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518争奪戦
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特訓最終日、サポートも形になった所で勇者3名の最終特訓を行う事にした。
拓は姿を消して魔獣に紛れ、勇者3人に攻撃魔法を行う。
3人はその攻撃を避けながらサポートを続けるが・・・
サポートどころではなくなり、もうボロボロだった。
拓は攻撃を仕掛けながらも、3人の攻撃が冒険者に当たらない様にシールドを張って防いでいた。
「今の状態では無理があるか。騎士団も居るので勇者の3人を馬に乗せて攻撃を避けて貰えますか。
勇者の3人は馬の上から攻撃を行う様に。」
これを行うと少しはまともに戦えるが、乱戦状態では危険極まりない。
「これで今回の特訓は終了。お疲れ様でした。皆さんもありがとうございました。
3人は自分が戦いに巻き込まれた時には、自分の身を守る事に専念してください。
そして、攻撃を行なえる場所や状況になるまで耐える。」
攻撃を受けながらサポートを行うのは難しい。
その辺はどう訓練すれば良いのか拓には分からない。
自分自身の場合は強化魔法を使い、探索魔法を展開しながらサポートを行っている。
この2つの魔法が無ければ拓もあれだけのサポートを行う事は出来ないだろう。
基本が異なる以上、可能な範囲で対応するしかない。
「ヨギ魔導士、乱戦になった時には3人の周囲にシールドを張れる魔導士を付けてもらえますか。」
「状況は把握した。3人の事は任せて欲しい。」
「よろしくお願いします。」
拓はヨギ魔導士に頭を下げていた。
「拓殿はこの先、どうするつもりだ?」
「現状を打破できる方法がないか探してみるつもりです。
最終的には勇者が自由になれる状況を作れれば良いのですが。」
拓は答えると、大きく体を伸ばしていた。
ヨギ魔導士は拓が何をしようと考えているかは分からないが、この男なら何とかしてくれる・・・そう思ってしまう。
しかし、拓や勇者達に頼ってばかりはいられない。
自分達もマクニス王国を守らなければならないと考えていた。
拠点に戻ると、商人達によって豪華な食事が用意されていた。
「特訓お疲れ様でした。打ち上げの用意が出来ていますよ。」
商人代表としてエチゴが皆に食事を勧めてくれる。
酒を飲むわけにはいかないが、皆で舌鼓を打ちながら料理を楽しんだ。
「拓、この肉って何だ?凄く美味いんだが。」
「ワイバーンやロックバード、プテラとも違うよな。他にこんな美味い肉って有ったか?」
ガラとレオが不思議そうに聞いてくる。
ここに居る全員が気になっていたのか、静かに拓の答えに耳を傾ける。
「グリフィンの肉だよ。エチゴさんに頼んで用意してもらったんだ。
倒したのは勇者の3人なんだけどね。それにしても想像以上に美味しいね。」
一瞬の無音の後、冒険者達から歓声が上がった。
一緒に食べている商人や解体作業者達からも驚きの声が上がる。
未だ料理が残っていると知ると、冒険者達の争奪戦が始まってしまった。
ガラ、レオ、クリームまで参戦しようとしたが、拓によって止められていた。
アルは参加せずにいたが、実際はエチゴさんに止められていただけだった。
その様子を見た他の商人達も我慢していた。
拓は毎回思うが、ガラ、レオ、クリームは一緒に行動してたっぷりと特別な肉を食べているというのに、何故にここまで食い意地が張っているのだろうか?
