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041苦悩を断ち切る
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「グリム、秘薬について聞きたいんだけど」
『何じゃ』
「アルさんの痛みが酷かったけど、薬が不完全という事はないか?」
『いや、元々あんな感じじゃ。回復魔法が無ければもっと酷かったぞ。
前にも言ったが、あの秘薬は最後の手段として使う物じゃ。
普通のとは違う。治すと言うより、命を維持する為の薬じゃからな。』
「そうか、後もう一つ。今まで、同じ魔力量でも攻撃魔法を使うと体への負担が大きかったが
浄化魔法ですらアンデットに使った時の方が負担が大きいのは何故だ?」
同じ魔力を使用しても、明らかに攻撃魔法の方が体への負担が多い。
その傾向は、浩司と比べても俺の方が顕著に表れる。
『拓自身の問題じゃな。お主が攻撃をするのを嫌がっているからじゃ。
しかし、確かに浩司と比べても負担が大きすぎる。
そこは、原因が分からんのじゃ。
子供の体の為か、異世界から来た影響か…』
この先、仲間の足を引っ張ることなくやっていけるのだろうか。
死んでいるゾンビ相手ですら、浄化を行ってあの状態だった。
『拓よ、浄化は死者を土に帰すものだ。
死んでも土に帰れず、この世をさまよい続ける苦悩を断ち切って欲しい。』
「苦悩?」
『そう、苦悩じゃ。炎で燃やすのでもなく、静かに眠らせてやれるのが浄化の魔法。
お主が使った光魔法は優しい光をしておったぞ。』
「少し自分に自信が持てそうだよ。ありがとう。」
『それだけの魔力を持っていて自信が無いか。
明日はエバの村へ行くのだろ。早く仕上げて寝ろ。』
「そうだね。さっさと仕上げるか。」
俺の魔力なんて運が良かっただけで何もしていない。
薬だってグリムの知識を形にしただけだ。
自信か、何とも掴み所の無いモノだな。
そんな事を考えながら魔道具を作り上げていく。
「拓ちゃん、お早う!良い天気だぞ。朝ごはんを食べに行こうぜ。」
浩司に起されたが、未だ眠り足りない。昨夜は少し夜更かしをしすぎたかな。
「ガラ、レオ。水筒を用意したから、朝から悪いけど所有者の縛りをかけさせてくれる。」
2人に昨夜完成させたマグタイプの水筒に血を付けてもらい、他の人が使えないよう所有者の縛りの魔法をかけた。
「その拡張した水筒は俺達のと同じミスリル製だからかなりの量が入るよ。
出発前に飲み水を入れておいてくれるかな。」
「ミスリル製とは贅沢だな。ありがとう、大切に使わせてもらう。」
「本当にありがとう。朝食を食べたら直ぐに水を入れるよ。」
食堂に行くと既にエチゴさん達が来ていて、俺達を待っていてくれた。
挨拶をして、さっそく朝食を受け取ると目玉焼きが付いている。
急いで部屋に戻ると、小瓶を錬成し昨日頂いた醤油を移した。
「やはり目玉焼きには醤油だよな。」
と浩司にも渡そうとすると、
「いや、俺は塩コショウ派だから。でも、コショウが高いんだよな。」
「確かに高いよね。代わりに柚子胡椒なら作れるよ。まぁ別物だけどね。」
「そうなのか」
「柚子の皮と果汁と唐辛子を磨り潰せば出来ると思った。」
「柚子胡椒なのに胡椒は使っていないのか。それなら作ろうぜ。あの風味は好きなんだよな。」
この世界に来て、地味に頑張っているのが料理の改善。
スーパーで何でも簡単に手に入る世界が本当に懐かしい。
「お二人は本当に料理が好きなんですね。出来上がった時は、ぜひ私にも味見をさせてください。」
エチゴさんは優しい顔をしているのに、食べ物の事になると何故か圧迫感を覚えてしまう。
