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372決闘
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「拓、拓が決闘を受けたのは免責札の持ち主としてか?それとも冒険者としてか?」
様子を見ていたガラが拓に話しかける。拓はガラを見て一瞬目を細めると
「当然、冒険者として受けている。免責札を出す気は無い。
決闘については後で話すとして、そこで倒れている者を連れてお引き取り下さい。」
酔っぱらいを運ばせた。
拓は間に入ってくれた貴族に礼を言うと、とりあえずサリバン先生を送ることにした。
城まで来るとオリバー隊長が迎えてくれ、直ぐにブルネリ公爵とクロイツ公爵が来るので待つ事になった。
「サリバン先生。本日は騒ぎに巻き込んでしまい申し訳ありませんでした。」
「私の事はお気にせずに。ですが拓様は大丈夫ですか?」
「正直、どうして良いのか分かりません。先ずはブルネリ公爵とクロイツ公爵に話をしてみます。」
ブルネリ公爵とクロイツ公爵が現れると、そのままクロイツ公爵の屋敷に向かうことになった。
「このタイミングで決闘を受けてしまうとは・・・
決闘相手は貴族はバラキエ公爵の派閥の貴族だぞ。どうするつもりだ。」
ブルネリ公爵に言われ拓は頭を抱えるしかなかった。
「拓殿は、休憩所の件をどうにかしたかったのではなかったのか?」
「・・・そうです。正直、落としどころを見つけることが出来ません。」
「だろうな。先ずは決闘だ。どうするつもりだ。」
「それは自分が出ます。とりあえず相手の顔を立て、これ以上酷い状態にしないつもりでいます。」
「拓殿の立場を考えると悪手だな。それは国王の面子を潰すことになりかねない。」
「向こうの代役と貴族の方はどうなりますか?」
「・・・拓殿はどうしたい。」
「理想は、元の状態に戻す。ですが、これは不可能だと考えています。
ですので貴族の降格だけで済ませる。そんな所でしょうか。」
「良い落としどころだと思うが、簡単ではない。普通は良くても一族共に貴族地位のはく奪だな。」
「しかし、これが最低条件です。そうでなければ、免責札のせいで私自身この先の身動きが取れなくなってしまいます。」
拓は天井を仰ぎ見て溜息をする。
ガラの機転で免責札の持ち主でなく冒険者として決闘を受けることになったが、そんなのは言葉の誤魔化しにしかならない。
酔っぱらいのせいで全てが崩れてしまった。いや、自分の対応に問題が有ったのだろうか?
どうすれば良かったのか・・・考えても答えは出て来ない。
正式な連絡ではないが、決闘は2週間後になる予定だった。
その日は遅くまで話をしていたので、OZはブルネリ公爵の屋敷に泊めてもらう。
「ガラ、レオ、もう疲れたよ。何で余計なトラブルが向こうから来るんだ?」
「なぁ、拓。本当に嫌になったら、全てを投げ捨ててこの世界を回ってみないか?」
「楽しそうで良いじゃねぇか。免責札を持っているからって国に縛られる必要はねぇみたいだし。」
ガラとレオに抱きしめられ、拓はもう少し頑張ることにした。
バラキエ公爵は屋敷に騒動を犯した貴族を呼び出し、怒りを露わにしていた。
「一体何を考えている。拓殿が冒険者として決闘を受けたと言ったがどうなるか分かっているのか?」
「息子が申し訳ない事をしでかしました。」
「覚悟はしておけ。」
この間のパーティでの護衛への対応で、拓の目的をバラキエ公爵も理解している。
既に派閥の貴族達から強い圧力を受けて、もはや動かないわけにはいかない状態に追い込まれていた。
自分のやった事を考えれば、拓として最大限の譲歩だと思う。
いや、自分の為でなく他の人の為だとはいえ、良く手をさしだしてくれたと思う。
しかし今回の件で、その向けてくれた手を握ることは出来なくなってしまった。
拓が冒険者と言ったのであれば蜘蛛の糸程度の希望は持てるが、もはや自分からその糸を掴むことも出来ない。
「決闘の代理を立てると言っていたが、当ては有るのか?
