332 / 542
332終了
しおりを挟む
エチゴ商隊の他にクロイツ公爵一行、そして護衛の兵士達
大所帯の移動が始まった。
途中の村ではこの人数を止める宿は無く、クロイツ公爵もテント生活を行っていた。
拓が怪我人の治療を行う時は、クロイツ公爵が連れてきた治癒魔導士も一緒に治療を行ってくれた。
クロイツ公爵は治療を終えた治癒魔導士を呼んで話を聞く。
「拓殿の治癒魔法はどうだ?」
「聞いていた以上に素晴らしいです。中級魔法ですが魔力量と技術で上級魔法を使う私より優れています。」
「彼が上級魔法を使える可能性はないか?」
「上級魔法ですか?あそこまで他の魔法を覚えていると、その可能性は無いかと。
正直、多種類の中級魔法を使えるだけでも恐ろしい程の存在と言えます。」
「もし、勇者様が複数の魔法を使えるようになっていたら、上級魔法を使えると思うか?」
「勇者様の魔力量は我々とは比較にならないほど凄いですが、流石にあれだけ多種類の魔法を覚えてしまうと難しいのではないでしょうか。」
クロイツ公爵は治癒魔導士を下がらせると、黙って考え込んでしまった。
村を回り休憩所作りになると、クロイツ公爵は拓の作業を見せてもらい改めて拓の魔法に感嘆していた。
拓は何時もの通り、湯の玉を作って兵士達が身体を洗うのを見て目の保養をすることに。
「良ければクロイツ公爵も体を洗われますか?」
「それは助かる。では皆が終わった後にでも洗わせてもらおうか。」
兵士達や仲間の逞しい身体を十分に堪能した後、クロイツ公爵が体を洗う。
「拓殿も未だ洗っていないのだろう。一緒に洗ってしまってはどうだ。」
流石に拓もクロイツ公爵の前に体を洗うのは躊躇い、最後に1人で洗うつもりだった。
「これは気持ちいな。休憩所を作った後なのに、こんな魔法を使って大丈夫なのか?」
「大した魔力を使っている訳では無いので、問題ありません。」
「実際に行動を共にすると、拓殿の保有魔力には驚かされる。」
クロイツ公爵と話しながらも、拓はしっかりと身体を観察していた。
中年男の脂ぎった太り気味の身体は、鍛えた逞しい身体とは違うエロさが有る。
マッチョやガチムチ系の身体ばかり見ていたので、この脂ギッシュな身体は新鮮だ。
妄想に浸りそうな拓に、クロイツ公爵が話しかける。
「拓殿は仲間には自分の出身の事を話しているのか?」
「このメンバーだけには話しています。そうでないと身動きが取れなくなりますので。」
「信用しているのだな。」
「はい。信用できる自慢の仲間です。」
嬉しそうに話す拓を見て、クロイツ公爵は微笑んでいた。
これだけの兵士達に護衛され、問題なく最後の休憩所が完成した。
「これで、全ての休憩所作りは完了です。護衛をして頂き有りがとうございました。」
拓が礼を言うと、全員から拍手で応えられた。
そして、最後の夜は全員で色々な肉を使った料理が振舞われた。
流石に酒を飲むことは出来ないが宴会の様に盛り上がり、賑やかな状態に。
「「お前等、ここが何処か分かっているのか。こんなに騒ぐとは何を考えている。」」
クロイツ公爵の私兵も、休憩所作りの護衛の兵士も共に兵士長に怒鳴られ、拓に謝っていた。
拓としては、騒いで魔獣が来ても安全かどうか確認できればいいので問題ないのだが・・・素直に謝罪を受け入れていた。
「拓殿、申し訳なかった。しかし、無事に休憩所も作り終わり、これで舞踏会が開催できるな。」
クロイツ公爵に言われ、固まってしまう拓。完全に忘れていた。
王都に戻ったらダンスの訓練を受けなければならないのか・・・。
「クロイツ公爵はダンスは踊れるのですか?」
「当然、踊れるぞ。貴族は子供のころからダンスの練習をしているからな。
もう、この腹で軽やかという訳にはいかないがな。」
クロイツ公爵は自分の腹を叩いて笑っているが、問題なく踊れるみたいだ。
溜息を吐く拓を見て、ガラやレオ、クリームのメンバーが笑っている。
「国王様に教師を付けてもらえるのなら、問題ないだろう。
それから戻ったらAランク冒険者の試験が有るが、私の護衛任務をしてもらう事が決まった。」
「公爵自ら冒険者試験を引き受けたのですか?」
「正確に言うと、商人見習のクロイツだな。はっはっは。」
ポケットからつけ髭を取り出し、サッと付けるクロイツ公爵。
もしかして、変装するのが楽しいのだろうか?
