47 / 759
047後始末
しおりを挟む
ケーマが居なくなったので、アドニスさんに午前中に行った洞窟の話をすることに
「つまり、洞窟の奥に昔の建物が埋もれているかも知れないのか。
それにしてもケーマに話さないで、何故ここで話しているんだ?」
「勇者の遺跡に群がる人達が居ると聞いていたので、ケーマが知っていると危険かも知れないと思ったからです。」
「そうか、確かに…。正直、この遺跡にも多くの人が来て、一時期は治安も悪化した。
OZの皆さんは、あの入口を塞ぐことができるか?」
「何故ですか?」
「今更、余計な騒ぎは村にとって良い事は無い。
入口を塞いでしまえばケーマも何もない洞窟だったと思い、そのうち忘れてしまうと思う。」
ガラに目配せをすると、意図を理解してくれたのか話を引き継いてくれた。
「村の人に話す必要はありませんか。」
「村の中で騒動が起こる。後で村長には話しておく。」
「分りました。私達で洞窟を崩せるか試してみます。」
次の日は、ケーマに朝から周辺の森を案内してもらった。
自分の庭と自負しているだけあり何処に何が有るのか詳しく、色々な食材や薬草を集める事が出来た。
面白いのは、臭の実と獣寄せの実
臭の実は、磨り潰して取り出した汁を2、3日放置すると、臭いがきつくなり体に付いたら1週間は取れない。
獣寄せの実は、汁に文字通り獣を寄せ付ける匂いが有る。臭の実のキツイ臭いが混じっても効果は変わらない。
個人的には、二日酔いが酷くなる様な薬草か木の実が欲しかったが、そんな物は知らないそうだ。
「何で、そんな薬を欲しがるんだよ。」
ケーマが俺の事を怪しげな感じで見てくる。
「ん~、ちょっと浩司とガラに飲ませてみたいと思って。
いや、俺はお酒を美味しそうに見せびらかしながら飲んでるのを妬んでいる訳ではないし。
あれだけ飲んでもケロッとしている姿にイラッとしている訳でもないよ。
そう、お酒の飲み過ぎは良くないと教えてあげようかと…」
「拓って危ないよな。知らないで良かった。」
「俺の優しさが分らないケーマに問題があると思うよ。」
「・・・さて、そろそろ戻るか。残念だけど、昼を食べたら家に帰らないといけないしな。」
「何で、俺の話を流すんだよ。でも、もう帰る時間か。ずいぶん早かったな。」
ケーマが親に許可してもらったのは2泊3日。お昼と食べ終わると、
「絶対 帰る前に村に寄れよな。」
そう言って、アドニスさんと一緒に村に帰った。
ケーマ達と別れた後、俺達はケーマが見つけた洞窟にやって来た。
洞窟を崩すのは俺の土魔法でどうにでもなるとして
「せっかくだから崩す前に、遺跡探検をしてみないか。」
入口を土魔法で皆が通れる位まで広げ、魔道具の灯りを頼りに全員で洞窟に入っていった。
中に入ってしまえば、高さは無いが大人でも問題無く通れる広さだ。
「ほら、この足元なんて土をかぶっているけど舗装された道だよ。
そして、人工物と思われる空間はこの先。」
崩れて来ないよう、壁を固めながらゆっくりと土魔法を使って掘り進んで行く。
そして、土の先に壁が現れた。
「「勇者の遺跡と同じ白い壁だ。」」
「つまり、洞窟の奥に昔の建物が埋もれているかも知れないのか。
それにしてもケーマに話さないで、何故ここで話しているんだ?」
「勇者の遺跡に群がる人達が居ると聞いていたので、ケーマが知っていると危険かも知れないと思ったからです。」
「そうか、確かに…。正直、この遺跡にも多くの人が来て、一時期は治安も悪化した。
OZの皆さんは、あの入口を塞ぐことができるか?」
「何故ですか?」
「今更、余計な騒ぎは村にとって良い事は無い。
入口を塞いでしまえばケーマも何もない洞窟だったと思い、そのうち忘れてしまうと思う。」
ガラに目配せをすると、意図を理解してくれたのか話を引き継いてくれた。
「村の人に話す必要はありませんか。」
「村の中で騒動が起こる。後で村長には話しておく。」
「分りました。私達で洞窟を崩せるか試してみます。」
次の日は、ケーマに朝から周辺の森を案内してもらった。
自分の庭と自負しているだけあり何処に何が有るのか詳しく、色々な食材や薬草を集める事が出来た。
面白いのは、臭の実と獣寄せの実
臭の実は、磨り潰して取り出した汁を2、3日放置すると、臭いがきつくなり体に付いたら1週間は取れない。
獣寄せの実は、汁に文字通り獣を寄せ付ける匂いが有る。臭の実のキツイ臭いが混じっても効果は変わらない。
個人的には、二日酔いが酷くなる様な薬草か木の実が欲しかったが、そんな物は知らないそうだ。
「何で、そんな薬を欲しがるんだよ。」
ケーマが俺の事を怪しげな感じで見てくる。
「ん~、ちょっと浩司とガラに飲ませてみたいと思って。
いや、俺はお酒を美味しそうに見せびらかしながら飲んでるのを妬んでいる訳ではないし。
あれだけ飲んでもケロッとしている姿にイラッとしている訳でもないよ。
そう、お酒の飲み過ぎは良くないと教えてあげようかと…」
「拓って危ないよな。知らないで良かった。」
「俺の優しさが分らないケーマに問題があると思うよ。」
「・・・さて、そろそろ戻るか。残念だけど、昼を食べたら家に帰らないといけないしな。」
「何で、俺の話を流すんだよ。でも、もう帰る時間か。ずいぶん早かったな。」
ケーマが親に許可してもらったのは2泊3日。お昼と食べ終わると、
「絶対 帰る前に村に寄れよな。」
そう言って、アドニスさんと一緒に村に帰った。
ケーマ達と別れた後、俺達はケーマが見つけた洞窟にやって来た。
洞窟を崩すのは俺の土魔法でどうにでもなるとして
「せっかくだから崩す前に、遺跡探検をしてみないか。」
入口を土魔法で皆が通れる位まで広げ、魔道具の灯りを頼りに全員で洞窟に入っていった。
中に入ってしまえば、高さは無いが大人でも問題無く通れる広さだ。
「ほら、この足元なんて土をかぶっているけど舗装された道だよ。
そして、人工物と思われる空間はこの先。」
崩れて来ないよう、壁を固めながらゆっくりと土魔法を使って掘り進んで行く。
そして、土の先に壁が現れた。
「「勇者の遺跡と同じ白い壁だ。」」
29
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界を服従して征く俺の物語!!
ネコのうた
ファンタジー
日本のとある高校生たちが異世界に召喚されました。
高1で15歳の主人公は弱キャラだったものの、ある存在と融合して力を得ます。
様々なスキルや魔法を用いて、人族や魔族を時に服従させ時に殲滅していく、といったストーリーです。
なかには一筋縄ではいかない強敵たちもいて・・・・?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる