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091餅つき
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大鍋からでる蒸気がせいろの中のもち米を蒸していく。
それを50人位の人が取り囲んでいる。
警備をしている人以外は全員集まっているそうだ。
話を聞いたピース医師や、トリス練成術師も来ている。
もち米が蒸し上がり、臼の中に入れる。
先ずは浩司とガラ、レオが手本を見せる。
ガラとレオが餅をつき、浩司が合いの手だ。
もち米を良く練り込んで、いよいよ本番だ
「よーっ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ・・・」
密かに練習していた成果もあり、良いペースで餅をついていく。
つきたての餅の出来上がりだ。
用意したテーブルに移して醤油で出来上がりを確認・・・おぉ、美味い。
今度は大根おろしでピリッと、最後はきな粉餅にして甘く
良い、出来立ての餅は美味すぎる。
『拓、味見も良いが周りを見た方がいいぞ。』
グリムに言われて周りを見ると、皆さんが俺を笑っている。
しまった、久しぶりの餅の誘惑に負けてしまった。
「ルドルフさん、確認しましたが良い出来です。早く皆さんに配りましょう。」
ルドルフ料理長が完全に呆れている。
餅を千切って皆に配り終えた所で、ブルネリ公爵の挨拶
「今配った食べ物は餅と言うらしい。若干先走った行為が有ったみたいだが皆で頂こう。」
笑いの中、皆が人生初の餅を食べていく。
「凄い伸びるわ」「これは面白い味だな」「この黄色いの、甘くて美味しい」
なかなか好評の様だ。
「皆さん、初めて食べるのに物怖じしませんね。」
俺の言葉にルドルフ料理長が溜息をつきながら
「目の前で、あんなに美味そうに食べられたら物怖じするかよ。」
「あっ、俺の作戦通りって事ですね。」
「・・・」
ルドルフ料理長の視線が痛い。
「次の餅つきを開始した方が良いですよね…では、蒸したもち米をセッティングしてきます。」
逃げるが勝ちだ。
杵と臼は3セット用意した。
体を鍛えた兵士が何人もいるので人手は十分。それに皆さん、早く餅つきをやりたいみたいだ。
掛け声と共に、餅つきが始った。
「拓殿、今日はありがとう。この様な機会はなかなか無く、皆楽しそうだ。」
ブルネリ公爵が俺の隣に来て、嬉しそうに餅つきを眺めていた。
「こちらこそ、餅が食べれて大満足です。
やはり、イベント事は楽しいですよ。良いですね、この感じ。」
本当に楽しそうに笑っている。皆、良い笑顔だ。
お餅も好評で、女性もけっこう食べている。
しばらして、他の方が作業を代わってくれたのでOZのメンバーと一緒に餅を食べると
「浩司、俺は12個目だぜ。餅って美味いな。」
「美味いよな。俺は11個目。よしお代わりするか。」
俺とレオが呆れる中、ガラと浩司が食べた餅の数を競い始めた。
さすがに子供の体では5個も食べればお腹が一杯だ。
皆さんのお腹も膨れ、食べるペースが落ちてきた所で正月用の丸餅を作り始めると、それを見たメイドさん達が手伝いに入ってくれた。
普段キリっと仕事をしている姿しか見ていないが、こういう場では普通の女性だよな。
流行りの服や、小物、町で人気の店など、話が尽きない。
しかし、話に花を咲かせながらも手は止めないのはさすがだ。
おかげでテーブルの上に大量の丸餅が並んでいく。
それにしても、もち米の量が多過ぎたかな。男の方も食べるのは十分みたいだ。
一部、餅食い競争して胃薬のお世話になっている人達も居るが・・・
せっかくなので板状に延ばした餅も作る事にした。
後で、小さく切って揚げ餅にしよう。
そして最後の餅がつき終わり、餅つき大会は終了。
大量の餅が出来たが、皆で分けたら直ぐに無くなりそうだ。
餅つき大会はブルネリ公爵邸の方々には好評だったみたいで、来年もやりたいとの声が上がっている。
それならと、参考に今回使った道具一式を譲る事にした。
それを50人位の人が取り囲んでいる。
警備をしている人以外は全員集まっているそうだ。
話を聞いたピース医師や、トリス練成術師も来ている。
もち米が蒸し上がり、臼の中に入れる。
先ずは浩司とガラ、レオが手本を見せる。
ガラとレオが餅をつき、浩司が合いの手だ。
もち米を良く練り込んで、いよいよ本番だ
「よーっ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ・・・」
密かに練習していた成果もあり、良いペースで餅をついていく。
つきたての餅の出来上がりだ。
用意したテーブルに移して醤油で出来上がりを確認・・・おぉ、美味い。
今度は大根おろしでピリッと、最後はきな粉餅にして甘く
良い、出来立ての餅は美味すぎる。
『拓、味見も良いが周りを見た方がいいぞ。』
グリムに言われて周りを見ると、皆さんが俺を笑っている。
しまった、久しぶりの餅の誘惑に負けてしまった。
「ルドルフさん、確認しましたが良い出来です。早く皆さんに配りましょう。」
ルドルフ料理長が完全に呆れている。
餅を千切って皆に配り終えた所で、ブルネリ公爵の挨拶
「今配った食べ物は餅と言うらしい。若干先走った行為が有ったみたいだが皆で頂こう。」
笑いの中、皆が人生初の餅を食べていく。
「凄い伸びるわ」「これは面白い味だな」「この黄色いの、甘くて美味しい」
なかなか好評の様だ。
「皆さん、初めて食べるのに物怖じしませんね。」
俺の言葉にルドルフ料理長が溜息をつきながら
「目の前で、あんなに美味そうに食べられたら物怖じするかよ。」
「あっ、俺の作戦通りって事ですね。」
「・・・」
ルドルフ料理長の視線が痛い。
「次の餅つきを開始した方が良いですよね…では、蒸したもち米をセッティングしてきます。」
逃げるが勝ちだ。
杵と臼は3セット用意した。
体を鍛えた兵士が何人もいるので人手は十分。それに皆さん、早く餅つきをやりたいみたいだ。
掛け声と共に、餅つきが始った。
「拓殿、今日はありがとう。この様な機会はなかなか無く、皆楽しそうだ。」
ブルネリ公爵が俺の隣に来て、嬉しそうに餅つきを眺めていた。
「こちらこそ、餅が食べれて大満足です。
やはり、イベント事は楽しいですよ。良いですね、この感じ。」
本当に楽しそうに笑っている。皆、良い笑顔だ。
お餅も好評で、女性もけっこう食べている。
しばらして、他の方が作業を代わってくれたのでOZのメンバーと一緒に餅を食べると
「浩司、俺は12個目だぜ。餅って美味いな。」
「美味いよな。俺は11個目。よしお代わりするか。」
俺とレオが呆れる中、ガラと浩司が食べた餅の数を競い始めた。
さすがに子供の体では5個も食べればお腹が一杯だ。
皆さんのお腹も膨れ、食べるペースが落ちてきた所で正月用の丸餅を作り始めると、それを見たメイドさん達が手伝いに入ってくれた。
普段キリっと仕事をしている姿しか見ていないが、こういう場では普通の女性だよな。
流行りの服や、小物、町で人気の店など、話が尽きない。
しかし、話に花を咲かせながらも手は止めないのはさすがだ。
おかげでテーブルの上に大量の丸餅が並んでいく。
それにしても、もち米の量が多過ぎたかな。男の方も食べるのは十分みたいだ。
一部、餅食い競争して胃薬のお世話になっている人達も居るが・・・
せっかくなので板状に延ばした餅も作る事にした。
後で、小さく切って揚げ餅にしよう。
そして最後の餅がつき終わり、餅つき大会は終了。
大量の餅が出来たが、皆で分けたら直ぐに無くなりそうだ。
餅つき大会はブルネリ公爵邸の方々には好評だったみたいで、来年もやりたいとの声が上がっている。
それならと、参考に今回使った道具一式を譲る事にした。
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