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062黒いオーラ
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問題事が一気に片付いたら安心して欠伸が・・・眠くなってしまった。
「これは申し訳なかった。あれだけの魔法を使って疲れていない訳が無いな。
ありがとうございました。後は我々の仕事だ。ゆっくりと休んで欲しい。」
ブルネリ公爵に気を使ってもらいテントに戻ろうとすると
「ところで拓ちゃん、私が王女だと何時気が付いたの。」
サリナ姫が爽やかな笑顔なのに黒いオーラを纏って話しかけてきた。
「えっ、初めに王女と自己紹介してくれたじゃないですか。」
「あれは冗談だと思ったんじゃなかったの。」
「いえ、サリナ姫の言葉にバラン将軍が緊張していたので、合わせただけですよ。」
そのとたん、またしてもサリナ姫のチョップが俺の頭を襲う。
「じゃあ、あの時の『残念なイメージかな』『だと思った。いくら何でもね』は知ってた上で言ったのね。」
これは俺のモノマネなのか。確かにそんな事を言った様な気がする。
気まずくなりサリナ姫から視線をそらすと、バラン将軍が笑っているのが見えた。
バラン将軍はサリナ姫に睨まれると、急に顔を引き締め素知らぬふりをしてアークのメンバーに話し始める。
《えっ、何それ。笑うだけ笑って逃げるな。卑怯者。裏切り者。》
「まぁ、良いわ。公式の場で無い所で私の事を姫と呼ぶのを止めるなら許してあげる。」
「サリナ様らしいですな。ですが拓殿も疲れているので、そろそろ解放してあげてはどうですか。」
「ありがとうございます。ブルネリ公爵」
思わず、ブルネリ公爵に礼を言ってしまった。
「私も、公式の場でなければ、称号を付ける必要はない。」
「はい、ではサリナお姉さん、ブルネリさん、お休みなさい。」
別れてテントに戻ると、そのまま寝てしまった。
******(ブルネリ公爵)
「何が『ありがとうございます。ブルネリ公爵』よ。
まるで、私が無理やり付き合わせていたようなセリフじゃない。」
テントに帰っていく姿を見送りながら、サリナ姫が愚痴をこぼしていた。
私は、そんな姫の姿を見て微笑んでしまう。
普段、王室での姿を見ているだけに、彼等の様に気の置けない相手が出来た事を嬉しく思っていた。
ただ、拓殿がサリナ姫の事を子扱いをしている気がするが…
サリナ姫にも年上の自覚は有るのは分るが、彼の言う通り残念なのだろう。
「どうしました。ずいぶんと楽しそうですね。
それにしても、拓ちゃんは自分が行った事の凄さを分っているのかしら?」
「多分、分っていないでしょう。そう言えば、占いが示した運命の相手が見つかりましたな。」
「もしかして、彼ですか。」
「いえ、彼等でしょう。特に拓殿と浩司殿は面白い。
普通なら王族や貴族と聞けば恐れたりするが、彼らにとっては、ただの敬称でしかないみたいだ。」
王族、貴族と聞いて媚びたり、恐怖したりする人は多いが、あの2人の態度は変わらなかった。
「私達が狙われていた理由を説明した方が良いですよね。」
「巻き込んでしまった以上、その方が良いかと。」
「今回の襲撃、バラキエ侯爵が絡んでいると思いますか。」
「証拠が無い事は言わない方が良いでしょう。」
「そうですよね。さて私も頑張るか。拓ちゃんに守られていては年上の示しがつかないですし。」
サリナ姫同様、私も頑張らないといけないな。
あの襲撃に対する拓殿の対応は見事だった。
私は潜伏に気付くことすら出来なかった。
爆風の魔道師と呼ばれて来たが、私もまだまだの様だ。
「サリナ様、食事でもどうです。安心したらお腹が空いてしまいました。」