将軍か隊長クラスでなければ、拓殿と戦いにもならないぞ。」
勝てないとしても、貴族が下手な試合を見せるわけにはいかない。
貴族が自分達の私兵の中で腕の立つ者とOZを戦わせて全員が負けている事や
あのオリバー隊長が武技を使って負けたという話はバラキエ公爵も知っている。
もはやバラキエ公爵にとって拓の存在は、勇者を超える恐るべき化け物だった。
様子を見ていたガラが拓に話しかける。拓はガラを見て一瞬目を細めると
「当然、冒険者として受けている。免責札を出す気は無い。
決闘については後で話すとして、そこで倒れている者を連れてお引き取り下さい。」
酔っぱらいを運ばせた。
拓は間に入ってくれた貴族に礼を言うと、とりあえずサリバン先生を送ることにした。
城まで来るとオリバー隊長が迎えてくれ、直ぐにブルネリ公爵とクロイツ公爵が来るので待つ事になった。
「サリバン先生。本日は騒ぎに巻き込んでしまい申し訳ありませんでした。」
「私の事はお気にせずに。ですが拓様は大丈夫ですか?」
「正直、どうして良いのか分かりません。先ずはブルネリ公爵とクロイツ公爵に話をしてみます。」
ブルネリ公爵とクロイツ公爵が現れると、そのままクロイツ公爵の屋敷に向かうことになった。
「このタイミングで決闘を受けてしまうとは・・・
決闘相手は貴族はバラキエ公爵の派閥の貴族だぞ。どうするつもりだ。」
ブルネリ公爵に言われ拓は頭を抱えるしかなかった。
「拓殿は、休憩所の件をどうにかしたかったのではなかったのか?」
「・・・そうです。正直、落としどころを見つけることが出来ません。」
「だろうな。先ずは決闘だ。どうするつもりだ。」
「それは自分が出ます。とりあえず相手の顔を立て、これ以上酷い状態にしないつもりでいます。」
「拓殿の立場を考えると悪手だな。それは国王の面子を潰すことになりかねない。」
「向こうの代役と貴族の方はどうなりますか?」
「・・・拓殿はどうしたい。」
「理想は、元の状態に戻す。ですが、これは不可能だと考えています。
ですので貴族の降格だけで済ませる。そんな所でしょうか。」
「良い落としどころだと思うが、簡単ではない。普通は良くても一族共に貴族地位のはく奪だな。」
「しかし、これが最低条件です。そうでなければ、免責札のせいで私自身この先の身動きが取れなくなってしまいます。」
拓は天井を仰ぎ見て溜息をする。
ガラの機転で免責札の持ち主でなく冒険者として決闘を受けることになったが、そんなのは言葉の誤魔化しにしかならない。
酔っぱらいのせいで全てが崩れてしまった。いや、自分の対応に問題が有ったのだろうか?
どうすれば良かったのか・・・考えても答えは出て来ない。
正式な連絡ではないが、決闘は2週間後になる予定だった。
その日は遅くまで話をしていたので、OZはブルネリ公爵の屋敷に泊めてもらう。
「ガラ、レオ、もう疲れたよ。何で余計なトラブルが向こうから来るんだ?」
「なぁ、拓。本当に嫌になったら、全てを投げ捨ててこの世界を回ってみないか?」
「楽しそうで良いじゃねぇか。免責札を持っているからって国に縛られる必要はねぇみたいだし。」
ガラとレオに抱きしめられ、拓はもう少し頑張ることにした。
バラキエ公爵は屋敷に騒動を犯した貴族を呼び出し、怒りを露わにしていた。
「一体何を考えている。拓殿が冒険者として決闘を受けたと言ったがどうなるか分かっているのか?」
「息子が申し訳ない事をしでかしました。」
「覚悟はしておけ。」
この間のパーティでの護衛への対応で、拓の目的をバラキエ公爵も理解している。
既に派閥の貴族達から強い圧力を受けて、もはや動かないわけにはいかない状態に追い込まれていた。
自分のやった事を考えれば、拓として最大限の譲歩だと思う。
いや、自分の為でなく他の人の為だとはいえ、良く手をさしだしてくれたと思う。
しかし今回の件で、その向けてくれた手を握ることは出来なくなってしまった。
拓が冒険者と言ったのであれば蜘蛛の糸程度の希望は持てるが、もはや自分からその糸を掴むことも出来ない。
「決闘の代理を立てると言っていたが、当ては有るのか?
将軍か隊長クラスでなければ、拓殿と戦いにもならないぞ。」
勝てないとしても、貴族が下手な試合を見せるわけにはいかない。
貴族が自分達の私兵の中で腕の立つ者とOZを戦わせて全員が負けている事や
あのオリバー隊長が武技を使って負けたという話はバラキエ公爵も知っている。
もはやバラキエ公爵にとって拓の存在は、勇者を超える恐るべき化け物だった。
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