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040清酒、醤油、みりん
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アルさんは未だ体にダルさが残っているが、動くのには問題無さそうだ。
エチゴさんは、この町の貴族にアンデットの件の報告をするので、俺達は町の散策をすることに。
エデンの広さはラグテルを同じくらいだろうか。
店頭に並ぶ商品もラグテルの町と差は無いが、獣人を拒否する店が少ないように思える。
食材を少し買い宿に帰ると既にエチゴさんが戻ってきていたので、そのまま夕食へ。
「今夜は楽しみにしてて下さい。約束通り、私のお勧めの店を紹介しますよ。」
案内されたのは、こじんまりとしているが感じの良い店。
既にダリウスさんが来ていて、店の前で俺達を待っていた。
「いらっしゃい。エチゴさんお待ちしておりました。奥の個室にどうぞ。」
エチゴさんが6人分のお酒と、1人分のジュースを頼もうとしたので
「アルさんは、後一ヶ月はお酒は禁止です。」
と言ってジュースを2人分に変更。
エッと驚いたアルさんの何とも寂しそうな顔に全員で笑ってしまう。
流石に、あれだけの大怪我をしたばかりで、酒を飲ます訳にはいかないだろう。
「では、こうして無事にたどり着いた事に乾杯。」
エチゴさんの音頭で乾杯をし、料理を頂くと懐かしい感じの味がする。
煮物が出てきた時には驚き、浩司と顔を見合せてしまった。
「浩司、醤油だ。この煮物に醤油が使ってある。」
「本当に醤油だ。じゃあ、こっちの料理にも。」
「そうだよ、これにも醤油が使われているんだ。
すみません、店員さん。この料理に使っている調味料を見せてもらう事はできますか。」
出てきたのは、懐かしい醤油だった。
そして、米から作ったお酒があると言うので期待して待っていると、出てきたのは清酒。
この世界で醤油と清酒に出会えるなんて奇跡だ。
店の方に確認をするとミリンも有ることが分かった。
醤油と清酒は一部の地域でしか使われてなく、一般的に流通はしていないらしい。
エチゴさんに店で販売してもらえないかお願いすると、笑いながらも2つ返事で承諾してくれた。
ただし、出来上がった料理を御馳走する事を条件に出されたが。
少しだけ浩司の清酒を飲ましてもらうとスッキリとした俺好みの味だ。
ついつい、浩司の手元の清酒を見てしまう。
「どうした拓ちゃん。そんなに俺の事が気になるのか…それにしても今日の料理には、この酒が合うな。」
わざとらしく俺の目の前に清酒をチラつかせながら美味しそうに飲んでいる。
他のメンバーはそれを見て笑うだけ。
なんて性格が悪い酔っ払いだ。ちくしょう、俺も飲みたい。
その内、酔っ払った浩司が俺を後ろから抱えて飲み始めた。
「浩司、この腕をどかしてくれない。料理が食べにくいんだけど。」
「拓ちゃんって姪っ子みたいで抱き心地が良いよな。もう少し、この状態でいさせろよ。」
駄目だ、この酔っ払い。どかそうとすると頬ずりまでしてきやがって。
姪っ子は迷惑な叔父として認識していたに違いない。
俺はこの状態に溜息だけが出てきてしまう。
浩司の邪魔が入ったが、料理は和食の創作料理という感じで美味しかった。
エチゴさんにお礼を伝え、夕食はお開き。
楽しく飲んで宿に戻ると、エチゴさんから今回のお礼と言って清酒、醤油、ミリンを貰った。
店主に頼んで分けてもらったらしい。
「そんなに喜んでくれると、私としても嬉しいです。店の方でも用意しておきますね。」
喜ぶ俺達を見て約束をしてくれるエチゴさんに、改めて礼を言い部屋に戻った。