拓は、コスプレ仲間が出来たかもしれないと密かに思っていた。
大所帯の移動が始まった。
途中の村ではこの人数を止める宿は無く、クロイツ公爵もテント生活を行っていた。
拓が怪我人の治療を行う時は、クロイツ公爵が連れてきた治癒魔導士も一緒に治療を行ってくれた。
クロイツ公爵は治療を終えた治癒魔導士を呼んで話を聞く。
「拓殿の治癒魔法はどうだ?」
「聞いていた以上に素晴らしいです。中級魔法ですが魔力量と技術で上級魔法を使う私より優れています。」
「彼が上級魔法を使える可能性はないか?」
「上級魔法ですか?あそこまで他の魔法を覚えていると、その可能性は無いかと。
正直、多種類の中級魔法を使えるだけでも恐ろしい程の存在と言えます。」
「もし、勇者様が複数の魔法を使えるようになっていたら、上級魔法を使えると思うか?」
「勇者様の魔力量は我々とは比較にならないほど凄いですが、流石にあれだけ多種類の魔法を覚えてしまうと難しいのではないでしょうか。」
クロイツ公爵は治癒魔導士を下がらせると、黙って考え込んでしまった。
村を回り休憩所作りになると、クロイツ公爵は拓の作業を見せてもらい改めて拓の魔法に感嘆していた。
拓は何時もの通り、湯の玉を作って兵士達が身体を洗うのを見て目の保養をすることに。
「良ければクロイツ公爵も体を洗われますか?」
「それは助かる。では皆が終わった後にでも洗わせてもらおうか。」
兵士達や仲間の逞しい身体を十分に堪能した後、クロイツ公爵が体を洗う。
「拓殿も未だ洗っていないのだろう。一緒に洗ってしまってはどうだ。」
流石に拓もクロイツ公爵の前に体を洗うのは躊躇い、最後に1人で洗うつもりだった。
「これは気持ちいな。休憩所を作った後なのに、こんな魔法を使って大丈夫なのか?」
「大した魔力を使っている訳では無いので、問題ありません。」
「実際に行動を共にすると、拓殿の保有魔力には驚かされる。」
クロイツ公爵と話しながらも、拓はしっかりと身体を観察していた。
中年男の脂ぎった太り気味の身体は、鍛えた逞しい身体とは違うエロさが有る。
マッチョやガチムチ系の身体ばかり見ていたので、この脂ギッシュな身体は新鮮だ。
妄想に浸りそうな拓に、クロイツ公爵が話しかける。
「拓殿は仲間には自分の出身の事を話しているのか?」
「このメンバーだけには話しています。そうでないと身動きが取れなくなりますので。」
「信用しているのだな。」
「はい。信用できる自慢の仲間です。」
嬉しそうに話す拓を見て、クロイツ公爵は微笑んでいた。
これだけの兵士達に護衛され、問題なく最後の休憩所が完成した。
「これで、全ての休憩所作りは完了です。護衛をして頂き有りがとうございました。」
拓が礼を言うと、全員から拍手で応えられた。
そして、最後の夜は全員で色々な肉を使った料理が振舞われた。
流石に酒を飲むことは出来ないが宴会の様に盛り上がり、賑やかな状態に。
「「お前等、ここが何処か分かっているのか。こんなに騒ぐとは何を考えている。」」
クロイツ公爵の私兵も、休憩所作りの護衛の兵士も共に兵士長に怒鳴られ、拓に謝っていた。
拓としては、騒いで魔獣が来ても安全かどうか確認できればいいので問題ないのだが・・・素直に謝罪を受け入れていた。
「拓殿、申し訳なかった。しかし、無事に休憩所も作り終わり、これで舞踏会が開催できるな。」
クロイツ公爵に言われ、固まってしまう拓。完全に忘れていた。
王都に戻ったらダンスの訓練を受けなければならないのか・・・。
「クロイツ公爵はダンスは踊れるのですか?」
「当然、踊れるぞ。貴族は子供のころからダンスの練習をしているからな。
もう、この腹で軽やかという訳にはいかないがな。」
クロイツ公爵は自分の腹を叩いて笑っているが、問題なく踊れるみたいだ。
溜息を吐く拓を見て、ガラやレオ、クリームのメンバーが笑っている。
「国王様に教師を付けてもらえるのなら、問題ないだろう。
それから戻ったらAランク冒険者の試験が有るが、私の護衛任務をしてもらう事が決まった。」
「公爵自ら冒険者試験を引き受けたのですか?」
「正確に言うと、商人見習のクロイツだな。はっはっは。」
ポケットからつけ髭を取り出し、サッと付けるクロイツ公爵。
もしかして、変装するのが楽しいのだろうか?
