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436盗賊
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村を出発し、拓が作った休憩所にたどり着いた時、貴族の通信魔道具に盗賊が出たとの連絡が入った。
ここからだと、森を抜けた先に有る村だ。
地図を広げ確認すると、森を挟むが領主より拓達の方が近い位置に居る。
「護衛を残し、兵を向かわせる。」
クロイツ公爵の指示で森の中を馬に乗った20名の兵士達が駆け抜ける。
その中にはOZの3人も後ろに乗せてもらっている。
途中で遭遇する魔獣は拓の攻撃魔法で牽制し、真っ直ぐに被害の有った村へと進む。
夜も更け、暗闇の中に見えてくる明かりと争う人々の怒声。
何とか盗賊に対して村が守られていたが、かなり危険な状態だ。
「一気に殲滅させるぞ。突撃。」
兵士長の掛け声で、背後から一斉に盗賊へ襲い掛かる。
盗賊が振り向いた時には、大量の火炎弾が襲い、兵士が剣を振るう。
盗賊は思わぬ攻撃を受け全滅。
全員捕らえ見張、周囲の捜索を兵士達に任せ、拓は怪我人の所へ向かう。
重傷を負った村人に対しては拓が迷わず上級魔法を使い治療を行う。
諦めるしかないと思っていた村人も回復。
「見た目より、大した傷でなくてよかった。あれだけの血を見てしまうと焦ってしまいますよね。」
拓はそう言って様子を見ていた村人を頷かせると、次の怪我人の治療を行った。
奇跡的に死者は無し。治療も終え全員が無事。
この村にもエチゴ商隊として立ち寄った事があり、村人は拓が大したことない傷だと言うのなら、どの様な傷だろうとその言葉を受け入れていた。
盗賊達の対応を終えた兵士達が怪我人の状態を確認するが、死を待つしかない大怪我をした本人ですら
「大した怪我でもないのに、大騒ぎをしてしまって申し訳ありませんでした。」
そう答えていた。他の村人も全員が「本当に大げさなんだから。」と言い、その中には服が血で染まり涙で目を腫らしたであろう女性の姿まで有る。
兵士には違和感しかない状態だが、全員が無事に助かった事もあり追及はせずに報告をする事にした。
30名ほどの盗賊は村の外で殺すという話が出ていたが、これから結婚式に出るのに血で汚したくないとして連行することになった。
村人の中には不満を持つ者も居たが、拓がその決定に同意した事、そして拓がその結婚式に参列すると聞いて受け入れていてくれた。
「拓殿は村人から好かれているのですね。」
「だと良いですか。疲れたので寝てしまいたいのですが、明日は何時出発しますか?」
「昼食を食べてから出発しますので、ゆっくりと休んでください。」
兵士達は念のため村の警備をするらしいが、拓は探索魔法で周囲に盗賊の仲間が居ないことを確認して眠らせてもらう事にした。
「あっ、明日で良いから村の人に魔獣の解体を依頼しても良いですかね。解体料として肉を渡すという事で話してもらえませんか?」
村人は被害状況を確認などをしていて、話しかけられるような状態ではない。
拓はかなり際どい怪我人が数人を治療して疲れ、村人が落ち着くまで起きて居られなかった。
「分かりました。落ち着いたら私の方から依頼しておきます。」
拓はアイテムボックスからテントを取り出すと、大きな欠伸をして寝ることにした。
拓が起きた時には、ベットにガラとレオの姿も無く、シャワーを浴びてテントから顔を出すと
「拓殿が起きたぞ。」
外にいた村人が広場の方へ大声で叫ぶ。
何が有ったのかと拓が広場の方を見ると、バーベキューの用意がしてあり皆が火を付け始めた。
「もしかして、俺が待たせていましたか?」
「準備に手間取ったので、どうせなら拓殿が起きて一緒に食べようと思いまして。」
