欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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519OZ対将軍

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今日も観客に国王やサリナ姫、勇者、魔導士の姿が有る。
ヨギ魔導士によると、観客の中に他の騎士団の騎士団長も混じっているとの事。
今の状況でこんな事をしていて、この国は大丈夫なのだろうかと拓は心配になってしまう。

今日の試合相手はバラン将軍、ダッソン将軍、シンシア将軍とこの国のトップ3。
試合開始の合図とともに、拓は大量の石礫の先制攻撃。
3人とも光波を纏って避けた隙に、ガラとレオは死角に移動し光波を解いた所でシンシア将軍に奇襲。
予想はしていたが攻撃は受け止められ、バラン将軍とダッソン将軍から反撃を喰らってしまう。
この間に拓は姿を消して距離を取ったが、出来ればシンシア将軍の絶対空間は姿を隠した拓を簡単に見つけてしまうので真っ先に潰しておきたかった。

それぞれ睨み合いの状態が続いたが、先に動いたのは将軍達。
光波を纏ったダッソン将軍を前面にしてガラとレオに突っ込んできた。
拓が側面から見えなくした火球で攻撃をすると、シンシア将軍に阻まれただけでなく、そのまま拓へと攻撃を仕掛けてくる。
直ぐに大量の火球を飛ばして距離を取ったのだが、拓の位置を完全に把握していた。
更に距離を取り様子を見ると、空間範囲が5割増しという感じみたいだ。
ガラとレオの方も光波を張って何とか防いでいたが、完全にOZ3人がバラバラに分かれてしまった。

それならばと、拓は見えなくした火球を降りそそぐ様に放ってみる。
すると、シンシア将軍の反応が遅く、数発かする。
拓は離れた所から攻撃を続け、シンシア将軍の絶対空間が円形ではなく楕円形だと理解した。
推測だが、絶対空間の上方向の分を削って横に伸ばしている。
拓は側面、上部からと攻撃を変えて試してみると、推測が確信となった。
シンシア将軍も拓に気付かれたと分かり、円形に変えていた。

ガラとレオは猛攻撃を何とかしのぎ、拓が大量の火球を放ったタイミングで形勢を立て直していた。
そこに拓が戻り、再び対峙し合う。

「2人はダッソン将軍の光波を破ることは出来そうか?」
「2人掛でなら、何とかなると思う。」
「なら、俺はバラン将軍とシンシア将軍の足止めする。」

今度は拓の方から氷の刃で攻撃を仕掛ける。
すると、光波を纏ったダッソン将軍を先頭にして突っ込んでくるが、拓はバラン将軍とシンシア将軍の動かそうとする腕や足の関節にシールドを張り動きの邪魔をする。
2人は直ぐに光波を張ってOZの方へと走ろうとするが、拓が砂塵で視覚を奪う。

そして1人で前に出てしまったダッソン将軍に対し、ガラとレオが大連斬で攻撃を仕掛けた。
2度目の攻撃で光波が破られ、後ろに下がろうとするダッソン将軍に更に追撃しようとしたのだが
ダッソン将軍が放つ大連斬に加え、砂塵の中から残波までが放たれた。
ガラとレオは辛うじて防ぐも後ろに飛ばされてしまい、試合終了の合図が掛かった。

拓が砂塵を解くと、砂まみれのバラン将軍とシンシア将軍の姿が有った。
どうやら、砂塵の中で光波を解き絶対空間でこちらの状況を確認していたみたいだ。

「ガラ、レオ、大丈夫か?かなり派手に打たれたな。
 今、治癒魔法を掛けるからそのままで。」

拓が直ぐに治癒魔法を掛けて2人が立ち上がると、周囲から大きな拍手が起こった。
そして国王から言葉を頂き、騎士団の皆はそのまま訓練を行う者、仕事に戻る者と解散した。

「拓、レオ。少し反省会をしたいと思っているが良いか?」
「夜にさせて貰えるか。先に幾つか試したい事が有るんだ。」

拓はガラに断りを入れると、訓練をしている兵士に対戦を依頼していた。
兵士も2つ返事で対応するが、直ぐに砂塵で周囲を覆われ拓に手も足も出なかった。
拓は砂塵で囲った内部を探索魔法で調べてみたが、人が居るのは分かる・・・が、気や力の流れは全く感じられない。
砂塵の他に水でシールドで囲ってみたが、どれも失敗。
細かく知ろうとしても、自分の魔力が邪魔になってしまう。
里香に周囲を風の壁で囲ってもらい、探索魔法を使ってみたが気や力の流れは全く感じられない。

「探索魔法って魔力を広げて感じ取る訳だから、原理的に無理っしょ。」
「俺が気を使えれば新しい必殺技が出来そうなんだけどな。」
「拓さんって、変な所が浩司に似てる。」
「浩司と言うか、男なんてこんな感じなんだと思うよ。女の人は、そう言う所を笑って受け入れてあげてよ。」

里香だけでなく、様子を見ていた由美やサリナ姫まで笑っていた。
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