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045洞窟

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寝坊をした。
俺が起きた時には、全員朝食を食べ終わった後だった。

「おはよう。何で誰も起こしてくれなかったんだよ。」
「拓ちゃんが幸せそうに寝ていたから、そっとしておいたんだよ。」

浩司の言葉に、全員笑っていた。
俺の食事を待ってケーマに連れてきてもらったのは、遺跡の東1キロ外れた崖になっている場所で、
上からみても分からない所に子供が通れる位の亀裂があった。

「よくも、こんな場所を見つけたものだ。」

アドニスさんが呆れていた。ここを通れるのはケーマと俺だけだな。
探索魔法で内部を調べてみたが、特に生物の気配はない。

「ここは、ケーマと俺の2人で探検するしかないな。でかい諸君、吉報を待つがいい。」
「もしかして、拓って小さい事を気にしているのか?」
「俺は、拓ちゃんは可愛くて良いと思うぞ。」
「大きければ良いってもんじゃないしな。」

大きい奴には分るまい。毎日牛乳を飲んでも背が伸びない残念さを。

「なんとでも言ってろ。じゃ、冒険に行ってくるよ。」

魔道具のランタンに明かりを灯し亀裂の中に入っていく。

「箱を見つけたのはこの辺だ。」

入口から少し奥に入った所だった。
ケーマは光魔法を使えないため、これ以上奥には進めなかったそうだ。
側面は大きな壁が倒れて丁度屋根の様になっている。
更に進んで行くと足元が痛んでいるが、舗装された跡の様だ。
そして30mの所で岩で行き止まりになっている。
途中、何も見つけられた物は無かった。

『拓よ、ここは道の様じゃな。岩の先を探索する事はできないか?』

確かにグリムの言う通り道で間違いないと思う。そうすると、この先に何か在ってもおかしくない。

ランタンを床に置いて壁に両手をつき、土魔法で探索を行ってみた。
初めて行う探索魔法で、何となくの感覚でしかないが岩の奥に空間を発見。
それも、平面の人工的な感じ・・・この状況だと建物の可能性が高い。
距離にして4-5m先か。

「あ~ぁ、大発見が有ると思っていたのに。残念だぜ。」

どこかに更に奥へ行く道が無いかを調べていたケーマがぼやいた。

「それにしても、どうやってこんな洞窟を見つけたんだ。あんな入口、普通なら見つからないだろ。」
「4年前に、凄い地震が有った後、ここで偶然崖の亀裂を見つけたんだよ。」
「それにしても、あの亀裂って上からも見えなかったし、良く分かったね。」
「怒られるから、アドニス兄ちゃんには言うなよ。
 遊んでたら地震で崖の縁がもろくなっていたみたいで崩れて落ちたんだよ。
 上る場所を探していた時に偶然 亀裂を見つけたんだ。」
「そうでもなければ、こんな場所は見つからないか。
 無事に帰ってこれて良かったね。ケーマ、どうする。とりあえず戻ろうか?」
「そうだな。遅くなると心配しそうだしな。」

外に残っていたメンバーは他に洞窟がないか調べていた様だ。
俺達が出てくると興味深げに寄って来たが、、新しい発見が無いと話すと残念がっていた。
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