そうでしたかと拓が答えたが「あっ、やっと拓様が起きた。」という子供達の言葉にやはり気を使わせたのを認識した。
ここからだと、森を抜けた先に有る村だ。
地図を広げ確認すると、森を挟むが領主より拓達の方が近い位置に居る。
「護衛を残し、兵を向かわせる。」
クロイツ公爵の指示で森の中を馬に乗った20名の兵士達が駆け抜ける。
その中にはOZの3人も後ろに乗せてもらっている。
途中で遭遇する魔獣は拓の攻撃魔法で牽制し、真っ直ぐに被害の有った村へと進む。
夜も更け、暗闇の中に見えてくる明かりと争う人々の怒声。
何とか盗賊に対して村が守られていたが、かなり危険な状態だ。
「一気に殲滅させるぞ。突撃。」
兵士長の掛け声で、背後から一斉に盗賊へ襲い掛かる。
盗賊が振り向いた時には、大量の火炎弾が襲い、兵士が剣を振るう。
盗賊は思わぬ攻撃を受け全滅。
全員捕らえ見張、周囲の捜索を兵士達に任せ、拓は怪我人の所へ向かう。
重傷を負った村人に対しては拓が迷わず上級魔法を使い治療を行う。
諦めるしかないと思っていた村人も回復。
「見た目より、大した傷でなくてよかった。あれだけの血を見てしまうと焦ってしまいますよね。」
拓はそう言って様子を見ていた村人を頷かせると、次の怪我人の治療を行った。
奇跡的に死者は無し。治療も終え全員が無事。
この村にもエチゴ商隊として立ち寄った事があり、村人は拓が大したことない傷だと言うのなら、どの様な傷だろうとその言葉を受け入れていた。
盗賊達の対応を終えた兵士達が怪我人の状態を確認するが、死を待つしかない大怪我をした本人ですら
「大した怪我でもないのに、大騒ぎをしてしまって申し訳ありませんでした。」
そう答えていた。他の村人も全員が「本当に大げさなんだから。」と言い、その中には服が血で染まり涙で目を腫らしたであろう女性の姿まで有る。
兵士には違和感しかない状態だが、全員が無事に助かった事もあり追及はせずに報告をする事にした。
30名ほどの盗賊は村の外で殺すという話が出ていたが、これから結婚式に出るのに血で汚したくないとして連行することになった。
村人の中には不満を持つ者も居たが、拓がその決定に同意した事、そして拓がその結婚式に参列すると聞いて受け入れていてくれた。
「拓殿は村人から好かれているのですね。」
「だと良いですか。疲れたので寝てしまいたいのですが、明日は何時出発しますか?」
「昼食を食べてから出発しますので、ゆっくりと休んでください。」
兵士達は念のため村の警備をするらしいが、拓は探索魔法で周囲に盗賊の仲間が居ないことを確認して眠らせてもらう事にした。
「あっ、明日で良いから村の人に魔獣の解体を依頼しても良いですかね。解体料として肉を渡すという事で話してもらえませんか?」
村人は被害状況を確認などをしていて、話しかけられるような状態ではない。
拓はかなり際どい怪我人が数人を治療して疲れ、村人が落ち着くまで起きて居られなかった。
「分かりました。落ち着いたら私の方から依頼しておきます。」
拓はアイテムボックスからテントを取り出すと、大きな欠伸をして寝ることにした。
拓が起きた時には、ベットにガラとレオの姿も無く、シャワーを浴びてテントから顔を出すと
「拓殿が起きたぞ。」
外にいた村人が広場の方へ大声で叫ぶ。
何が有ったのかと拓が広場の方を見ると、バーベキューの用意がしてあり皆が火を付け始めた。
「もしかして、俺が待たせていましたか?」
「準備に手間取ったので、どうせなら拓殿が起きて一緒に食べようと思いまして。」
そうでしたかと拓が答えたが「あっ、やっと拓様が起きた。」という子供達の言葉にやはり気を使わせたのを認識した。
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