エチゴさん達に見送られ、俺達はエバの村へ出発した。
『何じゃ』
「アルさんの痛みが酷かったけど、薬が不完全という事はないか?」
『いや、元々あんな感じじゃ。回復魔法が無ければもっと酷かったぞ。
前にも言ったが、あの秘薬は最後の手段として使う物じゃ。
普通のとは違う。治すと言うより、命を維持する為の薬じゃからな。』
「そうか、後もう一つ。今まで、同じ魔力量でも攻撃魔法を使うと体への負担が大きかったが
浄化魔法ですらアンデットに使った時の方が負担が大きいのは何故だ?」
同じ魔力を使用しても、明らかに攻撃魔法の方が体への負担が多い。
その傾向は、浩司と比べても俺の方が顕著に表れる。
『拓自身の問題じゃな。お主が攻撃をするのを嫌がっているからじゃ。
しかし、確かに浩司と比べても負担が大きすぎる。
そこは、原因が分からんのじゃ。
子供の体の為か、異世界から来た影響か…』
この先、仲間の足を引っ張ることなくやっていけるのだろうか。
死んでいるゾンビ相手ですら、浄化を行ってあの状態だった。
『拓よ、浄化は死者を土に帰すものだ。
死んでも土に帰れず、この世をさまよい続ける苦悩を断ち切って欲しい。』
「苦悩?」
『そう、苦悩じゃ。炎で燃やすのでもなく、静かに眠らせてやれるのが浄化の魔法。
お主が使った光魔法は優しい光をしておったぞ。』
「少し自分に自信が持てそうだよ。ありがとう。」
『それだけの魔力を持っていて自信が無いか。
明日はエバの村へ行くのだろ。早く仕上げて寝ろ。』
「そうだね。さっさと仕上げるか。」
俺の魔力なんて運が良かっただけで何もしていない。
薬だってグリムの知識を形にしただけだ。
自信か、何とも掴み所の無いモノだな。
そんな事を考えながら魔道具を作り上げていく。
「拓ちゃん、お早う!良い天気だぞ。朝ごはんを食べに行こうぜ。」
浩司に起されたが、未だ眠り足りない。昨夜は少し夜更かしをしすぎたかな。
「ガラ、レオ。水筒を用意したから、朝から悪いけど所有者の縛りをかけさせてくれる。」
2人に昨夜完成させたマグタイプの水筒に血を付けてもらい、他の人が使えないよう所有者の縛りの魔法をかけた。
「その拡張した水筒は俺達のと同じミスリル製だからかなりの量が入るよ。
出発前に飲み水を入れておいてくれるかな。」
「ミスリル製とは贅沢だな。ありがとう、大切に使わせてもらう。」
「本当にありがとう。朝食を食べたら直ぐに水を入れるよ。」
食堂に行くと既にエチゴさん達が来ていて、俺達を待っていてくれた。
挨拶をして、さっそく朝食を受け取ると目玉焼きが付いている。
急いで部屋に戻ると、小瓶を錬成し昨日頂いた醤油を移した。
「やはり目玉焼きには醤油だよな。」
と浩司にも渡そうとすると、
「いや、俺は塩コショウ派だから。でも、コショウが高いんだよな。」
「確かに高いよね。代わりに柚子胡椒なら作れるよ。まぁ別物だけどね。」
「そうなのか」
「柚子の皮と果汁と唐辛子を磨り潰せば出来ると思った。」
「柚子胡椒なのに胡椒は使っていないのか。それなら作ろうぜ。あの風味は好きなんだよな。」
この世界に来て、地味に頑張っているのが料理の改善。
スーパーで何でも簡単に手に入る世界が本当に懐かしい。
「お二人は本当に料理が好きなんですね。出来上がった時は、ぜひ私にも味見をさせてください。」
エチゴさんは優しい顔をしているのに、食べ物の事になると何故か圧迫感を覚えてしまう。
エチゴさん達に見送られ、俺達はエバの村へ出発した。
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