異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
19 / 761

019OZ

しおりを挟む
「では、新しいパーティーに乾杯!」

直ぐにパーティ登録を行い、発足祝いにを行うために居酒屋にいる。
ここは、獣人達が多く集まる店だそうだ。確かに客は圧倒的に獣人が多い。
店によっては獣人というだけで嫌がる所も少なく無いらしい。

改めて自己紹介をすると、ガラとレオは2人とも21歳だった。
獣人を見るのは初めてなので良く分からないが、ガラは30歳位だと思っていた。
年齢を聞いた時、思わず驚きを口に出してしまったが笑って許してくれた。
逆に2人は俺の見た目と中身にギャップを感じているそうだ。
実際に、中身は47歳で一番年上だから仕方ないだろう。

既に亡くなっているガラの父親は男爵だった。過去に手柄をたて貴族の称号をもらったそうだ。
但し、一代だけの称号で引き継ぐ事は無く、独り立ち出来るようにガラは父親に徹底的に剣術を叩き込まれたらしい。

レ「本当に良かったのか。俺なんかとパーティを組んで。」

拓「何言ってるの。それなら何で昨日パーティに誘ったんだよ。」

レ「それは、一緒に行動していて良いと思ったから…でも俺がいると足を引張る。」

拓「もしかして差別?バカバカしい。
  それに、別に勢いだけでパーティを組みたいと言った訳じゃない。
  2人とは気が合いそうだし、4人で戦った時のバランスも良いと思ったんだ。
  それに、2人と出会えたのも縁だと思う。」

浩「拓ちゃんの言う通りだ。攻撃パターンを増やせば、絶対に良いチームになる。
  人間は瞬発力、獣人は持久力を生かした戦い方を考えれば良い。
  それより、先ずはパーティ名を決めないか。」

拓「それなら”OZ(オズ)”っていうのは?」

ガ「OZってなんだ」

拓「竜巻に巻き込まれて知らない国にやって来た女の子が、そこで出会った仲間と一緒に冒険する物語のタイトル」

レ「仲間と一緒に冒険か…俺は気に入ったかな。」

ガ「女の子って言うのが引っかかるが、響きも良いな。」

浩「良いかもな、じゃあOZに決定だな。
  改めてOZに乾杯!」

全「「OZに乾杯」」

グ『儂の事は紹介してくれんのか?』

拓「あっ、紹介が遅れたけど実は仲間がもう一人居るんだ。」

ガ「その人は何処に居るんだ?」

拓「この腕輪の中。グリムって言うんだ。昔の魔導師の魂が宿ってる。
  俺達の師匠なんだ。
  グリムの声はガラやレオに通じないけど、2人の声はグリムに通じてるよ。」

レ「信じられないが、2人が言うなら本当なんだろう。」

ガ「そうだな。グリムも宜しくな。」

グ『任せるがいい。』

さあ、料理が来たぞ。
楽しみにしていた異世界料理
炒め物に煮物、そしてサラダにスープ
塩で味付けを行っただけで、不味くは無いが、凄く美味いとは言い難い。
しかし、凄い発見がった。
ふっくらとしたナンの様な物とチャーハンの様なのが出てきた。

「拓ちゃん、これって」
「柔らかいパンと米が有るんだ。」

思わず、浩司とハイタッチ。牛乳は有ることは確認できていたので一気に食生活が改善される。
後、醤油があれば大満足なんだけどな。
グリムの家に沢山あったので気にしなかったが、砂糖や胡椒は高級品らしい。
食材について色々と尋ねていると
明日はバザーが有るそうなので、連れて行ってもらう約束をした。
今日泊る宿を探そうとすると、同じチームなんだから一緒に来ないかと、ガラの家に泊まらせてもらう事になった。
親が残した財産で倉庫を購入したそうだ。
2人は一緒に住んでいて、家は町の東側で獣人達が多く住んでいる区域にあった。

「広いだけで何も無いが、作りはしっかりしてる。」

元々は穀物用の倉庫兼従業員の簡易宿泊所だった
この付近は農場だったらしいが、戦で畑が荒らされ、人々が住みつくようになり倉庫だけが取り残されたらしい。
1階は今は居間として使っていると言うが、端の方に台所と水回りがあり、広い空間にテーブルとイスがポツンと置いてあるだけだった。
2階は広い部屋が4つ。
従業員はここで集団生活でもしていたんだろう。
古いが中は奇麗にしてあり、元倉庫と言う事もあり建物自体もしっかり出来ている。ただ、広過ぎて寒々しい。。
周辺の道が狭く倉庫として使い難く、生活するには住みずらい。
壊すにしても頑丈で、放置すると浮浪者達の溜まり場になってしまう。
獣人達の住んでいる地区という事も有、格安物件だったらしい。
明日、2部屋を掃除すると言うので、今夜は一階で寝させてもらう。

広間にマットを取り出し横になると、浩司にギルドで喧嘩を売った事を謝った。

「何を言ってるんだよ。言い足らない位だ。」

『そうじゃ、魔法をぶち込んでやればよかったんじゃ。』

喧嘩を売ったことは怒っていないみたいだ。

「なあグリム、グリムの時代も獣人の差別なんてあったのか」

俺がグリムに話かけると、浩司が密着してくる。

『残念ながら儂の時代にも、魔法を重要視する一部の人間が差別をしていた。
 しかし、他は差別なく暮らしておったぞ。
 獣人は直接魔法が使えない分、身体能力が優れているからな。
 儂の時代では、戦いでは魔道具も使いながら各々の特性を生かして連携しておった。
 それなりに魔道具も有ったしな。』

「この300年間で人間の考え方も退化したのか。」


ちなみに、風呂は無くトイレは洋式の座るタイプだがボットン式。
紙はそれなりに高くトイレットペーパーの様なものは無く、柔らかくした葉を使って後始末をする。
残念ながら、300年間で進化をする事はなかった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

処理中です...