異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
115 / 759

115旅の仲間

しおりを挟む
「拓ちゃん、デミグラスソースのシチューはこんな感じで良いかな。」

今日は、エチゴさん達に料理を御馳走する日だ。
メインは牛肉の様なボアの肉を使ったシチューだ。
レオがじっくりと煮込んだシチューに隠し味の醤油を少し入れてみる。

居間の準備は浩司とガラが対応してくれたのだが、何故か鞄やコート、剣が不自然に置いてある。

「これって何?」
「旅の雰囲気を出してみたんだが。」
「どうだ拓ちゃん、旅に行きたくなってこないか。」
「いくらなんでも、ワザとらしいだろ。
 この間、会った時点でエチゴさんは気付いているから必要ないと思うよ。」

そうしている内に、エチゴさん達が来てしまった。
ボアのシチューに舌包みを打ち、デザートのロールケーキを喜んでくれた。
さて、ここからが本番だ。俺は遺跡時代の地図をテーブルに広げる。

「この地図を見てもらえますか。」
「見たことが有る様な気がしますが、どこの地図ですか。」

見せた地図の横にこの大陸の地図を並べてみる。

「もしかして、この大陸の地図ですか。」
「そうです。地形がかなり変っていますが遺跡と同時代の地図です。
 この凸マークを見て何か気付きませんか。」
「・・・もしかして遺跡の場所を示しているのでは。私が行った大森林の遺跡も描かれている。
 こんな凄い物を何処で見つけたんですか。」
「申し訳ありませんが、それは言えません。
 今回、行こうとしているのは山脈にあるマークの所です。
 もしかすると、未だ誰も行った事のない遺跡が在るかもしれません。」

エチゴさんだけでなく、ダリウスさんやアルさんも食い入る様に古代地図を見ている。

「山脈で距離は有りますが、それほど危険では無いと考えています。
 未発見の遺跡ですよ。凄くワクワクしませんか。」

エチゴさんは俺が考えた天地見聞録の天が示す場所の話を興味深く聞いてくれた。

「どうです、皆さんも一緒に旅をしませんか。」
「この旅に私達を誘ってくれるのですか。」
「もちろんです。今回だけでなく、他にも色々と旅が出来たら楽しいですよ。」

ダリウスさんとアルさんが頷いている。

「ありがとうございます。私達で良ければ参加させてもらいます。」

エチゴさんの言葉にOZのメンバーで喜んでいると、ダリウスさんが

「皆さん、申し訳ありませんが私は参加できません。旅はエチゴさんとアルだけが参加します。
 私はティムさんの警護をして、店を守りたいと思います。」

エチゴさんだけが驚いているので、ダリウスさんとアルさんで決めた事なんだろう。
残念だけど仕方がないか。
そうと決まれば、部屋から作りたての3人分の旅行セット一式:拡張バッグ、拡張水筒、テント、タープ、折り畳みのイス、テーブル、そしてコートを持ってきた。
エチゴさん達は断ったが、旅をするのに必要な物だと説得し所有者の縛りを行う。

「それなりに量が入りますので、食料と着替えを多めに入れておいて下さい。
 後、山の上は寒いので服を3、4着貸してもらえますか。私の方で細工をさせてもらいます。
 出発は2週間後を考えていましたが、少しずらした方が良いですかね。」
「いえ、ここまでの準備をしてもらったんです。2週間で充分です。」

その後は旅の話で盛り上がり飲み会に突入。次の日の朝、浩司、ガラ、アルさんが倒れていたが放置
これは戒めとしての放置であって、美味しそうに酒を飲んでいた姿が気に入らなかったからではない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

異世界を服従して征く俺の物語!!

ネコのうた
ファンタジー
日本のとある高校生たちが異世界に召喚されました。 高1で15歳の主人公は弱キャラだったものの、ある存在と融合して力を得ます。 様々なスキルや魔法を用いて、人族や魔族を時に服従させ時に殲滅していく、といったストーリーです。 なかには一筋縄ではいかない強敵たちもいて・・・・?

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...