拓は、コスプレ仲間が出来たかもしれないと密かに思っていた。
23
お気に入りに追加
397
あなたにおすすめの小説
超絶美麗な美丈夫のグリンプス ─見るだけで推定一億円の男娼でしたが、五倍の金を払ったら溺愛されて逃げられません─
藜-LAI-
BL
ヤスナの国に住む造り酒屋の三男坊で放蕩者のシグレは、友人からある日、なんでもその姿を見るだけで一億円に相当する『一千万ゼラ』が必要だという、昔話に準えて『一目千両』と呼ばれる高級娼婦の噂を聞く。
そんな中、シグレの元に想定外の莫大な遺産が入り込んだことで、『一目千両』を拝んでやろうと高級娼館〈マグノリア〉に乗り込んだシグレだったが、一瞬だけ相見えた『一目千両』ことビャクは、いけ好かない高慢ちきな美貌のオトコだった!?
あまりの態度の悪さに、なんとかして見る以外のことをさせようと、シグレは破格の『五千万ゼラ』を用意して再び〈マグノリア〉に乗り込んだのだが…
〜・Å・∀・Д・ω・〜・Å・∀・Д・ω・〜
シグレ(26) 造り酒屋〈龍海酒造〉の三男坊
喧嘩と玄人遊びが大好きな放蕩者
ビャク(30〜32?) 高級娼館〈マグノリア〉の『一目千両』
ヤスナでは見かけない金髪と翠眼を持つ美丈夫
〜・Å・∀・Д・ω・〜・Å・∀・Д・ω・〜
Rシーンは※をつけときます。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
花のような 月のような
フジキフジコ
BL
【2017/7/18完結】
タケシの兄貴分の神は、アイドル歌手の櫻井ルイと付き合っていたが、ルイは敵対する組の組長の愛人だった。
神から、ルイと一緒に逃げてくれと頼まれたタケシ。
二人の逃亡の旅路。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。

皇子ではなく魔塔主の息子だった俺の逃走計画
春暮某乃
BL
ノヴァ•サンセント。
帝国の第二皇子である。今年、15歳の誕生日を迎える年だった。
皇族は15歳になれば、帝国民へ皇族の仲間入りをしたと知らせる大きな宴が開かれる。
しかし、婚外子のノヴァが皇族になることを気に入らない人間が多くいた。
その誕生日会の知らせが皇帝から宣言されたことによりノヴァの周りはさまざまなことが変化していく。
義兄×義弟
実父×息子
⚠️なんでもあり向け。
題名の通りです。
あらすじまた後で書き直します!

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
異世界でホワイトな飲食店経営を
視世陽木
ファンタジー
定食屋チェーン店で雇われ店長をしていた飯田譲治(イイダ ジョウジ)は、気がついたら真っ白な世界に立っていた。
彼の最後の記憶は、連勤に連勤を重ねてふらふらになりながら帰宅し、赤信号に気づかずに道路に飛び出し、トラックに轢かれて亡くなったというもの。
彼が置かれた状況を説明するためにスタンバイしていた女神様を思いっきり無視しながら、1人考察を進める譲治。
しまいには女神様を泣かせてしまい、十分な説明もないままに異世界に転移させられてしまった!
ブラック企業で酷使されながら、それでも料理が大好きでいつかは自分の店を開きたいと夢見ていた彼は、はたして異世界でどんな生活を送るのか!?
異世界物のテンプレと超ご都合主義を盛り沢山に、ちょいちょい社会風刺を入れながらお送りする異世界定食屋経営物語。はたしてジョージはホワイトな飲食店を経営できるのか!?
● 異世界テンプレと超ご都合主義で話が進むので、苦手な方や飽きてきた方には合わないかもしれません。
● かつて作者もブラック飲食店で店長をしていました。
● 基本的にはおふざけ多め、たまにシリアス。
● 残酷な描写や性的な描写はほとんどありませんが、後々死者は出ます。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる