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357一難去ってまた一難
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「それは、どういう事でしょうか?」
「流石に免責札を持つ拓殿が舞踏会に1人で入場する訳にはいかないだろう。
それに、初めに踊ってもらうので、相手を決めておかないとな。
貴族の女性と会っていて、エスコートをしたい相手は居たか?」
「・・・考えさせてください。ちなみに、由美ちゃんと里香ちゃんは?」
知り合いの女性で、最も近くにいる2人に聞いて見ると
「私はエドモンド王子と踊ります。」「私はギルベルト王子。」
拓はサリナ姫を見ると
「私は浩司様にエスコートして頂きます。」
王族と勇者でカップルが成立していた。
「変な事を聞きますが、王子であれば婚約者が居るのではないですか?」
「居るが、今回だけは特別に相手にも許可を貰っている。
流石に、勇者を他の貴族に任せる訳にはいかないからな。」
拓としては婚約者の女性に焼餅を焼かれないかと心配になるが、その辺は上手くやっているのだろう。だとすると
「もし、私が2人の婚約者のどちらかをエスコートする事にしたらどうなりますか?」
「それは大問題になる。ゴシップどころか、相手の家にも多大な迷惑がかかる。」
勇者はこの世界への来賓となるが、拓の立場は貴族達と同等。
拓が王子の婚約者に対し下心が無くとも、あらぬ疑いが掛かることになる。
貴族、貴族、貴族・・・何人もの貴族と食事などをして来たが、拓は殆どの女性の顔も覚えていない。
一難去ってまた一難。遅くても年明けのパーティの時までに相手を決める必要があるとの事。
「5,6歳の小さな子供のエスコートをするというのはどうでしょうか?」
「拓殿、その年の女性は参加しない。参加するのは15歳以上だ。
今年、20になる女性まで初めての舞踏会になるので、かなり力が入っているだろう。」
高い地位の貴族は、家通しで婚約が進められるが、そうでない場合は舞踏会は相手を探す格好の場となる。
相手の居ない男女にとって、そこは狩場。
十分に気を付ける様にと注意される。
「なに、拓殿が見付けられなければ、余の方で相手を探しておこう。」
困った顔の拓を見て、国王は一言付け加える。
ただ、それは自分で相手を見つけられないと取られ、免責札を持つ者としては少し情けない状態になる。
拓も雰囲気的に良くない事は感じ、最大限の努力をすることにした。
ちなみに、5,6歳の子供でも、家同士で決めた婚約者が居る事もあり、拓の歳との間での婚約も有り得るらしい。
その日の晩はOZの3人は城に泊ったのだが、拓はベットに横たわると黙ったまま天井を見上げていた。
「ダンスのパートナーの事で悩んでいるのか?」
ガラに聞かれて頷く拓。
「そうだ。ガラかレオが女装して俺のパートナーをしてもらうのはどう?」
「拓って突拍子の無い事を考えるよな。俺達が女装したらお笑いにしかならねぇだろ。」
レオが突っ込み、ガラと一緒に笑う。
確かに顔も身体も厳つすぎる2人の女装は、違和感しか無いだろう。
「パーティで適当な相手を探すしかないだろう。」
「こんな事なら、貴族の女性にも友達を作っておけばよかった。」
「今更言っても仕方ねぇだろ。俺達が惚れた拓なら大丈夫だ。」
ガラとレオに抱きしめられる。
正直、拓にとってダンスは大変だが、ガラやレオと一緒に練習をしたのは楽しかった。
拓は本心から2人とダンスを踊りたいと思ったが、こればかりは諦めるしかない。
「流石に免責札を持つ拓殿が舞踏会に1人で入場する訳にはいかないだろう。
それに、初めに踊ってもらうので、相手を決めておかないとな。
貴族の女性と会っていて、エスコートをしたい相手は居たか?」
「・・・考えさせてください。ちなみに、由美ちゃんと里香ちゃんは?」
知り合いの女性で、最も近くにいる2人に聞いて見ると
「私はエドモンド王子と踊ります。」「私はギルベルト王子。」
拓はサリナ姫を見ると
「私は浩司様にエスコートして頂きます。」
王族と勇者でカップルが成立していた。
「変な事を聞きますが、王子であれば婚約者が居るのではないですか?」
「居るが、今回だけは特別に相手にも許可を貰っている。
流石に、勇者を他の貴族に任せる訳にはいかないからな。」
拓としては婚約者の女性に焼餅を焼かれないかと心配になるが、その辺は上手くやっているのだろう。だとすると
「もし、私が2人の婚約者のどちらかをエスコートする事にしたらどうなりますか?」
「それは大問題になる。ゴシップどころか、相手の家にも多大な迷惑がかかる。」
勇者はこの世界への来賓となるが、拓の立場は貴族達と同等。
拓が王子の婚約者に対し下心が無くとも、あらぬ疑いが掛かることになる。
貴族、貴族、貴族・・・何人もの貴族と食事などをして来たが、拓は殆どの女性の顔も覚えていない。
一難去ってまた一難。遅くても年明けのパーティの時までに相手を決める必要があるとの事。
「5,6歳の小さな子供のエスコートをするというのはどうでしょうか?」
「拓殿、その年の女性は参加しない。参加するのは15歳以上だ。
今年、20になる女性まで初めての舞踏会になるので、かなり力が入っているだろう。」
高い地位の貴族は、家通しで婚約が進められるが、そうでない場合は舞踏会は相手を探す格好の場となる。
相手の居ない男女にとって、そこは狩場。
十分に気を付ける様にと注意される。
「なに、拓殿が見付けられなければ、余の方で相手を探しておこう。」
困った顔の拓を見て、国王は一言付け加える。
ただ、それは自分で相手を見つけられないと取られ、免責札を持つ者としては少し情けない状態になる。
拓も雰囲気的に良くない事は感じ、最大限の努力をすることにした。
ちなみに、5,6歳の子供でも、家同士で決めた婚約者が居る事もあり、拓の歳との間での婚約も有り得るらしい。
その日の晩はOZの3人は城に泊ったのだが、拓はベットに横たわると黙ったまま天井を見上げていた。
「ダンスのパートナーの事で悩んでいるのか?」
ガラに聞かれて頷く拓。
「そうだ。ガラかレオが女装して俺のパートナーをしてもらうのはどう?」
「拓って突拍子の無い事を考えるよな。俺達が女装したらお笑いにしかならねぇだろ。」
レオが突っ込み、ガラと一緒に笑う。
確かに顔も身体も厳つすぎる2人の女装は、違和感しか無いだろう。
「パーティで適当な相手を探すしかないだろう。」
「こんな事なら、貴族の女性にも友達を作っておけばよかった。」
「今更言っても仕方ねぇだろ。俺達が惚れた拓なら大丈夫だ。」
ガラとレオに抱きしめられる。
正直、拓にとってダンスは大変だが、ガラやレオと一緒に練習をしたのは楽しかった。
拓は本心から2人とダンスを踊りたいと思ったが、こればかりは諦めるしかない。
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