異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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047後始末

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ケーマが居なくなったので、アドニスさんに午前中に行った洞窟の話をすることに

「つまり、洞窟の奥に昔の建物が埋もれているかも知れないのか。
 それにしてもケーマに話さないで、何故ここで話しているんだ?」
「勇者の遺跡に群がる人達が居ると聞いていたので、ケーマが知っていると危険かも知れないと思ったからです。」
「そうか、確かに…。正直、この遺跡にも多くの人が来て、一時期は治安も悪化した。
 OZの皆さんは、あの入口を塞ぐことができるか?」
「何故ですか?」
「今更、余計な騒ぎは村にとって良い事は無い。
 入口を塞いでしまえばケーマも何もない洞窟だったと思い、そのうち忘れてしまうと思う。」

ガラに目配せをすると、意図を理解してくれたのか話を引き継いてくれた。

「村の人に話す必要はありませんか。」
「村の中で騒動が起こる。後で村長には話しておく。」
「分りました。私達で洞窟を崩せるか試してみます。」

次の日は、ケーマに朝から周辺の森を案内してもらった。
自分の庭と自負しているだけあり何処に何が有るのか詳しく、色々な食材や薬草を集める事が出来た。
面白いのは、臭の実と獣寄せの実
臭の実は、磨り潰して取り出した汁を2、3日放置すると、臭いがきつくなり体に付いたら1週間は取れない。
獣寄せの実は、汁に文字通り獣を寄せ付ける匂いが有る。臭の実のキツイ臭いが混じっても効果は変わらない。
個人的には、二日酔いが酷くなる様な薬草か木の実が欲しかったが、そんな物は知らないそうだ。

「何で、そんな薬を欲しがるんだよ。」

ケーマが俺の事を怪しげな感じで見てくる。

「ん~、ちょっと浩司とガラに飲ませてみたいと思って。
 いや、俺はお酒を美味しそうに見せびらかしながら飲んでるのを妬んでいる訳ではないし。
 あれだけ飲んでもケロッとしている姿にイラッとしている訳でもないよ。
 そう、お酒の飲み過ぎは良くないと教えてあげようかと…」
「拓って危ないよな。知らないで良かった。」
「俺の優しさが分らないケーマに問題があると思うよ。」
「・・・さて、そろそろ戻るか。残念だけど、昼を食べたら家に帰らないといけないしな。」
「何で、俺の話を流すんだよ。でも、もう帰る時間か。ずいぶん早かったな。」

ケーマが親に許可してもらったのは2泊3日。お昼と食べ終わると、

「絶対 帰る前に村に寄れよな。」

そう言って、アドニスさんと一緒に村に帰った。

ケーマ達と別れた後、俺達はケーマが見つけた洞窟にやって来た。
洞窟を崩すのは俺の土魔法でどうにでもなるとして

「せっかくだから崩す前に、遺跡探検をしてみないか。」

入口を土魔法で皆が通れる位まで広げ、魔道具の灯りを頼りに全員で洞窟に入っていった。
中に入ってしまえば、高さは無いが大人でも問題無く通れる広さだ。

「ほら、この足元なんて土をかぶっているけど舗装された道だよ。
 そして、人工物と思われる空間はこの先。」

崩れて来ないよう、壁を固めながらゆっくりと土魔法を使って掘り進んで行く。
そして、土の先に壁が現れた。

「「勇者の遺跡と同じ白い壁だ。」」
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