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079情けは人の為ならず
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向こうも俺達が誰か気が付いたみたいだ。
「糞ガキ、死にてぇのか。早く逃げろ。」
俺達が戦おうとしているのを見て、舌打ちをしつつ逃げるのを止めてタランキュラスに向かって剣を構えた。
「いくぞ、ロックランス」
4体のタランキュラスを下から黒い岩の槍が突き刺す。
闇の魔力で覆う事で不意打ちに成功した。
ガラ、レオ、アルさんが止めを刺しに動き出す。
タランキュラスが打ち出す糸はシールドで防いでいく。
「ダークバインド」
魔獣の動きを完全に封じ込め3人が止めを刺していく。
その間、浩司とダリウスさんは風魔法で他のタランキュラスを牽制
タランキュラスは魔法感知力が高く、普通の魔法攻撃では避けられてしまうが近寄らない様には阻止で来ている。
「浩司、残りのタランキュラスを一気に誘き出せるか。」
「任せろ、ウォーターアロー」
浩司の周辺に水の矢が現れ、タランキュラスの後方を襲う。
それを避ける様に街道に姿を現した残りの6体。
一気にダークバインドで抑え込んだ所を全員で止めを刺していく。
逃げてきた奴等は武器を構えてはいたが、何も出来ずに見ていただけだった。
「このタランキュラスの素材は俺達がもらうが良いな。」
ガラの言葉に力無く頷いていた。
「助かった。この借りは必ず返す。」
屑が何を言ってるんだ。
ガラが俺を見て、苦笑しながら背中を押してきた。
言っても良いのか。ガラが俺を促す。
「Fランクに助けられる程度の冒険者に何が返せる。」
「それは・・・」
「魔法が使える程度で勘違いしている奴等に何ができる。」
「・・・」
「お前達に返せる物なんて何も無いよ。この借りは他の獣人に回せよ。」
「どういう事だ。」
「俺の住んでいた所には”情けは人の為ならず”という言葉が有る。
他人に情けを掛ける事は、巡り巡って自分に返ってくるって意味なんだが
お前達が俺達に直接借りを返すより、その方がマシだろ。」
「俺達が守るかどうかなんて分からないだろ。」
「守らなかったら、その程度の奴等ってだけの事だろ。その前に、借りを回す勇気が有っての話だけどな。」
何も言い返さず、俺達に頭を下げてラグテルの町の方へ帰って行った。
エチゴさんとの話し合いで、素材は頭割することにした。
タランキュラスの肉を前にエチゴさんは本当に嬉しそうだ。
魔獣に襲われる事も無くラグテルの町に着き、エチゴ屋で素材を買い取ってもらってから家に帰った。
「やっぱり、家って落ち着くな。」
ソファーに横になってくつろぐ。
旅も良いけど、テント生活が長いと疲れが溜まる。
もっと快適に過ごす為に改善する必要があるな。
遺跡の備品もどうにかしないと。
作りたい魔道具もあるし、やりたい事が多い。
「やっと家に帰って来たのに、難しい顔をしてどうした。」
浩司がキスをしてくる。
ガラとレオは食料を買い出しに行ったそうだ。
家に2人っきりか。そう考えると緊張してきた。
浩司も急に赤くなって、黙ってしまった。凄く可愛い。
もう一度キスをしようと顔を近づけていくと
「客を連れて来たぞ。」
ガラとレオが帰って来てしまう。
浩司と2人で溜息をつきながら玄関に向かうと孤児院の子が柿を持ってきてくれた。
渋柿の渋みが抜けて、丁度いい出来上がりだった。
俺達が帰って来たのを知って、直ぐに届けに来てくれたみたいだ。
何時もの猫耳の女の子が居ないので聞くと、足首を捻挫してしまい身動きが取れないらしい。
治療ついでに孤児院で夕食をとり、食後に皆と遊んで帰ってきた時には旅の疲れもあり直ぐに寝てしまった。
浩司といちゃつきたかったのに、睡眠欲に勝てないこの体・・・
「糞ガキ、死にてぇのか。早く逃げろ。」
俺達が戦おうとしているのを見て、舌打ちをしつつ逃げるのを止めてタランキュラスに向かって剣を構えた。
「いくぞ、ロックランス」
4体のタランキュラスを下から黒い岩の槍が突き刺す。
闇の魔力で覆う事で不意打ちに成功した。
ガラ、レオ、アルさんが止めを刺しに動き出す。
タランキュラスが打ち出す糸はシールドで防いでいく。
「ダークバインド」
魔獣の動きを完全に封じ込め3人が止めを刺していく。
その間、浩司とダリウスさんは風魔法で他のタランキュラスを牽制
タランキュラスは魔法感知力が高く、普通の魔法攻撃では避けられてしまうが近寄らない様には阻止で来ている。
「浩司、残りのタランキュラスを一気に誘き出せるか。」
「任せろ、ウォーターアロー」
浩司の周辺に水の矢が現れ、タランキュラスの後方を襲う。
それを避ける様に街道に姿を現した残りの6体。
一気にダークバインドで抑え込んだ所を全員で止めを刺していく。
逃げてきた奴等は武器を構えてはいたが、何も出来ずに見ていただけだった。
「このタランキュラスの素材は俺達がもらうが良いな。」
ガラの言葉に力無く頷いていた。
「助かった。この借りは必ず返す。」
屑が何を言ってるんだ。
ガラが俺を見て、苦笑しながら背中を押してきた。
言っても良いのか。ガラが俺を促す。
「Fランクに助けられる程度の冒険者に何が返せる。」
「それは・・・」
「魔法が使える程度で勘違いしている奴等に何ができる。」
「・・・」
「お前達に返せる物なんて何も無いよ。この借りは他の獣人に回せよ。」
「どういう事だ。」
「俺の住んでいた所には”情けは人の為ならず”という言葉が有る。
他人に情けを掛ける事は、巡り巡って自分に返ってくるって意味なんだが
お前達が俺達に直接借りを返すより、その方がマシだろ。」
「俺達が守るかどうかなんて分からないだろ。」
「守らなかったら、その程度の奴等ってだけの事だろ。その前に、借りを回す勇気が有っての話だけどな。」
何も言い返さず、俺達に頭を下げてラグテルの町の方へ帰って行った。
エチゴさんとの話し合いで、素材は頭割することにした。
タランキュラスの肉を前にエチゴさんは本当に嬉しそうだ。
魔獣に襲われる事も無くラグテルの町に着き、エチゴ屋で素材を買い取ってもらってから家に帰った。
「やっぱり、家って落ち着くな。」
ソファーに横になってくつろぐ。
旅も良いけど、テント生活が長いと疲れが溜まる。
もっと快適に過ごす為に改善する必要があるな。
遺跡の備品もどうにかしないと。
作りたい魔道具もあるし、やりたい事が多い。
「やっと家に帰って来たのに、難しい顔をしてどうした。」
浩司がキスをしてくる。
ガラとレオは食料を買い出しに行ったそうだ。
家に2人っきりか。そう考えると緊張してきた。
浩司も急に赤くなって、黙ってしまった。凄く可愛い。
もう一度キスをしようと顔を近づけていくと
「客を連れて来たぞ。」
ガラとレオが帰って来てしまう。
浩司と2人で溜息をつきながら玄関に向かうと孤児院の子が柿を持ってきてくれた。
渋柿の渋みが抜けて、丁度いい出来上がりだった。
俺達が帰って来たのを知って、直ぐに届けに来てくれたみたいだ。
何時もの猫耳の女の子が居ないので聞くと、足首を捻挫してしまい身動きが取れないらしい。
治療ついでに孤児院で夕食をとり、食後に皆と遊んで帰ってきた時には旅の疲れもあり直ぐに寝てしまった。
浩司といちゃつきたかったのに、睡眠欲に勝てないこの体・・・
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