OZのメンバーだけになり、やっとグリムに話しかける事が出来る。
もっとも、OZのメンバーも飲み過ぎて既に熟睡しているが。
エチゴさんは、この町の貴族にアンデットの件の報告をするので、俺達は町の散策をすることに。
エデンの広さはラグテルを同じくらいだろうか。
店頭に並ぶ商品もラグテルの町と差は無いが、獣人を拒否する店が少ないように思える。
食材を少し買い宿に帰ると既にエチゴさんが戻ってきていたので、そのまま夕食へ。
「今夜は楽しみにしてて下さい。約束通り、私のお勧めの店を紹介しますよ。」
案内されたのは、こじんまりとしているが感じの良い店。
既にダリウスさんが来ていて、店の前で俺達を待っていた。
「いらっしゃい。エチゴさんお待ちしておりました。奥の個室にどうぞ。」
エチゴさんが6人分のお酒と、1人分のジュースを頼もうとしたので
「アルさんは、後一ヶ月はお酒は禁止です。」
と言ってジュースを2人分に変更。
エッと驚いたアルさんの何とも寂しそうな顔に全員で笑ってしまう。
流石に、あれだけの大怪我をしたばかりで、酒を飲ます訳にはいかないだろう。
「では、こうして無事にたどり着いた事に乾杯。」
エチゴさんの音頭で乾杯をし、料理を頂くと懐かしい感じの味がする。
煮物が出てきた時には驚き、浩司と顔を見合せてしまった。
「浩司、醤油だ。この煮物に醤油が使ってある。」
「本当に醤油だ。じゃあ、こっちの料理にも。」
「そうだよ、これにも醤油が使われているんだ。
すみません、店員さん。この料理に使っている調味料を見せてもらう事はできますか。」
出てきたのは、懐かしい醤油だった。
そして、米から作ったお酒があると言うので期待して待っていると、出てきたのは清酒。
この世界で醤油と清酒に出会えるなんて奇跡だ。
店の方に確認をするとミリンも有ることが分かった。
醤油と清酒は一部の地域でしか使われてなく、一般的に流通はしていないらしい。
エチゴさんに店で販売してもらえないかお願いすると、笑いながらも2つ返事で承諾してくれた。
ただし、出来上がった料理を御馳走する事を条件に出されたが。
少しだけ浩司の清酒を飲ましてもらうとスッキリとした俺好みの味だ。
ついつい、浩司の手元の清酒を見てしまう。
「どうした拓ちゃん。そんなに俺の事が気になるのか…それにしても今日の料理には、この酒が合うな。」
わざとらしく俺の目の前に清酒をチラつかせながら美味しそうに飲んでいる。
他のメンバーはそれを見て笑うだけ。
なんて性格が悪い酔っ払いだ。ちくしょう、俺も飲みたい。
その内、酔っ払った浩司が俺を後ろから抱えて飲み始めた。
「浩司、この腕をどかしてくれない。料理が食べにくいんだけど。」
「拓ちゃんって姪っ子みたいで抱き心地が良いよな。もう少し、この状態でいさせろよ。」
駄目だ、この酔っ払い。どかそうとすると頬ずりまでしてきやがって。
姪っ子は迷惑な叔父として認識していたに違いない。
俺はこの状態に溜息だけが出てきてしまう。
浩司の邪魔が入ったが、料理は和食の創作料理という感じで美味しかった。
エチゴさんにお礼を伝え、夕食はお開き。
楽しく飲んで宿に戻ると、エチゴさんから今回のお礼と言って清酒、醤油、ミリンを貰った。
店主に頼んで分けてもらったらしい。
「そんなに喜んでくれると、私としても嬉しいです。店の方でも用意しておきますね。」
喜ぶ俺達を見て約束をしてくれるエチゴさんに、改めて礼を言い部屋に戻った。
OZのメンバーだけになり、やっとグリムに話しかける事が出来る。
もっとも、OZのメンバーも飲み過ぎて既に熟睡しているが。
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