欲にまみれた楽しい冒険者生活

351乾杯

子供達が家から少しずつ食べ物を持ち寄っているので、拓はジュースの差し入れ。

「兄ちゃんと技術者の人達のお陰で新しい秘密基地の完成だ。」

ガキ大将の言葉でジュースで乾杯。
貴族の子供も一緒に居るが、普通の子供として遊んでいる。
直ぐに子供達に秘密基地を案内が始まった。
ジークとニコラスははしゃいで秘密基地を走り回り、どちらが子供か分からない。
ジェニファーとロビンは建物その物を確認し拓の魔法に感心し、トムは子供とノンビリと歩いて見学していた。

ＯＺも一通り回って秘密基地に満足すると、バーベキューの準備を始めた。
拓は遊んでいる子供達に、

「新築祝いにバーベキューをやるから、親に許可をもらってきてくれるかな。
　技術者の人も一緒だから安心して。
　一応、俺達の事は村長に冒険者のＯＺ、クリームと言ってくれれば保証してくれるはずだから。」

そう言って、一度解散させることにした。
子供達は「分かった」と言って、それぞれが家に帰って行く。
拓が網を乗せる台と、椅子を岩で作り、薪をセットしていると子供達が親や村長と一緒にやって来た。

「ＯＺの皆さん、クリームの皆さん。子供達の事を宜しくお願いします。」

村長が挨拶をすると、親も安心したみたいで

「悪い事したら、バシバシと叱ってやってくださいね。」

等と言って子供を預けることにした。
中には開拓の時、拓が壁を作り上げていたのを見ていた村人も居て、改めて拓に礼を言ってくる人も居た。

「なぁ、父ちゃん達が礼を言うなんて、兄ちゃんって凄い人なのか？」
「何だ、この内側から滲み出る凄さが分からないのか？」
「うん、分からない。」
「だろうね。俺は開拓するときに作業を行っただけだよ。ほら、バーベキューを行うぞ。」

拓は子供の反応を笑うと、薪に火をつける。

「俺達の秘密基地に乾杯！」

ガキ大将の掛け声で、大人も子供はジュースで乾杯をすると、肉を焼き始めた。
大人側には酒を飲みたい人も居たが、技術者達の仕事があるため全員遠慮することにした。
大人も子供も舌包みを打ちながら、肉を食べる食べる。
拓は空いた皿に追加で肉を配っていくと・・・腹が一杯で動けない人達多数。
クリームのメンバーまで動けなくなっている。

技術者達は仕事に戻り、残りは陽だまりの中　色々と話していると直ぐに夕方になっていた。

「拓、そろそろ屋台を手伝う時間だぞ。」
「え～、もう終わりにするの。」

ガラの言葉に、子供達からブーイングを受けるが仕事が有るので仕方がない。
拓は魔法で作り上げた岩の台や椅子などを潰して新地に戻すと、子供達や技術者に挨拶をしてエチゴの下へと帰ることにした。


明後日には帰るが、拓にとって楽しい滞在となっていた。
最後は魔獣退治を行い村に帰って来ると、冒険者エリアの入口で３人組の冒険者が怒鳴っている姿が有った。
冒険者達の前には村の子供達が倒れていた。

「何をしているんだ。」

拓が子供達の前に立ち、冒険者達に問う。

「このガキ共が入口に立っていて目障りなのよ。」
「立っていただけで、こんな事をしたのか。」
「そうよ。何か悪い？」

３人組の冒険者の中の女が答え、両隣に控える男の冒険者２人が拓を威嚇する、
拓が後ろに居る子供達に何をしていたのか聞く。

「兄ちゃん達に昨日のお礼を言おうとして、そこで帰って来るのを待っていたんだ。」

子供達は邪魔にならない場所で立っていた。
拓がその答えを聞くと、女は顔を殴られ吹っ飛んだ。