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486シーサーペント

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拓はもっとブルとやりたいと思っていたが、ドレイク船長の様子から止めておくことにした。
拓の水魔法で体についたザーメンを洗い流し服をきると、ブルは拓を抱きしめキスをする。

「拓さん、次はたっぷりと俺のケツをやってくれよな。
 しかし、素っ裸で港を歩き回るなんて信じられねぇ体験だったな。」

ブルは笑うと、再び拓にキスをする。

「俺はコテージの入口まで送ってもらった後、姿を消して写真を撮っていた事にします。
 ブルさんは、このまま船に戻ってドレイク船長と会ってください。」

拓は姿を消すとコテージに向かって飛んだ。
ブルは姿を消した拓の気配すら掴めず、この闇魔法に感心と驚きを隠せないでいた。


ブルが船に戻るとドレイク船長に拓をどうしたのかと問いただされる。

「拓さんをコテージの入口まで送って来ましたが、何か有ったのでしょうか?」
「領主がシーサーペントの退治を行う事を決定した。
 拓さんに討伐への参加依頼をしに行ったところ、姿が見えないので心配になって戻って来た。」
「シーサーペント退治って、拓さんにそんな危険な事をさせるのですか。」
「いや。拓さんには治療を依頼する。」
「拓さんは光魔法も使えるのか・・・」

ドレイク船長にとっては、自分の生まれ育ったた村人を治療をして助けてくれたので当然の事だったが
ブルは拓の水、闇魔法を使ったのを見ていたので、光魔法まで使うと聞くと驚いていた。

次の日、ブルは領主と船長達との打ち合わせに参加すると、他の船長も誰かを連れて来ていた。
会議室を見渡すと後ろの方に拓が座っている。
拓はブルに気付くと手を上げて軽く会釈する。

「話は聞いていたが、拓さんも討伐に参加する事にしたのか?」
「エチゴさんの許可が得られたので、治療班として参加する予定です。
 しかしシーサーペントの事を調べましたが、どうやって退治するつもりなんですかね。」

拓は普段通りで、特に緊張感はない。
ブルは心配になり拓に話しかけようとするが、これからの作戦の説明が始まった。
小型船でシーサーペントを誘導し、大型船から縄の付いた銛を打ち込み海上に固定した状態で攻撃を加える。
それぞれの役割分担、指示が説明されるが、細かい所は実際にやってみないと分からないと言うのが正直なところだった。
そして、拓はドレイク船長、ブルと同じ船に乗ることになった。
今ではドレイク船長の船は龍神の加護を受けた船と言われていて、拓を乗せるのに適していると言う。
計画についての話が終わり、ブルが拓に危険性について話をする。

「大丈夫ですよ。身の危険を感じた場合は、島に退却して治療を行いますから。
 これでも水上を移動する手段も持っているので安心して下さい。船上ではよろしくお願いします。」
「あぁ、任せておけ。拓さんの事は必ず守ってやる。」

明日の朝、討伐に出発。
拓は一度コテージに戻って、改めて港で合流する。
今回、他のメンバーには陸地に残ってもらう。
何か有っても、拓一人なら無事に帰って来れる手段が有るからだ。

拓はベットに横になると、シーサーペントについての資料を読んでいた。
巨大なウミヘビの様な魔獣で魔法も剣も通るが、海に潜られてしまうと打つ手が無くなる。
領主が倒せると判断するのなら、勝算は有るのだろう。
ここで海上貿易に影響が出てしまうと、この国の経済状態が更に悪化し勇者が頑張っても国として再び危険な状態になってしまう。
拓としても、それは阻止したい所だった。
拓の役割は前線での怪我人の治療。問題無いだろう。

実際の所、領主の見立てでは魔獣討伐が成功する可能性のは五分五分だった。
そこに拓の治癒魔法が加われば勝算は上がると踏んでいた。
倒せなくとも、せめて負傷者を減らせることが出来れば良いと考えていた。
拓の実力は聞いていたが、流石に海で戦わせる訳にはいかなかった。
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