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076古傷

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俺達は、エチゴさんの当初の予定通り明後日の出発となった。
エチゴさんが同じ宿に部屋を取ってくれ夕食まで部屋で休むことにした。
時間が出来たのでアルさんの回復状態を確認する。
一応、後遺症が心配なので服を脱いでもらい詳細に調べる事にした。
決して、自分の欲望による行為ではない。
その証拠に完全に裸にせず、褌も付けたままになっている。
浩司もしっかり立ち会っているし・・・
ただ、俺としては褌姿も色っぽくて良いのだが。

「右腕と左足付け根、同じく左足付け根の裏側にダメージが残っているみたいだけど、他は治っているみたいですね。」
「それは、古傷だ。昔、1人で冒険者をやっていた時に無茶してたからな。」

『拓、あの薬では古傷までは治らんぞ。多分、これが限界じゃ。』

「だとすると、もう完治したって事か。」

更に念入りに確認をしたが他には異常は見られない。
確か10日もあれば動けるようになるが、完全に体調がもどるまでには1ヶ月以上はかかると聞いていたんだが。

「って言うと、今夜は酒解禁か。やったぜ。拓さん、本当にありがとうございました。」

ガッツポーズまでして何とも嬉しそうだ。

「あれだけのケガがもう治っているなんて、獣人の回復力って凄いな。」
「アルの回復力は凄いか・・・ちがいない。でも拓さんの薬と回復魔法の方が凄いんですよ。」
「えっ?」

ダリウスさんは俺の反応に苦笑いをしつつも、アルさんに憎まれ口を叩きながら完治を喜んでいた。
だとしても、古傷が痛むのではないだろうか。聞いてみると

「確かに動きによっては痛みは有りますがね、もう慣れました。」

との事。アルさんを見ていると、無茶をしてそうだしな。

『古い傷ほど治すのが難しく、大量の魔力を必要とする。しかし拓なら直せるかもしれんぞ。』

喜んでいるアルさんに、古傷の治療について話し、試してみる事になった。
症状が酷い、左足付け根から対応する。
場所が足の付け根なので褌も外してもらう。
流石に、アルさんが恥ずかしいと思い、他の人には部屋から出てもらった。
しかし、改めて間近でじっくり見ると立派だ。
獣人は他にレオのしか見たことがないが、獣人は全員立派なのだろうか?

「拓さん、今までずっとある痛みだ。治んなくても今更なんで気楽にやって下さい。」

『悪化する事は無い。気負わず試せば良い。拓なら大丈夫じゃ。』

俺が妄想に浸っているのを、治療を躊躇っていると思ってくれたみたいだ。
手を滑らせて触る位したいが、信用されてしまうと馬鹿な事は出来ない。
頭から欲望を捨て、真面目に魔力を込めてアルさんに治癒魔法を掛ける。
大量の魔力を込めると、少しづつ治っていく。
何とか治癒魔法を終えると、アルさんが立ち上がり動いて左足の確認を始めた。

「凄げぇ、今まで有った痛みが全くねぇ。拓さん、本当にありがとうございます。」

俺の目の前で素っ裸で跳ねまわられると、立派な物が揺れて目の毒だ。
外に待機している浩司の手前、服を着てもらい皆を部屋の中に入れたて状態を説明した。
かなりの魔力を消費する為、残りの治療はラグテルの町に帰って行う事を伝えると、

「拓さん、宿泊を延長するので、アルの古傷の治療をして頂けないでしょうか。」

エチゴさんに頼まれ、次の日に残りの古傷もまとめて治療した。
ラグテルの町に帰ったら、ガラとレオに古傷が無いか確認する事にしよう。
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