいた。
魔獣の骨を使った素材は軽くプラスチックの様な感じになる
これは色々と実験を行った成功例だ。
「乗り込む前に、これも渡しておきますね。人前では使わない様に注意してください。」
取り出したのはカメラ。ガラとレオ、エチゴさんとアルさんに1台づつ。
本当は1人1台にしたかったが、そこまで作り上げる事が出来なかった。
カメラの説明を聞いてエチゴさんとアルさんが断ろうとしたが、他のメンバーのはしゃいで使っている姿をみて受け取った。
カメラに慣れてもらったらカヌーをバックに全員で記念写真。
「じゃぁ、そろそろ出発しようか。」
俺と浩司、ガラとレオ、エチゴさんとアルさんの組み合わせでカヌーに乗る。
水面を進む感じが気持ち良い。
しばらく漕いで慣れてくると、
「浩司、拓、競争しないか。エチゴさん達もどうです。」
「乗った。拓ちゃん、良いよな。」
「良いですね。勝負となれば負けませんよ。アル、勝ちますよ。」
「もちろんです。熊族の力を見せてやりますよ。」
「レオ、俺達が優勝するぞ。」
「仕方ないな。熊族の力は凄いが、トラ族も負けてないぞ。」
浩司はともかくエチゴさんまで乗ってきた。
レオも苦笑いをしつつもオールを持つ手に力を込めてるよな・・・
「競争は良いけど、俺は強化魔法を使ってもいいよね。」
「確かに拓が魔法無しじゃ無理が有るな。
じゃあゴールは、あそこに見える大きな木の所まで、いくぞ・・・よーい、ドン。」
ガラめ、俺を舐めるなよ。
「トップを取るぞ。浩司、タイミングを合わせろ。1,2,1,2・・・」
一気にトップになったが、他の2組みとも真似をしてタイミングを合わせて漕ぎ始めた。
このままでは、抜かれてしまう。
やはり、獣人の力は凄い。魔法が無ければ1段上だ。
こうなったら、俺も魔力全開でいってやる。
『拓の魔力全開は卑怯じゃぞ。今の力が丁度良い。』
グリムめ、このままだと負ける。
「ペースアップだ。1.2.1.2」
ラストスパートは接戦だったが、
「「優勝だ!」」
何故、全員が同じ言葉を叫んでいる。
「どう見ても俺と浩司のチームが優勝でしょう。」
「拓こそ、何を言ってるんだ、どう考えても俺とレオが優勝だ。」
「いやいや、皆さんには悪いですが、私とアルが優勝でしたよ。」
「「・・・」」
皆で大笑いだ。
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