欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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540ドラゴンスネーク

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今回はグリフィンより強力なドラゴンスネークという100mは有る巨大なツチノコの様な魔獣が2体も現れた。
その体は魔力攻撃が効きづらい上、口から強力な毒の霧を吐く。更にこの毒はシールドを張っても内側へ侵食してくる。
浩司、由美、里香が離れた所から攻撃をしても大した傷を負わせることが出来ない。拓が引く事を考えると

「こんなのと騎士団が戦ったらどれだけの被害が出るか分からない。
 あいつの口の中へ全力で攻撃を仕掛けられれば・・・拓さん、何とかなりませんか。」

浩司、由美、里香が期待を込めて拓を見る。

「やってみるけど、上手く行かなかったら引くぞ。」

拓は治癒のロッドを取り出すと周囲に解毒の幕を張りながらドラゴンスネークに近付き、3人が口へと攻撃を仕掛ける。
拓にとって治癒魔法を結界の様に使うのは初めての事で安定せず、完全に防ぐことは出来ていない。

「未だ耐えられます。このまま飛び続けて。」

少しづつ毒に侵されながらも浩司が叫ぶ。
ドラゴンスネークの動きが徐々に鈍くなり、最後に強力な毒を吐いて倒れた。
しかし、こちらも里香が毒にやられて限界に近い。
直ぐに毒から離れると拓は3人の解毒を行い、最後に自分の解毒を行う。

「明日は1日休んで、残りの1体を倒す。ただ、怖いと思うのなら止めても良いと思う。」

拓が話すと、3人は首を横に振る。

「1体倒せたんです。もう1体も倒ししましょう。」
「そうか。今日の戦いで治癒魔法を結界の様に張る感覚を掴めてきているから、もう少し上手く出来ると思う。
 明日はしっかりと休んで戦いに備える。」


もう夜も遅いが何とかドラゴンスネーク1体を収納し、エチゴ屋へ飛んだ。
エチゴに倒したドラゴンスネークを見せると、暫く唖然としていたが

「分かりました。こちらも店で解体しておきます。」

少し困った顔をしたが、疲れている4人を見て直ぐに顔を引き締め請け負ってくれた。

「もう1体居ますので、明日は休んでもう一度戦います。」

エチゴは4人に部屋を用意し、休んでもらう事にした。
そして4人の負担を減らす為に今自分にできる最大限の対応について検討を行った。


もう1体も無事に倒しチェックを入れていた場所の魔獣退治を終えたが、これ以上の魔獣が現れたら厳しいとしか言えない。

「この国、大丈夫なのか?この先、あんなのがウジャウジャ現れたら対応出来ないぞ。」
「拓さんが騎士団か魔導士団に入るっていうのは?」
「それは無い。今戦っているのだって国の為って言う訳では無いからね。3人みたいに勇者になんてなりたくないよ。」

拓はそう言いながら、3人の前にヘビモスのステーキを並べる。
今回は拓の治癒魔法の結界で完全とは言えないが殆どの毒を遮る事が出来たので体調は問題無い。
3人は普段城で美味い物を食べているが、拓の作る料理は特別で疲れていようとしっかりと食べ尽くしていた。


後日、エチゴの店に伺いもう1体のドラゴンスネークを渡す。
肉と魔石は拓の方で受け取るが、素材についてはエチゴの方で販売してもらう事とした。
そのままスラム街の解体所へ伺い新たに解体してもらう分を預けると、ゴルゴに呼ばれて建物の裏に連れて行かれる。

「サブには黙っていれば良いのか?近くに浩司達が居るけど、それも変に興奮するな。」

拓の言葉にゴルゴは頭が痛くなるが、無視して話をする。

「拓。後、どの位の量を依頼するつもりだ?」
「今までの依頼した分と同じ位かな。それで一区切りですね。」
「アイテムボックスに余裕が有るのなら、少し間を開けてもらえないか。皆やる気は有るんだが、体力が付いて行かない。」

拓は了解し、2日ほど間を開けてから次の依頼を行う事にした。
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