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531思わぬ相手
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「拓殿か。魔道具を使って連絡を取って来るとは珍しいな。何が有った?」
「この声は国王陛下ですか?」
「そうだ。ヨギもバランも横に控えている。話してみろ。」
拓は今回の魔獣討伐の話をし、瘴気の吹き溜まり用の見張台を提案する。
そしておおよその場所を提示すると、
「こちらから土属性の魔導士を送る。場所は少し変えて9ヶ所を作るでも良いだろうか?」
直ぐに返答が返って来た。
ルートは変わらず、エチゴも頷いている。
「問題ありません。私の方で魔力を土に染み込ませますので宜しくお願いします。」
国が見張台を作り、領主の方で見張小屋の設置と人の配置を行う。
作る見張台は王都の側で作ったのと同等の物とし、拓に値段の提示がされ話がまとまった。
そして横に居た領主に対応させる内容を伝え、了承を取っていた。
拓は簡単に話がまとまり驚いていたが、国の方では見張台については検討されていた。
ただ、安全を考えると木で櫓を組むわけにはいかず、大作業となる為計画倒れになる所だった。
拓に協力を依頼するという案も上がったが、一介の冒険者として動いているのに これ以上負担を掛ける訳にはいかないと国王が却下していた。
そんな中、拓の方からの提案を受け、直ぐに対応する事になった。
少ししてバラン将軍から3日後には魔導士がこちらに到着するとの連絡が入った。
各領主には国の方から連絡を行っているが、今の所問題は無さそうだ。
拓と魔導士は見張台を作るまでの対応なので1カ所につき3日の予定を立てていた。
「3日でここまで来るのですか?」
ルーカスが不思議そうに聞くので、拓は討伐時の馬車について話をした。
「スピード命で中の人の状態なんて無視しているから、本当に大変だよ。兵士ってタフでないとやっていけないよね。」
拓は馬車の中で休む事も出来ないと話していた。
行きは熟睡していたにも関わらず・・・
冬まで時間も少ない事も有り、拓の方から小屋作りの手伝いとして壁を作る事を提案する。
「そこまで対応して貰って良いのか?」
「こちらで試しに行い、問題無ければ他の所に仕事として売り込もうと思います。
どの様な小屋を作るのかを決め、事前に壁に付いての図面だけでも見張台を作る領主に連絡して頂けないでしょうか。
連絡をして頂けるのであれば、こちらは無償で対応させて貰います。」
領主は直ぐに技術者を呼ぶと、拓が出来る事を確認しその場で簡単な図面を描く。
「これなら問題無く対応出来ます。
一応一段高くして、雨の日の排水対策をしておいた方が良いですかね。
後、馬車を止められるスペースも用意した方が良いでしょうから、門を用意する事は出来ますか?」
基本的に技術者の方も土魔法で出来る事を把握しているため、特に問題になる様な所は無かった。
これをベースに正式な図面を起こして明日には他の領主へ届けることになった。
実際に仕事として請け負った場合の価格については、領主とエチゴにも加わってもらい妥当な金額を算出する。
図面と一緒にその辺の話も合わせて伝えておいてもらう。
そして別件としてエチゴの方からキラーアントの素材についての話をする。
領主としては装備の強化を図りたい上、エチゴの方では価格を抑えているので話は簡単にまとまった。
今夜は領主の屋敷に泊めてもらうが、明日からは普通の宿に泊まり町を観光する事にした。
領主はこのまま屋敷に泊って良いと言うが、あくまでも商人と言う事で断らせてもらう事にした。
エチゴとしては、拓が希望しない貴族と繋がりを出来るだけ作らない様にとの配慮だった。
領主は皆を用意した部屋へと案内し終えると、控えていた執事に話しかける。
「ルーカス殿とハック殿は拓殿に特別に目を掛けているのだな。」
「そうですね。家督を継ぐ貴族の御子息が商人の護衛をするとは思いもしませんでした。」
「拓殿が自分が行っている事を実際に見せるためなのだろう。全く羨ましい限りだ。」
ここの領主も自分の息子を拓に教えを請いたいと希望し、断られた一人だった。
