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369改造
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舞踏会の次の日、拓は予定通り開拓地途中にある休憩所の改造を国からの支援金を受けることで行う。
そして、クロイツ公爵の知り合いの商人を紹介してもらう事になったのだが・・・
クロイツ公爵の屋敷の庭に現われたのは、付け髭、髪の色や形を変えたクロイツ公爵と、眼鏡を付け髪型を変えたブルネリ公爵。
馬車に荷物を積んで向かったのはスラム街。
そこで、ゴルゴとサブ、技術者達が合流する。
「新しい職場での初めての仕事だ。行くぞ!」
「「「お~!」」」
何時もと雰囲気の違うブルネリ公爵の掛け声に技術者達が声を上げる。
拓がブルネリ公爵とクロイツ公爵に新しい職場について聞いてみたが、笑って流されてしまった。
夕方に休憩所に付くと、冬と言う事で人は少なくなっていたが、未だそれなりに冒険者が居て賑わっていた。
壁のお陰で冷たい風を防ぐことが出来るので、何とかなっているみたいだ。
馬車は商人のエリアに置き、ブルネリ公爵、クロイツ公爵、OZ.私兵は商人エリアにテントを張り
技術者達は冒険者達のエリアにテントを張り、食事を取ることにした。
次の日から技術者の指示で、トイレや貯水池を作り上げた。
トイレに付いては、便座などの取り付けを行う。
トイレは休憩所の外に作ってある為、商人エリアと冒険者エリアとの壁に穴を空け、堀に橋を架ける。
そして、周囲に壁を作り上げて安全に使えるようにした。
作り上げた時には冒険者達が戻って来て、何が出来たのか覗きに来る。
「これはすげぇ。トイレじゃねぇか。」
「本当に助かる。もう、使えるのか?」
作り上げたが、未だ汚物処理をするスライムが居ない。その事を伝えると、
「スライムか・・・おい、皆。明日は魔獣退治の序にスライムを確保するぞ。」
「「「お~!」」」
貯水池にもスライムが必要だと伝えると、冒険者達は「任せておけ」と請け負ってくれた。
技術者達が良い機会なので冒険者達に休憩地内の竈や、非常時の狼煙について説明する。
「あの、竈は外にエリアを作ってもらう事は出来ないか?」
話を聞くと、火を炊く事で言い合いになった事も有るらしい。
商人達のエリアは、料理を作るのが前提になっているので問題ないが、冒険者達は色々と有るみたいだ。
技術者が拓を見ると頷いているので、冒険者達の提案を受け入れることになった。
「何だか、継ぎはぎだらけの休憩地になってしまいますね。」
「拓さん、焚火エリアを商人エリアと同じサイズのエリアに出来ませんか?
そうすれば3エリアのバランスが取れて継ぎはぎ感が無くなるかと思います。
火を炊いて良いエリアと禁止のエリアとして分ければ冒険者も使いやすいでしょうし。」
「シンメトリックにしてしまえば誤魔化せるか。そうしましょう。」
拓はその晩の内に壁を作り上げてしまい、次の日の夜までには全て完成させてしまった。
作業を終わるのを見て、サブが拓を竈の所へと連れて行く。
「兄貴、拓を連れてきたっす。飯にしましょう。」
既に準備は出来上がっていて、拓と技術者待ちの状態だった。
直ぐにバーベキューが始まったのだが、少し離れた竈で市民と同じ服装をした数組の貴族達が居る。
拓と目が合ったので軽く会釈をすると、向こうも軽くあまたを下げるが、あえて声を掛けてくる事は無かった。
「バラキエ公爵の派閥の者だな。」
「他にも、拓殿が休憩所の増設をしているのを見てから開拓地へ向かう貴族が何組か居たぞ。
実際に泊って、確認する者も出て来るだろう。」
ブルネリ公爵とクロイツ公爵が拓に説明してくれていた。
