欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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355ヘビモス素材販売

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拓がダンスの特訓で泣きそうになっている頃、エチゴ屋では今年の最大のイベント
「ヘビモスの素材販売」
の準備の大詰めになっていた。
既に貴族達には報告が行われ、販売会場も抑えられている。
流石に、普通に店での対応ではを警備が間に合わない。

合わせて、年明けのパーティに対する食材の依頼も雪崩れ込んできて対応に追われていた。


販売当日、OZ、クリームにも警備の依頼が行われ、他にも他の店からの助っ人や多くの冒険者にも依頼を出していた。

「皆さん。貴族の方々が多く来られますので応対には気を付ける様に。
 では、開場します。宜しくお願いします。」

エチゴの掛け声に「宜しくお願いします」売り子や警備の冒険者が応え、貴族達が会場に入って来た。
OZ、クリームは会場内の巡回警備を行っている。

かなり高い値段が付いているが、値引き交渉は無し。
拓としては、これで売れるのか心配になっていたが、信じられないことに飛ぶ様に売れている。

嵐の様な販売が行われ、午前中に全て完売。
しかし大金が動いている為、護衛任務は終わらない。
3時間ほどかかり販売金額の確認を終えて、拓がアイテムボックスに収納しエチゴ屋まで運んで一息付くことが出来た。
OZ、クリームが遅い昼食を食べている間もエチゴ達は忙しく動き回っている。

「凄かったね。一瞬にしてあれほどの大金が動くとは思わなかった。」
「しかし、これで新しい防具を作れるな。」
「その為にOZのマークも決めたしな。早く寸法を測ってもらいてぇな。」

OZが嬉しそうに話している。
エチゴの方で職人の確保はしているが、造るのは販売を行った後としていた。
今と大して変わらない形になるが、3人で同じマークを付けることになっている。
クリームの方も、新しい防具の話で盛り上がる。

食事も終わり、お茶をしながら寛いでいるとエチゴとアルがやって来た。

「皆さん、お待たせしました。これから鍛冶屋にお連れしたいと思います。」

エチゴに連れられ防具職人の下へと連れていかれる。親方と呼ばれる職人を紹介すると

「エチゴさん、防具を作るのは彼等ですか?
 噂のAランク冒険者までいるじゃねぇか。」

噂の冒険者と言って拓を見る。

「俺の噂ですか?」
「お前さんは、闇の悪魔と言われている拓だろ。Aランク冒険者の試験、開拓地の騒動は俺にも聞こえて来たぞ。」
「・・・」

拓が唖然として言葉を失うと、ガラとレオが笑い始めてしまった。
クリーム、エチゴ、アルは拓とは目を合わせない様にしている。
どうやら、拓がそう呼ばれているのを知っているみたいだった。

拓としては、その噂を否定したかったが、直ぐに作る防具の話になる。
拓がヘビモスの素材を渡すとじっくりと調べる。

「信じられない程、良い状態じゃないか。これだけの素材を扱えるとは思いもしなかった。
 俺の職人人生で最高の防具を作ってやる。
 で、どういう防具が希望なんだ?」

親方は一人づつ希望を聞きながら改善提案を色々と上げて最終形態を決めた。
最後に全員の身体のサイズを確認すると、直ぐに仕事に取り掛かってくれた。

オーダーメイドで高級素材を使う為、何度か工房に顔を出しサイズの調整を行い年始には出来上がる予定だ。
工房を出ると、拓はクリームのメンバーやエチゴ、アルに改めてヘビモスの素材を提供してくれた事に礼を言われていた。
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感想 10

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