「実は、私もです。」
お腹をさするサリナ姫を見て、笑いながら食事の指示をだしていく。
「これは申し訳なかった。あれだけの魔法を使って疲れていない訳が無いな。
ありがとうございました。後は我々の仕事だ。ゆっくりと休んで欲しい。」
ブルネリ公爵に気を使ってもらいテントに戻ろうとすると
「ところで拓ちゃん、私が王女だと何時気が付いたの。」
サリナ姫が爽やかな笑顔なのに黒いオーラを纏って話しかけてきた。
「えっ、初めに王女と自己紹介してくれたじゃないですか。」
「あれは冗談だと思ったんじゃなかったの。」
「いえ、サリナ姫の言葉にバラン将軍が緊張していたので、合わせただけですよ。」
そのとたん、またしてもサリナ姫のチョップが俺の頭を襲う。
「じゃあ、あの時の『残念なイメージかな』『だと思った。いくら何でもね』は知ってた上で言ったのね。」
これは俺のモノマネなのか。確かにそんな事を言った様な気がする。
気まずくなりサリナ姫から視線をそらすと、バラン将軍が笑っているのが見えた。
バラン将軍はサリナ姫に睨まれると、急に顔を引き締め素知らぬふりをしてアークのメンバーに話し始める。
《えっ、何それ。笑うだけ笑って逃げるな。卑怯者。裏切り者。》
「まぁ、良いわ。公式の場で無い所で私の事を姫と呼ぶのを止めるなら許してあげる。」
「サリナ様らしいですな。ですが拓殿も疲れているので、そろそろ解放してあげてはどうですか。」
「ありがとうございます。ブルネリ公爵」
思わず、ブルネリ公爵に礼を言ってしまった。
「私も、公式の場でなければ、称号を付ける必要はない。」
「はい、ではサリナお姉さん、ブルネリさん、お休みなさい。」
別れてテントに戻ると、そのまま寝てしまった。
******(ブルネリ公爵)
「何が『ありがとうございます。ブルネリ公爵』よ。
まるで、私が無理やり付き合わせていたようなセリフじゃない。」
テントに帰っていく姿を見送りながら、サリナ姫が愚痴をこぼしていた。
私は、そんな姫の姿を見て微笑んでしまう。
普段、王室での姿を見ているだけに、彼等の様に気の置けない相手が出来た事を嬉しく思っていた。
ただ、拓殿がサリナ姫の事を子扱いをしている気がするが…
サリナ姫にも年上の自覚は有るのは分るが、彼の言う通り残念なのだろう。
「どうしました。ずいぶんと楽しそうですね。
それにしても、拓ちゃんは自分が行った事の凄さを分っているのかしら?」
「多分、分っていないでしょう。そう言えば、占いが示した運命の相手が見つかりましたな。」
「もしかして、彼ですか。」
「いえ、彼等でしょう。特に拓殿と浩司殿は面白い。
普通なら王族や貴族と聞けば恐れたりするが、彼らにとっては、ただの敬称でしかないみたいだ。」
王族、貴族と聞いて媚びたり、恐怖したりする人は多いが、あの2人の態度は変わらなかった。
「私達が狙われていた理由を説明した方が良いですよね。」
「巻き込んでしまった以上、その方が良いかと。」
「今回の襲撃、バラキエ侯爵が絡んでいると思いますか。」
「証拠が無い事は言わない方が良いでしょう。」
「そうですよね。さて私も頑張るか。拓ちゃんに守られていては年上の示しがつかないですし。」
サリナ姫同様、私も頑張らないといけないな。
あの襲撃に対する拓殿の対応は見事だった。
私は潜伏に気付くことすら出来なかった。
爆風の魔道師と呼ばれて来たが、私もまだまだの様だ。
「サリナ様、食事でもどうです。安心したらお腹が空いてしまいました。」
「実は、私もです。」
お腹をさするサリナ姫を見て、笑いながら食事の指示をだしていく。
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