グリフィンの肉も拓が大量に保存するので、一緒に行動すれば食べたいと言って強請ってくるのだろうし・・・
「エチゴさん。今回対応して貰った商人の方々に、勇者の3人からという事でグリフィンの肉を渡しておいてもらえますか。
エチゴさんとアルは、戻ったら食事会でも開かせてもらいますので。」
「しかし、拓さんがそこまで気を使わなくても良いのですよ。商人は皆感謝しています。」
「そうかも知れませんが、肉の人気が想像以上なので。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「ただ、多くても2体分までに抑えてください。食い意地の張った人達が一緒なので。」
「1体で十分です。問題ない様、対応しておきます。」
拓には加減が分からないので、その辺はエチゴに任せてしまう。
肉は美味いが拓としてはほどほどで良く、もっと魚を食べたかった。
拓は姿を消して魔獣に紛れ、勇者3人に攻撃魔法を行う。
3人はその攻撃を避けながらサポートを続けるが・・・
サポートどころではなくなり、もうボロボロだった。
拓は攻撃を仕掛けながらも、3人の攻撃が冒険者に当たらない様にシールドを張って防いでいた。
「今の状態では無理があるか。騎士団も居るので勇者の3人を馬に乗せて攻撃を避けて貰えますか。
勇者の3人は馬の上から攻撃を行う様に。」
これを行うと少しはまともに戦えるが、乱戦状態では危険極まりない。
「これで今回の特訓は終了。お疲れ様でした。皆さんもありがとうございました。
3人は自分が戦いに巻き込まれた時には、自分の身を守る事に専念してください。
そして、攻撃を行なえる場所や状況になるまで耐える。」
攻撃を受けながらサポートを行うのは難しい。
その辺はどう訓練すれば良いのか拓には分からない。
自分自身の場合は強化魔法を使い、探索魔法を展開しながらサポートを行っている。
この2つの魔法が無ければ拓もあれだけのサポートを行う事は出来ないだろう。
基本が異なる以上、可能な範囲で対応するしかない。
「ヨギ魔導士、乱戦になった時には3人の周囲にシールドを張れる魔導士を付けてもらえますか。」
「状況は把握した。3人の事は任せて欲しい。」
「よろしくお願いします。」
拓はヨギ魔導士に頭を下げていた。
「拓殿はこの先、どうするつもりだ?」
「現状を打破できる方法がないか探してみるつもりです。
最終的には勇者が自由になれる状況を作れれば良いのですが。」
拓は答えると、大きく体を伸ばしていた。
ヨギ魔導士は拓が何をしようと考えているかは分からないが、この男なら何とかしてくれる・・・そう思ってしまう。
しかし、拓や勇者達に頼ってばかりはいられない。
自分達もマクニス王国を守らなければならないと考えていた。
拠点に戻ると、商人達によって豪華な食事が用意されていた。
「特訓お疲れ様でした。打ち上げの用意が出来ていますよ。」
商人代表としてエチゴが皆に食事を勧めてくれる。
酒を飲むわけにはいかないが、皆で舌鼓を打ちながら料理を楽しんだ。
「拓、この肉って何だ?凄く美味いんだが。」
「ワイバーンやロックバード、プテラとも違うよな。他にこんな美味い肉って有ったか?」
ガラとレオが不思議そうに聞いてくる。
ここに居る全員が気になっていたのか、静かに拓の答えに耳を傾ける。
「グリフィンの肉だよ。エチゴさんに頼んで用意してもらったんだ。
倒したのは勇者の3人なんだけどね。それにしても想像以上に美味しいね。」
一瞬の無音の後、冒険者達から歓声が上がった。
一緒に食べている商人や解体作業者達からも驚きの声が上がる。
未だ料理が残っていると知ると、冒険者達の争奪戦が始まってしまった。
ガラ、レオ、クリームまで参戦しようとしたが、拓によって止められていた。
アルは参加せずにいたが、実際はエチゴさんに止められていただけだった。
その様子を見た他の商人達も我慢していた。
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「エチゴさん。今回対応して貰った商人の方々に、勇者の3人からという事でグリフィンの肉を渡しておいてもらえますか。
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「しかし、拓さんがそこまで気を使わなくても良いのですよ。商人は皆感謝しています。」
「そうかも知れませんが、肉の人気が想像以上なので。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「ただ、多くても2体分までに抑えてください。食い意地の張った人達が一緒なので。」
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拓には加減が分からないので、その辺はエチゴに任せてしまう。
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