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拓はゴルゴ達と別れると、高い建物の屋根の上で一人でぼんやりと王都を眺めていた。
アイテムボックスから免責札を取り出し、また収納する。
他に何もせずそれだけを続けていると、日も落ちてきて辺りは暗くなっていた。
「拓、聞こえるか?」
通信の魔道具からガラの声がする。
「ガラ、聞こえるよ。そろそろ2人と合流しようと思っていた所。門の出た所で良いかな?」
「合流場所はエチゴ屋だ。エチゴさんやジーク達が拓と晩飯を食べてぇってよ。」
レオが明るい声で、集合場所を言って通信を終えた。
エチゴ屋に行くと、料理が用意されていて旅の思い出話しで盛り上がる。
デザートを食べ終わるとエチゴが仕事の話をする。
「私の所に、休憩所の改造の件で拓さんと話がしたいと来ました。」
「もう来たのですか。価格については、エチゴさんに交渉をお願いして良いでしょうか。
新しい設置が来た時は、今までの3倍の値段で対応する話になっています。」
3倍であろうと、自分達で行う事を考えれば破格の安値だった。
「分かりました。改造の順番は?」
「主要街道を先にして、後は回り易い順番で。
新規の依頼が来たら主要街道の後はそちらを優先させたいです。
細かい所は商人の方々が動きやすいように対応して貰えればと思います。」
エチゴは頷くと心配そうに拓を見た。拓は不思議そうにエチゴを見返す。
「拓、俺達は何を手伝えば良い?」
そんな拓にジークが尋ねる。
拓の目は、少し間を置いてジークの顔を認識していた。
「拓、大丈夫か?」
「えっ、あ、あぁ、大丈夫。大丈夫。」
「何かをするなら俺達も混ぜろよ。考えている事が有るなら話してみろ。少しは力になれるかもしれない。」
拓は話そうとするが、ワンガの事だけでなく、自分の立ち位置も分からなくなり何を言えば良いのか自分でも整理が出来ずにいた。
何とかしようとすると、この世界の流れに翻弄されてしまう。
免責札のせい?自分の魔力のせい?自分の行動のせい?それともこの世界のせい?どれも当たりで、どれも違う。
「拓、落ち着いたら言ってくれ。自分一人で背負い込むなよ。」
「ありがとう。整理出来たら、話させてもらうよ。」
「そう言えば、昼間 金狼のメンバーと会ったぞ。拓に挨拶をしたいと言っていた。」
ジークはそれ以上突っ込まず、話題を変える。
こんな状態でも拓は温泉で見たロウガとハンスの絡んでいたシーンを思い出す。
「そうなんだ。俺も話したいな。」
「今度、一緒に飲みに行くか。あいつ等も喜ぶと思う。」
「良いですね。地下湖で合ったのが、随分と昔の様な気がする。」
食事会も終わり、OZは王都の外でテントを張ると拓は本を開いて見ていた。
視線は本に向けているが、目の焦点が合っていない。
そんな拓をレオは後ろから抱きしめた。
「なっ、どうしたんだよ。」
「元気の充填だ。」
レオは更に強く抱きしめ、拓にほほ擦りをする。
「大丈夫だ。この世界には、『他人の為に動く者には、女神が微笑む』という言葉が有る。
拓に微笑まないで、誰に微笑むって言うんだ。」
拓は、レオの胸板に頭を預けてぬくもりを感じていた。
アイテムボックスから免責札を取り出し、また収納する。
他に何もせずそれだけを続けていると、日も落ちてきて辺りは暗くなっていた。
「拓、聞こえるか?」
通信の魔道具からガラの声がする。
「ガラ、聞こえるよ。そろそろ2人と合流しようと思っていた所。門の出た所で良いかな?」
「合流場所はエチゴ屋だ。エチゴさんやジーク達が拓と晩飯を食べてぇってよ。」
レオが明るい声で、集合場所を言って通信を終えた。
エチゴ屋に行くと、料理が用意されていて旅の思い出話しで盛り上がる。
デザートを食べ終わるとエチゴが仕事の話をする。
「私の所に、休憩所の改造の件で拓さんと話がしたいと来ました。」
「もう来たのですか。価格については、エチゴさんに交渉をお願いして良いでしょうか。
新しい設置が来た時は、今までの3倍の値段で対応する話になっています。」
3倍であろうと、自分達で行う事を考えれば破格の安値だった。
「分かりました。改造の順番は?」
「主要街道を先にして、後は回り易い順番で。
新規の依頼が来たら主要街道の後はそちらを優先させたいです。
細かい所は商人の方々が動きやすいように対応して貰えればと思います。」
エチゴは頷くと心配そうに拓を見た。拓は不思議そうにエチゴを見返す。
「拓、俺達は何を手伝えば良い?」
そんな拓にジークが尋ねる。
拓の目は、少し間を置いてジークの顔を認識していた。
「拓、大丈夫か?」
「えっ、あ、あぁ、大丈夫。大丈夫。」
「何かをするなら俺達も混ぜろよ。考えている事が有るなら話してみろ。少しは力になれるかもしれない。」
拓は話そうとするが、ワンガの事だけでなく、自分の立ち位置も分からなくなり何を言えば良いのか自分でも整理が出来ずにいた。
何とかしようとすると、この世界の流れに翻弄されてしまう。
免責札のせい?自分の魔力のせい?自分の行動のせい?それともこの世界のせい?どれも当たりで、どれも違う。
「拓、落ち着いたら言ってくれ。自分一人で背負い込むなよ。」
「ありがとう。整理出来たら、話させてもらうよ。」
「そう言えば、昼間 金狼のメンバーと会ったぞ。拓に挨拶をしたいと言っていた。」
ジークはそれ以上突っ込まず、話題を変える。
こんな状態でも拓は温泉で見たロウガとハンスの絡んでいたシーンを思い出す。
「そうなんだ。俺も話したいな。」
「今度、一緒に飲みに行くか。あいつ等も喜ぶと思う。」
「良いですね。地下湖で合ったのが、随分と昔の様な気がする。」
食事会も終わり、OZは王都の外でテントを張ると拓は本を開いて見ていた。
視線は本に向けているが、目の焦点が合っていない。
そんな拓をレオは後ろから抱きしめた。
「なっ、どうしたんだよ。」
「元気の充填だ。」
レオは更に強く抱きしめ、拓にほほ擦りをする。
「大丈夫だ。この世界には、『他人の為に動く者には、女神が微笑む』という言葉が有る。
拓に微笑まないで、誰に微笑むって言うんだ。」
拓は、レオの胸板に頭を預けてぬくもりを感じていた。
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