休憩所の改造は無事に終わり、拓としては多くの貴族に見てもらい予定通りの結果を得られる事を望むだけだった。
そして、クロイツ公爵の知り合いの商人を紹介してもらう事になったのだが・・・
クロイツ公爵の屋敷の庭に現われたのは、付け髭、髪の色や形を変えたクロイツ公爵と、眼鏡を付け髪型を変えたブルネリ公爵。
馬車に荷物を積んで向かったのはスラム街。
そこで、ゴルゴとサブ、技術者達が合流する。
「新しい職場での初めての仕事だ。行くぞ!」
「「「お~!」」」
何時もと雰囲気の違うブルネリ公爵の掛け声に技術者達が声を上げる。
拓がブルネリ公爵とクロイツ公爵に新しい職場について聞いてみたが、笑って流されてしまった。
夕方に休憩所に付くと、冬と言う事で人は少なくなっていたが、未だそれなりに冒険者が居て賑わっていた。
壁のお陰で冷たい風を防ぐことが出来るので、何とかなっているみたいだ。
馬車は商人のエリアに置き、ブルネリ公爵、クロイツ公爵、OZ.私兵は商人エリアにテントを張り
技術者達は冒険者達のエリアにテントを張り、食事を取ることにした。
次の日から技術者の指示で、トイレや貯水池を作り上げた。
トイレに付いては、便座などの取り付けを行う。
トイレは休憩所の外に作ってある為、商人エリアと冒険者エリアとの壁に穴を空け、堀に橋を架ける。
そして、周囲に壁を作り上げて安全に使えるようにした。
作り上げた時には冒険者達が戻って来て、何が出来たのか覗きに来る。
「これはすげぇ。トイレじゃねぇか。」
「本当に助かる。もう、使えるのか?」
作り上げたが、未だ汚物処理をするスライムが居ない。その事を伝えると、
「スライムか・・・おい、皆。明日は魔獣退治の序にスライムを確保するぞ。」
「「「お~!」」」
貯水池にもスライムが必要だと伝えると、冒険者達は「任せておけ」と請け負ってくれた。
技術者達が良い機会なので冒険者達に休憩地内の竈や、非常時の狼煙について説明する。
「あの、竈は外にエリアを作ってもらう事は出来ないか?」
話を聞くと、火を炊く事で言い合いになった事も有るらしい。
商人達のエリアは、料理を作るのが前提になっているので問題ないが、冒険者達は色々と有るみたいだ。
技術者が拓を見ると頷いているので、冒険者達の提案を受け入れることになった。
「何だか、継ぎはぎだらけの休憩地になってしまいますね。」
「拓さん、焚火エリアを商人エリアと同じサイズのエリアに出来ませんか?
そうすれば3エリアのバランスが取れて継ぎはぎ感が無くなるかと思います。
火を炊いて良いエリアと禁止のエリアとして分ければ冒険者も使いやすいでしょうし。」
「シンメトリックにしてしまえば誤魔化せるか。そうしましょう。」
拓はその晩の内に壁を作り上げてしまい、次の日の夜までには全て完成させてしまった。
作業を終わるのを見て、サブが拓を竈の所へと連れて行く。
「兄貴、拓を連れてきたっす。飯にしましょう。」
既に準備は出来上がっていて、拓と技術者待ちの状態だった。
直ぐにバーベキューが始まったのだが、少し離れた竈で市民と同じ服装をした数組の貴族達が居る。
拓と目が合ったので軽く会釈をすると、向こうも軽くあまたを下げるが、あえて声を掛けてくる事は無かった。
「バラキエ公爵の派閥の者だな。」
「他にも、拓殿が休憩所の増設をしているのを見てから開拓地へ向かう貴族が何組か居たぞ。
実際に泊って、確認する者も出て来るだろう。」
ブルネリ公爵とクロイツ公爵が拓に説明してくれていた。
休憩所の改造は無事に終わり、拓としては多くの貴族に見てもらい予定通りの結果を得られる事を望むだけだった。
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