今回、拓がハックに付きっきりで治癒魔法を教えている事は兵士から連絡を受けていた。
そしてハック自身の治癒魔法の腕前も熟練の魔導士の域に近いと聞いている。
ルーカス殿にしても、かなりの腕前だという話だ。
当然、本人達の努力もあるだろうが、やはり拓と言う存在が大きいと考えていた。
「この声は国王陛下ですか?」
「そうだ。ヨギもバランも横に控えている。話してみろ。」
拓は今回の魔獣討伐の話をし、瘴気の吹き溜まり用の見張台を提案する。
そしておおよその場所を提示すると、
「こちらから土属性の魔導士を送る。場所は少し変えて9ヶ所を作るでも良いだろうか?」
直ぐに返答が返って来た。
ルートは変わらず、エチゴも頷いている。
「問題ありません。私の方で魔力を土に染み込ませますので宜しくお願いします。」
国が見張台を作り、領主の方で見張小屋の設置と人の配置を行う。
作る見張台は王都の側で作ったのと同等の物とし、拓に値段の提示がされ話がまとまった。
そして横に居た領主に対応させる内容を伝え、了承を取っていた。
拓は簡単に話がまとまり驚いていたが、国の方では見張台については検討されていた。
ただ、安全を考えると木で櫓を組むわけにはいかず、大作業となる為計画倒れになる所だった。
拓に協力を依頼するという案も上がったが、一介の冒険者として動いているのに これ以上負担を掛ける訳にはいかないと国王が却下していた。
そんな中、拓の方からの提案を受け、直ぐに対応する事になった。
少ししてバラン将軍から3日後には魔導士がこちらに到着するとの連絡が入った。
各領主には国の方から連絡を行っているが、今の所問題は無さそうだ。
拓と魔導士は見張台を作るまでの対応なので1カ所につき3日の予定を立てていた。
「3日でここまで来るのですか?」
ルーカスが不思議そうに聞くので、拓は討伐時の馬車について話をした。
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拓は馬車の中で休む事も出来ないと話していた。
行きは熟睡していたにも関わらず・・・
冬まで時間も少ない事も有り、拓の方から小屋作りの手伝いとして壁を作る事を提案する。
「そこまで対応して貰って良いのか?」
「こちらで試しに行い、問題無ければ他の所に仕事として売り込もうと思います。
どの様な小屋を作るのかを決め、事前に壁に付いての図面だけでも見張台を作る領主に連絡して頂けないでしょうか。
連絡をして頂けるのであれば、こちらは無償で対応させて貰います。」
領主は直ぐに技術者を呼ぶと、拓が出来る事を確認しその場で簡単な図面を描く。
「これなら問題無く対応出来ます。
一応一段高くして、雨の日の排水対策をしておいた方が良いですかね。
後、馬車を止められるスペースも用意した方が良いでしょうから、門を用意する事は出来ますか?」
基本的に技術者の方も土魔法で出来る事を把握しているため、特に問題になる様な所は無かった。
これをベースに正式な図面を起こして明日には他の領主へ届けることになった。
実際に仕事として請け負った場合の価格については、領主とエチゴにも加わってもらい妥当な金額を算出する。
図面と一緒にその辺の話も合わせて伝えておいてもらう。
そして別件としてエチゴの方からキラーアントの素材についての話をする。
領主としては装備の強化を図りたい上、エチゴの方では価格を抑えているので話は簡単にまとまった。
今夜は領主の屋敷に泊めてもらうが、明日からは普通の宿に泊まり町を観光する事にした。
領主はこのまま屋敷に泊って良いと言うが、あくまでも商人と言う事で断らせてもらう事にした。
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「そうですね。家督を継ぐ貴族の御子息が商人の護衛をするとは思いもしませんでした。」
「拓殿が自分が行っている事を実際に見せるためなのだろう。全く羨ましい限りだ。」
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そしてハック自身の治癒魔法の腕前も熟練の魔導士の域に近いと聞いている。
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